美味の共有「プレゼント交缶」

P1_3友人夫妻がご近所に引っ越してきて1ヶ月が経った。中古のマンションを購入し、リフォーム。仕事で忙しい友人(夫)が眠る時間を削って計画した。楽しみながら床材を選び、壁紙を選び、バスタブを選び・・・なのに施工はトラブル続き。他にもいろんな問題を抱えた彼は、心労の余り“円形脱毛症”になってしまった。彼女も毎日が慌しく、へとへと。そんな彼らに、帰省みやげを買ってきた。プレゼントを選ぶのは楽しい。

おみやげは、紅茶好きの友人(妻)へと選んだ“ラ・フランス”の紅茶。待ち合わせをしたご近所のイタリアン・レストランで手渡すことになった。「ありがとう♪私もプレゼントあるんだ」彼女が手にしていたいたのは、隣の町のお茶専門店の包み紙。むむっ?もしかしたら?包みを開くとやはり、<桃のフレーバー・ティ>「こっちも紅茶なんだ。開けてみて」ショット・バーの小粋なママからいただいた、美しい折り紙細工の包装の中に、ほぼ同じ銀色の缶に入った紅茶。同じだったことが残念ではなく、ちょっとくすぐったく、嬉しいプレゼント交換。あるいは、“紅茶の交缶”。

「今日の工事は、お風呂場の目地の隙間を修繕してたの」食事の手を止めて、うんざりと彼女が呟く。ありゃりゃ?とっくに改装工事は終わりだと思っていたらまだ続いているらしい。彼らが引っ越してきた日に訪ねた新居は、インテリアもセンス良くまとめられた“こぢゃれた”ものだった。彼が自分の身体を(文字通り)犠牲にして進めたリフォーム。なのにまだ・・・。「そういえば、萬来軒に行ったら、おぢちゃんが今年も皆で“上海蟹”食べに来て、って言ってたよ」「そうかぁ、もうそんな季節だねぇ」「皆で食べに行った後に、新居祝いのお披露目やるってのはどう?」「良いねぇ、今年はウチもキッチンバサミ持参する♪」ようやく本来の笑顔と元気な声になる友人(妻)。それでなくちゃ。

P1_4二人と別れてジムに向かう。「今日の夕食はどこで食べようか。彼らのために、新しい店を探すってのも良いね」・・・この街をのんびり散策したいのに、まだ余裕がないという彼らの代わりに新規開拓。前から気になっていた“鶏飯”のお店。奄美出身のママが独りで切り盛りするこぢんまりとした店。鶏飯の味も優しく、美味。おふくろの味的なおつまみも好感度高し。「うん、この味だったら彼らにお薦めできるね」この大好きな街で、外食する楽しみが増えた。お気楽夫婦が二人で共有する味を、今度は4人で。

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