Just our type !「旧軽井沢ホテル」

Karu1Karu2Karu3気楽妻慰労の旅、軽井沢の宿泊先は「旧軽井沢ホテル」をチョイス。旧軽ロータリーに近く、周囲の散策にもホテル外の食事にも便利な場所だ。元は会員制のホテルだったものを、ホテルや旅館の再生や運営を手掛ける「アゴーラホテル・アライアンス」がリノベーションを行い、2015年7月にリブランド・オープンしたリゾートホテル。部屋数は50室と小ぢんまりとしたホテルながら、エントランスにはバトラーが常駐し、チェックインの案内をしてくれる。

Karu4Karu5Karu6ビーのソファに座って、ウェルカムドリンクとアミューズをいただきながらチェックイン。案内された部屋は52㎡のジュニアスイート。天蓋付きのベッド、中庭に向いたバルコニー付きの大きな窓、コンパクトながら居心地の良さそうなソファセット。「冷蔵庫の中のお飲み物と、スナック類は無料でお召し上がりいただけます」との案内に目が輝く。ある!ウェルカムドリンクのシャンパンがボトルであれば良いなぁと言っていたばかり。やはり日本は言霊の国だ。

Karu7Karu8Karu9に囲まれ、爽やかな高原の空気を味わいながら、バルコニーでシャンパンとスパークリングウォーターで乾杯。ボトルと言ってもミニボトルだったけれど、宿泊代に含まれているのだとは分かっていても、“無料”は嬉しく、かなり得した!という感じ。明るい陽射しの下で飲むシャンパンは美味しい。気分爽快。チャペルに面した中庭を散策。小柄な妻が座ると、ますます小さく見える巨大なソファが鎮座する。ふ〜っと、深呼吸したくなるロケーションだ。

Karu11Karu12Karu13食ビュフェのプレゼンテーションにも、夫婦揃って思わずにんまり。フレッシュジューズは大きなガラスのサーバーに並べられ、2種類の生ハムは原木のままディスプレーされ、自分で切り分けることができる。これは楽しいぞ!スモークサーモンは専用の鮭型の皿に並べられ、何種類ものチーズやペストリーなどのディスプレーも実に美しく、何ともスタイリッシュ。50室の部屋が満室になっても100人弱の宿泊客に向けた、実にゼータクなセッティングだ。

Karu14Karu15Karu16インの料理も何種類かのメニューから選択可能。私はスクランブルエッグを、妻はお約束のエッグベネディクト。「卵はとっても美味しいけど、さすがに小さいね」確かに拘りの卵を1個だけ使い、大きな白い皿の中央にポツンと佇む姿は、可愛らしいけれど、迫力には欠ける。とは言え、トータルでは大満足。他のホテルと比較してもかなり高水準の朝食。それに、客室の設えも、ホテル全体の佇まいやデザインも、柔らかなサービスも、どれもお気楽夫婦好み。

た来なきゃね」妻の再訪宣言は、満足の印。スモール&ラグジュアリーで、スタッフの接客が丁寧かつフレンドリーなことが好印象。「それに、次はホテルで夕食を食べてみなくちゃね」満足の朝食に、夕食はどうだろうと興味が沸いたらしい。了解。東急不動産HDがこのホテルを買収したとの報道発表もあり、運営が堅苦しくならないことを祈りつつ、惚れたホテルに別れを告げたお気楽夫婦だった。

軽井沢を味わい尽くす「川上庵、榮林、沢村、他」

KARUIZAWA1KARUIZAWA2年も激務の春を乗り越えたお気楽妻。恒例となった「妻を慰労する旅」2017は、高原の街軽井沢。旅のスタートは、軽井沢ならではの美味しいランチ。青山など都内にも数店舗の支店を持つ蕎麦の名店「川上庵」軽井沢本店に向かう。この店の名物は、蕎麦だけではなく、信州産の新鮮な野菜、そして鴨料理。サラダさえ食べさせておけばご機嫌の妻には、シャキシャキの山盛りサラダ。そして私は、軽井沢高原ビールと鴨煮込みでご機嫌。梅雨の最中とは思えない爽やかな気候の中、ビールをぐびり。実に幸福な一杯だ。その後に、2人でせいろ1枚で満腹満足のランチ。順調なスタートだ。

KARUIZAWA3KARUIZAWA4後の腹ごなしに旧軽井沢銀座通りを散策。かつて軽井沢は外国人向けの避暑地として発展し、別荘族向けに夏場だけ営業する店が多かった。私が学生時代にバイトしていた「銀座らん月」も夏季のみ営業の店があった。けれども、長野新幹線(北陸新幹線)開業以降、現在は通年営業の店も増え、某国を中心とした外国人旅行客が目に付く。ジャムで有名な沢屋、腸詰屋、ブランジェ浅野屋などを巡り、商店街の外れにある「茜屋珈琲店」でひと休み。自ら“高い”と記する菓子も含め、ALL800円。高い。けれど、通りの喧騒を離れ、のんびりするにはぴったり。冷たいココアをいただき、ひと息。ふぅ〜。

KARUIZAWA5KARUIZAWA6食は「スーラー湯麺食べたい!」という妻の希望で中華料理の「榮林(えいりん)」。かつてジョン・レノンが1976〜1979の毎夏、軽井沢滞在の際に滞在した際に宿泊した「万平ホテル」に通じる万平通りの入口にある。本店は赤坂。妻が大好きな酸辛湯麺(スーラータンメン)が有名な店だが、賄いで出したこの店発祥の料理なのだと言う。店に入るとジョンの写真が飾ってある席。むむっ。コメントを読むと、彼がこの店に最後に訪れた際に座った席らしい。おぉ〜。写真の中のジョンに冷たいビールを捧げ、ニカっと乾杯。彼もヨーコと食した?酸辛湯麺が一段と美味しく、ありがたい味となる。

KARUIZAWA7KARUIZAWA8日のランチは「ベーカリー&レストラン沢村」。広尾など、都内に数店舗の支店を持つ有名店。旧軽のロータリー近く、前日にランチに伺った川上庵の向かいにある人気の店だ。お昼前に到着したものの、すでに待ち行列。とは言え、280席の大箱。忙しそうに立ち働くスタッフから、すぐに希望のテラス席に案内される。「ブランジェ浅野屋」「フランスベーカリー」など、旧軽近辺には美味しいパン屋が多く、パン好きの妻の目はすでに前日から♡。その上、この店のランチメニューには“パン(食べ放題)とスープ”付き。「何にしようかなぁ」と悩みながら、実に嬉しそう。

KARUIZAWA9KARUIZAWA10が結局選んだのは「色々野菜のサラダ」、私は「チキングリルとレタスのロースト」と、白ワイン。オサレである。「パンもだけど、この野菜シャキシャキで美味しい」快晴の空の下、美味しさも増すというものだ。食事をしながら通りを眺めていると、観光客に混じり、実に多彩な地元民らしい方々が行き交う。大きなつばの帽子(皇族の方かと思うほど)を被った上品な老婦人が、何かを待っている。そこに白髪とサングラスが似合うちょいワル老人が赤いスポーツカー(カブリオレ)に乗って登場。どうやら2人はご夫婦らしい。余りにも軽井沢的な風景に見とれていると、「何だか良いね」と妻。

い頃には遊び人だった夫、それを支えた妻。それでも事業は成功し、ふと振り返ると妻が笑顔でいてくれた。そんな2人の老後は軽井沢で悠々自適の暮らし。…妄想が広がる。「また来なきゃね。新幹線で1時間でこんな風景があるんだもんね」1泊2日のショートトリップ。それぞれに思い出のある街。昨年の葉山に続き、古くて新しいお気に入りの場所を見つけたお気楽夫婦だった。

本との出会い、人との出会い「みをつくし料理帖」他

Book1Book2との出会いは楽しい。けれども、難しい。ふとした偶然もあれば、自ら選んで、探して、出会うこともある。今年で14回目となる、全国の書店員が選ぶという主旨の「本屋大賞」も本を手に取るきっかけになる。第2回、2005年の本屋大賞恩田陸『夜のピクニック』も受賞して紹介されたのがきっかけ。読み始めると、読んでいる最中なのに読み返したくなり、読み終えるのが惜しくなる。そんな作品だった。以降の恩田作品はほぼ読破。2017年2度目の受賞『蜜蜂と遠雷』の文庫化(ハードカバーはNGというのがウチのルール)が待ち遠しい。本屋大賞作品はほぼ読んでいるが、2014年の和田竜『村上海賊の娘』は、独特の物語世界に引き込まれ一気読みだった。和田竜の『忍びの国』も好きな作品。こっそり映画も観に行こうかと画策している。頼むよ!大野くん。

Book3Book4屋で偶然手にとって読んだ作品から、すっかりハマった作家もいる。ヘタウマな表紙イラスト、とぼけたタイトル、変わったペンネーム。小川糸の最初の1冊『食堂かたつむり』は、ジャケ買いだった。かつてご近所に住んでいたことも知り、すっかりお気に入りの作家になり、文庫化された作品は全て読破。偶然の良い出会いだった。友人に勧めらて読み始めたのはロバート・B・パーカー。スペンサーシリーズ第9作『儀式』を1984年に贈ってくれたのは、今は某大手出版社の役員、アテネ・フランセ時代のクラスメイトだった。すぐにファンになり、全作品を読んだばかりか、1999年には小説の舞台になったボストンを夫婦揃って訪ねたほど。パーカーが亡くなり、2012年に刊行された最後の作品まで、ヴァカンスに持参して新作を読むのが楽しみだった。

Book5Book6を交換しながら読んでいる友人から勧めらて、現在進行形でハマっているのが、高田郁『みをつくし料理帖』シリーズだ。彼女のセレクトとしては珍しい時代物。友人との間では、“食”に関する物語がブームだから、納得の選択でもある。「澪ちゃん(主人公)は、すぐに次が読みたくなっちゃうんです」と、一気に5冊も貸してくれた。舞台は江戸。大坂出身の澪が「つる家」という料理屋を切り盛りする物語。澪の生い立ちを知り、人情味溢れる周囲の人々に、辛い出来事も起こり、電車の中で読み始めた私は一気に江戸にタイムスリップ。確かにすぐに続きが読みたくなる、電車に長く乗っていたくなる物語。「所々泣けちゃうので、電車気を付けてくださいね」と友人からメッセージ。…そんな助言にも関わらず思わずほろり。「不意に泣かせるんですよね」御意。

Book7Book8理帖と副題にある通り、巻末には何とレシピ付き。季節ごとに食材を吟味し、旬の料理を拵え、庶民に手の届く価格で供する「つる家」の女料理人、澪(みお)。現在と比べれば調理器具も食材の保管方法も不十分な江戸にあって、彼女の工夫や発想が見事なのだ。そして味に厳しい江戸の客たち。まずいモノに対する評価は容赦ない。けれど、気に入った時に嬉しそうに食べる姿は、素直でストレート。そして、旬のモノに弱く、季節限定に弱いのは今と同じ。某ガイドブックの星のように、当時も料理屋の番付表があり、店も客も一喜一憂させられるのも現在と一緒だと笑ってしまう。そんなシリーズは全10巻で完結とのこと。現在3巻の途中。まだ7巻もあるぞと楽しみにし、7巻しかないのか大事に読もうと寂しくもなる。魅力的な人気(何と1巻は49刷!)シリーズだ。

書は人の幅を広げる。自分で選ぶだけでは手に取らないであろう作品も、友人から勧められるというきっかけがあれば、出会うことができる。友人との交換日記ならぬ、交換読書ができるのは幸福なことだと思う。購入する作家の担当を分担する。お互いに長い感想を言い合う訳でもなく、短いコメントで次もまた貸して!と暗黙の了解ができる。そして、読書の傾向が近いとは言え、全てが相手に合うわけでもなく、「何度かトライしたけど、ダメでした!」とコメントが返ってくる場合もある。それもまた面白い。本との出会いは、人との出会いでもあるなぁ、と友人に感謝。

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SINCE 1.May 2005