三軒茶屋で日本映画を!『スウィング・ガールズ』
2005年 7 月16日(土)
三軒茶屋の映画館で(と言ったら分かる人には分かる)30年ぐらい前の名画座の雰囲気を味わいつつ、映画を観るのが好きだ。たまに痴漢も出る。(昔の名画座は痴漢が良く出た)その日も席はたっぷり空いているのに、女性の隣りに座るオヤヂが出没。こらっ!その女性はオヤヂに気が付き、すぐに移動。ふぅっ、未遂に終わった。
そんな映画館で観た作品はそんな雰囲気に、ある意味ぴったりの『スウィング・ガールズ』。『ウォーター・ボーイズ』が出世作、PFF出身の矢口監督の作品。自分の作品の二番煎じかぁ?と躊躇いつつロードショー公開を見過ごしたもの。それでも身びいきではなく、心から言える「良いべさぁ、この映画」…観終わってビールを飲みつつ、「ジャズ、やるべ?」二人でスウィング。映画で演奏された「スウィング×3」「ワンダフル・ワールド」やら、帰りの電車でスウィング。翌朝、妻はやはりスウィングしながら起きてくる。しばらく心が軽く、明るく、元気になる。
登場したスゥイング・ガールズ & ア・ボーイが良い。中でも主役の上野樹里が良い感じ。(つい、その後「亀は意外と速く泳ぐ」などを観てしまった)主人公“友子”が彼女そのものだと思わせてしまう自然なおとぼけぶり。細部に遊びがあるのに、B級にならずに仕上がっているセンスの良さ。東北弁の暖かさも良い。文字通り映像はリズム感に溢れ、何よりも制作側も出演者も良い意味で楽しんでいるのが分かる心地良さ。パンフレットはドーナツ盤サイズ。メイキング・ストーリーも楽しい。やっぱり良質のエンタテインメントは人を豊かにする。
…これからは純粋に観客としてライブに行くことになる。わがままな観客で良い。チケットが取れなかったら文句も言おう。そして、これからは空席を気にせず芝居が、映画が観られ…ないだろうなぁ。