ご近所散歩「行列のできる店、できない店」

Photo_4っかり春の気配。花粉が飛び、黄砂も飛び、防衛省のトップの首は飛びそうもなく、姪っ子の入学試験も心配な、春。季節の移り変わりの中で、人生における節目としても、こんなに劇的な変化があるのも春ならでは。なのに春になると、ふらふら散歩気分のお気楽夫婦。どこかに出かけたくなる相変わらずお気楽な日々。ある週末に、ご近所で評判のラーメン屋に向かった。グルメ系雑誌の読者人気ランキング上位の評判店。なんでもアメリカで伊丹十三監督映画作品『タンポポ』を観たことでラーメンに興味を持ち、日本に留学中に真のラーメンに目覚め、故郷に帰ってもその味が忘れられずNYCのレンチレストランで修行し、再来日し“自分の味”を追求してきたらしい。『タンポポ』以上に凄いストーリー。

人の住む街から電車で1駅。勝手知ったる隣町。昼下がりの遅い時間を狙い、のんびりと店に向かう。すると駅から同じ方向に向かうカップルがひと組。「こっちじゃないの?」「住所からするとそうだねぇ」ん?まさか、ラーメンマニア?「そんなわけないでしょ!」と、気にせずのんびりと歩く2人。道の途中には、旧甲州街道の古い街並が保存された場所がある。農機具を扱う「山本善水商店」や家具工房の「クニナカ」が並ぶ。その店先には木工細工のお雛様が並ぶ。ぽかぽかの春だねぇ。ん?さっきのカップルが向かった先に行列。ま、まさか。行ってみると、古い小さなアーケードがあるその場所に、長蛇の列。看板には「アイバンラーメン」とある。ここだ。ふぇ~。咄嗟に、この店に来た訳じゃないもんねぇと通り過ぎる2人。行列の顔はみな真剣。恐るべしラーメン好き。「凄いねぇ、この時間で。1時間近く待つよね、あれじゃ。待てないね私たちは」・・・たぶん、あの人気が続く限り、待てない2人は食べられない。残念。

Photo_5ゃあ、この店にしよう♪」しばらく歩くと妻が気になっていたというカフェに出くわす。ひっそりとした休日の昼下がり。こぢゃれた店構え。内装の趣味もよろしい。ところが、私が頼んだパスタランチのパスタは、超アルデンテ。早い話が芯がわずかに残っている。それに、このミントの葉は見た目はすごく綺麗で美味しそうだけど、パスタの味にはちょっと合ってないぞ。「これ、カリカリ度が足りないし、サイズが小さいね」妻のオーダーしたワッフルも今イチらしい。う~む、問題あり。若くしてオーナーになったであろう店主が、ちょっと上から目線で接客してくれるし。「きっと客を選ぶんだね」客も店を選ぶんだけどね。じゃあ、天気も良いし、家までのんびり歩こうか。途中でミキちゃんとこでチョコレート買おう。「うぁ~いっ♪」妻のご機嫌も回復。早々に食べ終え、店を出る。街の小さなショコラティエまでは歩いて10分余り。ちょうど良い散歩コースだ。

<ョコラティエ・ミキ>の前にはいつの間にか温室のような休憩スペース。ドアを開けるとミキちゃんが迎えてくれる。「こんにちはぁ~。いっつもお2人でいらしていただいて、ラブラブですねぇ」両手でハートの形を作り、“ラブラブ”と繰り返す、ラブラブ声のショコラトリエ、ミキちゃん。はぁ~、和むねぇ。店の前のスペースはお父さんが日曜大工で作ってくれたらしい。「お茶をお持ちしますので、休憩スペースでお待ちください」いただいたハーブティは温かく、美味しい。ひとしきり話し込んでいるとお客様来訪。「あぁ、ここだ、ここだ。見つかったぁ」どうやら遠くから車でやって来たらしい。「いらっしゃいませ♪」ミキちゃんがラブラブ声で迎える。「お店はこちら?」「はい、小さな店なんですけど、どうぞ」じゃ、私たちはこれで。「ありがとうございましたぁ。またいらしてください」ぽかぽか陽気の気分そのままに、チョコレートを抱えて自宅に向かう2人。「私たちが1回しか行かない店と何度も行く店ってはっきりしてるよね」そうだね。また来たいって思わせる店って、大事だよね。そうだっ!忘れられないうちに<たん熊北店>にも行かなきゃね。・・・ということで、本城さん、春を味わいにお伺いします!

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