ペットボトルは燃えるゴミ?「RVM」
2007年 10 月14日(日)
ゴアがノーベル平和賞を受賞した。『不都合な真実』という映画上映を核に地球温暖化の警鐘を鳴らし、温暖化の“事実”を世界中に知らしめた・・・というようなことが受賞理由なのだろうが、どうなんだろう。地球温暖化は存在しないという傾向の強いアメリカにあって、元副大統領という立場での発言としては貴重だとは思うものの、全世界的に最優先課題として取り組むべき課題なのかという疑問はある。京都議定書遂行のために掛かるコストを他に向ければ、温暖化によって失われる生命以上のものを救える可能性もあるし、地球温暖化にしても全地球的にまっしぐらに向かっている気候傾向ではないというデータもあるし(マイクル・クライトン『恐怖の存在』に詳細)・・・などなど。でも、マスコミ、世論はますます“エコ”をキーワードにまっしぐらになっていくんだろうな、この受賞を契機に。
誤解のないように言っておくと、“エコ”を否定しているわけではなく、何が地球に優しく、生命に優しいのかは良く分からないんだよ、ということだけ。エコというワード自体、先進国が快適な生活を送りながら、細部だけで自己満足的に行っているファッションのような気がしてしまう。でも、やってます。我家でも。歩いて10秒のコンビニに行くときは、二人で抱えることのできる買物はレジ袋を断るし、ファッションとしてではないマイバッグも持っているし。あ、でもウチの場合はエコではなく、“もったいない”んだと、今気が付いた。節水も、節電も、洋服のリサイクルも、新聞紙やペットボトルのリサイクルも。
ある週末、RVM(Reverse Vending Machine)というペットボトルの自動回収機とポイントシステムとを結びつけたスキームを新たに展開するために地元でお仕事をした。商店街の買物で発行するポイントの管理システムとICカードを利用して、ペットボトルの回収でもポイントがもらえる仕組み。ペットボトルのリサイクルで貯めたポイントを地元の商店街の買物でも使えるという分かり易いエコ。地元のスーパー2店舗にRVMを設置し、2万人以上の住民が既に持っているカードを新たにペットボトル用のポイントも貯まるように登録し、RVMの使い方を教えるプロモーション。スタッフは地元のおばちゃん。分かり易いモデルだけに住民の反応も良い。若いカップルの新たな参加も多かった。
お気楽妻もさっそくペットボトルを機械に投入。ポイントをゲット。「良いじゃない、これ♪」RVMの内部でペットボトルを粉砕する音がグワラララと響く。世田谷区では一部のエリアをモデル地区として、ほとんどのゴミを燃やしてしまおうという方針を打ち出した。清掃工場の設備改良によりダイオキシンが出にくくなったことからだという。これまたホント?という疑問は残るし、“サーマルリサイクル”という言い方も詭弁に聞こえる。環境問題は、こんな短い文章でいろいろ書くのは難しいし、複雑で正解のない課題。「エコはエコロジーだけじゃなくって、エコノミー的にも分かり易くないと続かないよね。ポイントが貯まって買物に使えるっていうのは、この街のおばちゃんたちにぴったりだよ」そうなんだよね。スタンプ共和国と名乗るこの街、良し悪しはともかく、このシステムは定着しそうだ。