ご近所ショコラ「ショコラティエ ミキ」千歳烏山
2007年 7 月14日(土)
街が“文化”を持ち得るためには、街の個性や奥行き、そして“香り”が必要だ。それは店主のこだわりだったり、プロの技だったり、業種の多様さだったり。いろんなものから街の香りが立ち昇る。均一化されたチェーン店の赤い看板や、ファーストフード店や携帯ショップが並ぶ街角からは決して香ってこない。お気楽夫婦の住まいから歩いて数分の場所に、小さなチョコレート屋さんを発見した。裏通りに入り、さらに袋小路の突き当たり。それも、手書きの看板がなければ見逃してしまうような、「え?こんな場所に?」というビルの裏手。
店はマンションの一室。緑のドアを開けると、そこがいきなりお店。正確には、“そこだけ”がお店。小さな玄関に無理やりカウンタを設えて、奥のキッチンは工房。チョコレートだけではなく店そのものも手作り感覚溢れる店。ショコラティエ ミキは、店主のミキさんの佇まい同様に、柔らかくちょっと不思議な雰囲気に包まれたショコラトリー。秘密クラブの受付のような、学園祭の延長線上のような。聞けば工房での経験はなく、専門学校や大手のチョコレートメーカーの研究室で調合を数年経験しただけだという。そこで発見した自分だけの調合を直接お客さまに食べて欲しかった…のかどうかまでは聞けなかったけれど。
“ミキ”さんという名前は、ショコラティエとしての“芸名”?だという。フワフワとした可愛い声で語る彼女の作るショコラは、繊細で、本格的で、そして何よりリーズナブル。試食を薦められ、季節限定のパッションフルーツのボンボンショコラを頬張る。ジンジャーと柑橘類独特の香りとが、ふわっと口の中に広がり、チョコレートの苦味と絶妙に交じり合う。旨い。「去年の12月にオープンして、冬の間は絶好調だったんですけど…」そんな呟きを聞いてしまった2人は7種類のボンボンショコラを2セット、チョコレートケーキをお買い上げ。こんな店がこの街でずっとやっていけるようにと思わず応援したくなる。
美味しいし、是非自分のブログでお店を紹介したいと申し出ると、「嬉しいです♪じゃあ、お礼にチョコレートケーキをもう一つお持ちください」と追加してくれる。こちらこそありがとう♪モノで釣られた訳ではなく、こんな店が自分の住む街にあることが嬉しい。近所に住む友人夫妻に、さっそくお店のカードと共にボンボンショコラを1セット届けよう。「こら、もう試食しなくて良いよ!」え、だって美味しいんだもの。その日3個目のチョコを口に入れたまま、妻に首筋をつままれるように店を後にした。また伺います。
【食いしん坊夫婦の御用達へ】 ■ショコラティエ・ミキ
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