ご近所のヒーロー「ウルトラマン展」
2006年 8 月19日(土)
日曜日の7時。小さな子供だった私には、それは深夜に近かった。日中に思い切り遊んで疲れた子供にとって、眠い眠い大人の時間。そこに、ある日登場したTV番組が『ウルトラQ』。石坂浩二のナレーションで始まるその番組は、後のシリーズのように、ウルトラマンに代表される巨大化するヒーローは登場しない。ストーリーも、生身の人間(万城目、由利子さん、一平たち)が活躍する、身近なワンダーワールド。だからこそ、リアリティのある(と、子供は誰も思った)不思議な世界。ご近所のヒーロー。
タイトルも「五郎とゴロー」(巨大化した山猿ゴローと仲良しだった五郎の話)とか、「カネゴンの繭」(金が大好きな金根田金男がカネゴンになってしまう)とか、一ひねりあり、さらには“子供”が主人公となるストーリー。夜のデパートに出現する“ケムール人”は、本当に怖かった。ダムを壊す“ガラモン”は夢に何度も現れた。
そんな子供の頃の記憶を呼び覚まさせる展覧会?に行った。京王線の芦花公園駅から徒歩5分。閑静な住宅街に突然現れるのが<世田谷文学館>。“文士”が多く住み、街を描かれた世田谷に文学の博物館を創ろうと建てられた。そこで開催されているのが<不滅のヒーロー ウルトラマン展>(C)円谷プロ。そう、円谷プロ社屋も、世田谷にあった。世田谷の(農道跡の)細い道を運転し、砧辺りを迷っていると突然現れるウルトラマン像。これも、ある意味ワンダーワールド。(現在、円谷プロの本社は同じ世田谷の八幡山にある)そんな縁で開催された企画。
ウルトラマン展と言いながら、正確には“ウルトラシリーズ展”。ウルトラQの制作秘話、台本などが興味深い。世田谷文学館が怪獣に襲われているジオラマなど、遊びの企画も展示。その上、この展示企画は関連イベントも興味深い。なにしろ着ぐるみウルトラマンの握手会は一般的だとして、ウクレレを弾くウルトラマンのコンサート企画まであるのだ。中身は高木ブー?それにしても、年代によって印象深いシリーズが違って面白い。妻はシリーズ第3作“ウルトラセブン”。思わず通販で“ウルトラQ”全28話の完全デジタル化DVD!なんぞを買おうと思ってしまった私は・・・。