良き宿、良き仲間「サンセットブリーズ保田」
2008年 3 月29日(土)
ざざぁ~。ざざぁ~という音が微かに聞こえる。ん?ここはどこだ?狭い部屋。畳に布団。隣には妻と友人(妻)が。おぉ~、そうだ。スカッシュの大会で千葉まで来ていたんだ。2人を起こさないように、そっとカーテンを開ける。朝日に輝く海が目の前!身体には前夜の酒がたっぷり残っているけれど、気分は(半分)爽快。良い朝だ。しばらく目覚めそうもない2人を残して部屋を出る。「おはようございまぁ~す」見知らぬ宿泊者から声を掛けられる。大会関係者で貸切のこの宿は、顔を知らない同士でもスカッシュをやっている仲間だという意識でお互い自然に挨拶をする雰囲気。「・・・おはようございます」くぐもった声で声を掛けてきた巨体は同じクラブのMちゃん。顔がむくんでいる。前夜は早めに暴走を始め、早々に沈没。朝風呂に行くらしい。ふふふ。やっぱり良い朝だ。
外へ出ると、まだ肌寒い空気の中にも春の暖かさが紛れ込む。のんびり散歩気分。建物に隣接するフットサルコートの人工芝の緑が眼に眩しい。昨夜のパーティでオーナーの倫くんが挨拶で披露したことばを思い出す。「…おかげさまでスカッシュ以外の利用の方も増えてきました。企業研修やフットサルの合宿など。そんな宿泊のお客様全員に、スカッシュを体験していただいています。ここにいらっしゃる皆さんがそうであるように、スカッシュは体験すればハマってしまう素晴らしいスポーツです。それをきっかけに1人でもスカッシュを続ける方が増えていけばと思っています。明日は順調に行けば、学生時代にお世話になった山崎さんと準決勝で当たります。そして決勝は石渡くん。プレーヤーとしては、お2人と対戦できることを楽しみにしています…」涙が出てきそうな、良い挨拶だった。
宿に戻ると朝食の準備の真っ最中。美味しそうなサラダが盛り付けられはじめていた。この宿は食事も美味しい。昨夜のパーティも、体育会系のメンバーのために、ボリューム充分、味も満足のメニューが盛りだくさん。炭水化物系がちょっと多かったけれど、残すようなことはしない参加者たち。大会会場で顔を合わせるけれど、話をしたことのなかった大勢の人と知り合いになった。同じクラブのレッスン仲間とも新鮮な会話を交わせた楽しいパーティだった。「山ちゃんのプレー初めて見たんですけど、カッコイイですね。ほんと、見直しました」とのコメント。コーチとしてだけではなく、プレーヤーとしても彼は一流。あれでもう少しストイックにスカッシュをやっていればチャンピオンになったんだろうけど。でも、お間抜けな酔っ払いで、底抜けに明るく、でかい声が耳印で、すぐどこにいるか分かる、そんな山ちゃん”こそが、お気楽夫婦は大好きなのだ。
その山ちゃん、前夜の宴会での活躍にも関らず、順調に勝ち上がり準決勝進出。しかし、攻めても攻めても、拾えないボールはないのではないかという倫くんのスカッシュに対し善戦の末に敗退。それでも前夜の酒量を考えたら、超人。その教え子として臨んだ久しぶりの試合は、初戦敗退。「良く走ってましたね」「良い試合でした」と観戦してくれた方たちに慰められたものの、負けは負け。とは言え、楽しい試合だった。スカッシュを愛する仲間たちが集まり、スカッシュを愛するスタッフによって運営された楽しい大会に参加し、スカッシュを愛するオーナーの情熱で運営される素晴らしい施設でプレーできたことが、何より楽しく嬉しかった。「ちっ、つまんなかったぜ」寝不足の上に1回戦は不戦勝で時間が空き、2回戦では身体が温まる前に無残に負けた妻がこぼす。よしっ!今度はここで合宿だ!WEBスカッシュの皆さん、ぜひご一緒しましょう!