Archive for 3 月 30th, 2008

浜松、待望の一軒「割烹 弁いち」

Photo_3前から気になっている店があった。浜松にある割烹 弁いち。歯科医だった妻の祖父が、いつも接待に利用していたという老舗。創業は大正13年と言うから、90年近い歴史を持つ店ということ。以前、ご近所の友人夫妻と一緒に浜松まつりを見学に訪れた際に、仕出しの料理をいただいた。美味しかったけれど、この店の真髄は酒。料理に合う酒を見繕ってもらって飲む、これは店にお邪魔しないと不可能。ということで、ある春の週末の夜、妻の両親と4人で出かけた。「昔、この辺は乾物屋さんとか古くからの店が多かったよねぇ」親子の会話も弾む、彼らにとってもちょっと楽しみな、余所行きの店。小ぢんまりとした玄関に、季節の花が艶やかに迎えてくれる。

Photo_82階のお座敷に上がり、まずはビールで乾杯!と言っても4人の中で飲むのは私だけ。さっそく店のオススメ生ビール、ガージェリー エステラを最初の一杯に選ぶ。このビール、ベルギービールのように専用のグラスがあるばかりか、ガージェリー・リュトンという杯の原型の角笛を模した、テーブルに置けないグラス。もちろん専用の受け台があって、その凹みの部分にグラスの底を差し込むと綺麗に収まる仕掛け。ふ~む、味も華やかで美味しい。そして最初の一皿、前菜の味のバリエーションに驚く。そして、これがどれも絶品なのだ。

Photo_11ずは、蕗の薹の天ぷらを塩で食す。これは予想通りに美味しい春の味。そして、山独活。大人の味。これにつける味噌が素晴らしい。麹と茄子など複雑かつ絶妙な味のバランス。うんめぇっ♬そしてこれだけでも食べに行きたいハマグリとのヌタ。これがもう、ん~ん、今すぐにでも食べたいっ!これに合うお酒は…。そんな時に、この店に用意されているのは店主が料理に合わせて選んでくれる日本酒3種、4種。これは嬉しい。3種類でお願いして、追加して4種にしても良いですか?「あぁ、結構ですよ」と出てきた最初の1杯は、地元静岡の酒、正雪にごり酒。

Photo岡にもなかなか美味しいお酒があるんですよ」店主自らが一升瓶を抱え、ラベルを示しながら酒の説明をしてくれる。「由比の神沢川酒造さんの限定の品です。活性の生酒で、ちょっと炭酸が感じられます」口の中にぷちぷちの柔らかな泡、フレッシュな飲み口。う、うんめぇ~♪料理のうんめぇ~と合わせ、ダブルで美味しい。幸せだ。確かに料理と良く合う。「最近飲むのは焼酎が多くて、日本酒飲まなくなったもんねぇ」妻が告げ口。うん、確かにお店で勧められて飲む日本酒は美味しいね。家で一升瓶を買うと、もちろん飲みきれないし、保存も大変だしね。「あぁ、ぜひ日本酒に戻ってらしてください」はい、こんな飲み方だったらぜひ。そして、美味しい日本料理と日本酒の幸せな組合せは、来週に続く。

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