今年もお世話になりました♬「馴染みの店たち」

Endoh1Endoh2年一年お世話になりました。と、営業マンがカレンダーを抱え(紙袋に何本も入っているからすぐ分かる)客先へ挨拶に回る姿が目に付く年末。街にクリスマスソングが流れ、イルミネーションが溢れ始めると、何となく慌ただしく気持ちが逸る。何かやり残したことはなかったか。お気楽夫婦の年末ご挨拶先は、お世話になった馴染みの飲食店。師走の声を聞くとすぐに、お気楽妻がせっせと訪問先リストを書き出す。友人たちとの会食の約束に当てたり、ジムで走った後、芝居の帰りなどと、自分たちのスケジュールと店の組合せをパズルのように嵌めていく。美味しい料理と旨い酒を味わい、愉しく心地よく過ごせたことに感謝しお礼を伝えるための、とても大切な年末のルーティーン。

Endoh3Endoh4泉の「遠藤利三郎商店」は開店3周年のお祝いを兼ねて、かつてのスカッシュ仲間(現在はすっかりゴルフプレーヤー)の友人と共に訪問。OPEN前から話題だった「ワインアパートメント」の1階にできたワインバー。吹き抜けの2階まで壁一面に並ぶワインボトル、カウンタの上に美しく吊るされたワイングラス。そんな店内を見渡すだけで心浮き立つ気分。そして見目麗しく美味しい料理、何種類も用意されたグラスワイン。顔なじみのスタッフにワインを選んでもらいながら、友人とお芝居談義、スポーツ談義、そして恋話。居心地の良いスペースでリラックスして過ごす時間が嬉しい。お気に入りの店に、気のおけない友人たちをご案内できる幸福。今年もホントにお世話になりました。

Trois1Trois2陰神社前の「ビストロ トロワキャール」では全日本スカッシュ選手権の慰労会を兼ね、スカッシュ仲間(と呼ぶにはおこがましいが)たちと食事会。全日本通算4度の優勝の千夏は惜しくも今年はベスト4、智子は本戦出場と健闘。そんな2人は、パン♡LOVE、肉食女子、デザート好き。彼女たちにぴったりの店だ。「わぁ〜っ!このパン焼き立てで美味しい!」「オードブルすごいキレー!うわ、これ美味しい!何でしたっけ?」ふふ。その初々しいリアクションが可愛いぞ。いつものオードブル盛合せは少しづつ料理が入替わり、安定の美味しさと嬉しい新たな美味しさの一緒盛り。今回は定番のフロマージュドテットと、新顔の生マッシュルームのサラダが絶品の味。メモメモ。

Trois3Trois4って、メンタル強くないですよね」スカッシュは強くてもお酒は弱い(あれ?ちょっと顔が赤いぞ)千夏が零す。確かに学生時代の彼女はメンタルに課題があったけれど、今はどうなんだろう。2001年の初優勝以降、全日本の舞台で女子では最多の14回もファイナリストとなった彼女。内面は変わっていなくても、きっと周囲からはメンタルが強そうに見えるのだろうなぁ。「これ、やばい。すごい美味しいですね」「初めて食べたけど、いちばん美味しい!」15年以上日本のスカッシュ界を牽引してきた重責を束の間下ろして(智子はダイエットを束の間忘れ)鹿の肉を頬張る。牛、豚、鹿、3種の肉のローストは周年イベントのようなスペシャルメニュー。シェフの聡ちゃんに感謝。

年もよろしくお願いします」今年もお世話になりましたの後は、そんな挨拶が続く。ゆく年の親交に感謝しつつ、来たる年の変わらぬ交友を互いに祈る。嬉しいことだ。ありがたいことだ。馴染みの店も、友人たちも。「で、次の週末に行く店はねぇ…」妻がリストを眺めながら続ける。さて、どなたとご一緒しようか。

祝♡10周年「ショコラティエ・ミキ」

Mik1Miki2歩中のご近所で、その小さな店を発見したのは偶然だった。裏通りからさらに入った袋小路に面するマンションの1階。袋小路の入口に看板がなかったら素通りする場所。そのマンションの一室のドアを開けると、すぐに店。と言うよりも、その玄関先の1/2坪程度のスペースが小さな小さなショコラトリーだった。オーナー兼ショコラティエのミキちゃんが接客までする、先客がいるとドアの外で待たなければいけない、自称“世界で一番小さなチョコレートショップ”だった。そして数年後、駐車場を改装した新店をOPEN。店内のエアコンまでもチョコレートカラーの、それでも2坪弱の小さな可愛い店。

Miki3Miki4る年はパリで開催される「サロンドショコラ」に出店するというミキちゃんをお祝いした。後日、その際に空輸したボンボンショコラがダメになり、代わりにご主人が急遽オランジュを抱えてパリに飛んだというエピソードを聞いたこともあった。彼女が主催するお酒とショコラのコラボレーションイベントに、彼女のショコラが大好きな友人と一緒に参加したこともあった。彼女に紹介された焼き菓子の店「ル・プティ・ポワソン」を訪ね、妻はその焼き菓子の味に惚れた。その2人と一緒に食事をしたり、カラオケに一緒に行ったりと、すっかり友だち付き合いをしていただき、はや10年。…だという。

MIki5Miki6る週末、10周年のお祝いを抱えて役員秘書と3人で店を訪問。お祝いに選んだのは10本のピンクのバラ。ミキちゃんが好きそうな鮮やかな色。すると出産以降、店では会えなくなったミキちゃんが店にいた。なんてラッキーなタイミング。「IGAさぁ〜ん、会えて良かったです」彼女の創るショコラのように甘い声。さっそくお祝いの花束を渡す。「美しいっ。ありがとうございます」あの小さな店からスタートして10年。お気楽夫婦が知るだけでも、実にいろいろなことがあった。ミキちゃんが体調を崩したこともあった。新作のボンボンショコラの味が決まらず悩んだこともあった。「そうでしたねぇ」

Miki7MIki8「あ、今朝椎名林檎の曲がかかって、IGAさんのこと思い出したんです」ミキちゃんに思い出してもらえるなんて嬉しいね。そう言えば、カラオケに一緒に行った際に、彼女が椎名林檎を歌ったのを褒めたことがあったのだった。「紅白を視ながらIGAさんのことを思い出しますね」ふふふ。オヤヂ転がしのミキちゃんに乗せられ、チョコの大人買いだ!友人たちにプレゼントのオランジュと何種類かのボンボンショコラを購入。開店当時と比べ、ボンボンショコラの種類もずいぶん増えた。「こちらをお持ちください」10周年の記念ショコラをいただく。「きゃあ!嬉しい♡」役員秘書が感激の声をあげる。

Miki9Miki10後の晩餐じゃないけど、死ぬ間際に何を食べたいって言ったら、ミキちゃんのチョコなんだよね」とお気楽妻。「きゃあ!嬉しいです」そんなやり取りをしつつ、年末のご挨拶のハグをして別れる。「たくさんのお客様に支えられて、…10周年を迎えることができました。…召し上がった方が、その瞬間、少しほっとして、幸せになっていただけるようなショコラを作れたらと…」そんなミキちゃんのメッセージが入った10周年の記念ショコラ。10年間変わらない彼女のチョコに対する愛情、周囲に対する感謝と気遣いが溢れたミキちゃんらしい文章だ。極めようとする彼女のスタンスも変わらない。

せになるよね、やっぱり。ミキちゃんのショコラは♬」ミキちゃんのメッセージ通りに、お気楽妻が幸せそうにボンボンショコラを味わう。気温が上がる夏の間、ショコラのコンディションを考慮し、3ヶ月以上も休業するこだわりのショコラトリー。自分の子供のように優しく愛情いっぱいにショコラを扱うショコラティエ。繊細でおいしく美しいショコラ。彼女のメッセージに答えたい。こちらこそ、今後とも幸福のショコラをよろしくお願いします。

那覇ぶらぶら旅「やちむん通りとマチグヮー、桜坂」

Naha1Naha2縄最終日の朝、やちむん通りをのんびりと歩く。“やちむん”とは、焼き物のこと、そして那覇市壺屋地区を中心に焼かれていたやちむん(陶器)が、壺屋焼。登窯などを使って焼かれた伝統的な焼き物は、沖縄県で初めての人間国宝となった金城次郎さんの作品で有名だ。線彫双魚の皿や抱瓶などの複製を飲み屋でもよく見かけることがあるはず。国道330号線(ひめゆり通り)から壺屋大通りに入るとすぐに、やちむん通りの案内板と東ヌカー(東の井戸)がある。そこから裏通りに入り、改修中の新垣家上焼東ヌ窯(あがりぬかま)を横目に路地を散策。工房だけではなく、石敢當(いしがんどう)があったり、シーサーが門の上で睨んでいたり。そんな昔ながらの風情が残る古い町並みをそぞろ歩く。しばらく行くと「てんぷら坂」という小さな坂道に出る。

Naha3Naha4縄戦の直前に壺屋の住民が大きな防空壕を掘り、多くの人が助かったという場所。その複数あった防空壕の入口を利用して“てんぷら屋”が何軒もできたことに由来する名前だという。今でも「てんぷら坂」という、そのままの名前の店が1軒、長閑な風情で営業している。モズクの天ぷらでもつまみながら、オリオンビールをぐびりと飲みたい店構ながら、まだ午前中ということで断念。うな垂れて足元を見ると、“うふシーサー”が描かれたマンホールの蓋がある。“うふ”とは、大きいという意味のウチナーことば。そういえば、壺屋地区近くに巨大なシーサー像があった。探してみると他にもブーゲンビリアなどを描いた鮮やかな蓋があちこちに点在する。そんなマンホールの蓋を探しながら、いつの間にか迷宮のような商店街に入り込んでしまった。そこは…。

Naha6Naha5名な牧志公設市場辺りから続く「平和通り商店街」だった。ウチナーのおばあが好んで着そうなワンピースを売っている店あり、自炊設備付きのゲストハウスあり、お気楽夫婦の琴線に触れるディープな街並みがアーケードの下に続く。「ひやみかちマチグヮー館」という既に何語か分からない名前のビルがある。調べてみると、市場近辺の街を賑やかして応援するというイベントが盛んに行われている建物らしい。そしてそんな昭和な商店街に続くお目当の桜坂へ。そこは原田マハの『風のマジム』という作品に登場する場所。そんな坂の途中に実在する「桜坂劇場」の1階には、物語の中で重要なエピソードの舞台となるカフェバーがある。そう、聖地巡礼。建物の中の古本屋には大島弓子や萩尾望都など、どストライクのラインナップ。何だかいいなぁ、ここ。

Naha7Naha8ぁさんですよ、富士家ってお店知ってますか。冬でもかき氷がまぁさん(美味しい)さぁ」*てーげーなウチナーグチです。すいません。タクシーの運転手さんにそう聞いた店が那覇で滞在したホテルの近くにあった。沖縄最終日のランチはそこだ!と決めていた。交差点の角。周囲を圧する派手な外観。店内は清潔感溢れ、かつオシャレ。古いミシンを使ったテーブルや壁のオリジナル標語パネルが印象的。若いスタッフたちはクールなのに愛想良し、居心地も良し。モダンウチナー、平成の沖縄の香り。オーダーしたのはトラディショナルなタコス、カーリーフライ、三枚肉そば、そしてコロナという王道メニュー。*残念ながらかき氷はオーダーする勇気なく断念。ん、どれもきちんと美味しい。オールド沖縄を現代風にアレンジしたバランスが絶妙な店。この店好きだな。

縄、かなり楽しかったなぁ♬」お気楽妻がシミジミと呟く。ん、実にいい旅だった。東南アジアのリゾートばかりに目を向けず、国内も見直すべきだなぁと反省。泊まりたいと思うホテルも増えているし、元々サービスのレベルも高いし、食事は美味しいし、何より日本語が通じる(笑)のが嬉しい。日本各地の風土や文化に触れる旅、次はどこへ行こうか?「香港行く?」え?

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SINCE 1.May 2005