若鮎、茗荷、天茶、パルコォ!「天一」の天ぷら

P1000097初夏の候、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年は雨が多いですよねぇ。・・・ところで、初夏、と言えば鮎の季節だ。盛夏に食べる鮎の塩焼きもたまらなく旨いが、天ぷらの若鮎も季節に一度は食べたいお気楽夫婦の大好物。そうそう、鮎が大きく育ってしまう前に、「天一」に食べに行かなければ!そんな2人を挑発するように、新聞に天一の広告が掲載された。「若鮎 茗荷 天一」相変わらず簡潔なコピー。2人は、この季節ごとの天一の広告にめっぽう弱い。これは「行き給え」という天啓に違いない。それではと、渋谷で芝居を観る日に東急本店の天一に向かう計画を立てる。開演は7時。天ぷらを食べるには、芝居を観終わってからでは遅い。かと言って芝居を観る前に食べるには時間がない。う~む。

Photo_5「分かった。その日は仕事を速攻で終えて、すぐに会社を出るよ!」ずっと忙しかった妻の仕事もようやく一段落。久しぶりに余裕ができたらしい。私もその日は渋谷の近くで仕事が終わる。よしっ!芝居を観る前に天ぷらだぁ♪「嬉しいねぇ。何だか退廃的な感じ?ん?背徳的か?」当日、店に向かいながら妻が嬉しそうに囁く。ちょっと日本語の使い方が違うような気がするけれど、気持は分かる。けれど、まだ陽が傾く前に店に入ったのに、カウンタ席には既に大勢の客が!初老のカップルや奥さまたちが既に揚げたての天ぷらを楽しんでいる。恐るべし、団塊パワー。金も時間もたっぷりある。そんな皆さまの隙間に2人分だけ残っていたカウンタ席に座り、ビールをぐびり。うっすらと感じる罪の意識で、一段とビールが旨い。

Photo_7「さすがに今日はお好みで揚げてもらう時間はないねぇ」う~んと、迷いつつコースをオーダー。「お食事の後、どちらかにお出かけですか」2人の会話を聞きつけたらしく、板さんが尋ねてくれる。「7時からお芝居なんです。それも文化村じゃなく、パルコ劇場で」「それでは15分前ぐらいまでにお食事が終わるようにいたしましょう」はい、お任せします。ところで、鮎と茗荷を食べに来たんですけど、コースに入ってますか。「はい、若鮎と茗荷、それ以外にはキス、サイマキ海老など、最後に天茶かかき揚げ丼をお出しします」ふぅむ。なかなかお得な内容。初めに海老の脚。かりかり旨い。ビールお代わりください♪キスを頬張り、待望の若鮎と茗荷を齧る。旨いっ!初夏の味がふぅわりと口の中に拡がる。春の山菜も美味しいけれど、夏も旨いねぇ。

Photo_4「〆の天茶とかき揚げ丼はどちらになさいますか」あ、ひとつづつください。どちらも、さくさくのかき揚げが旨い。ごちそうさまでした。「ふぅ、お腹一杯。これから芝居を観るって感じじゃないねぇ」とは言え後藤ひろひと作・演出『恐竜と隣人のポルカ』も楽しみにしていた芝居。観終えても何も残さない、ただ笑ってもらえば良い、というのが後藤のコンセプト。満腹でも大丈夫。消化しやすい。キャストも寺脇康文、水野真紀、石野真子と“芸能人”を集めたお気楽芝居。さらっと軽く笑える。中でもアイドル時代を彷彿させる石野真子が良い。後藤自身が真子ちゃん好きで書いただけの脚本か?と思えるノリ。極めてTV的な、お笑いのような脚本。え!お笑い?3の倍数でお腹一杯になった?1(若鮎)、2(茗荷)、3(天茶ぁ)、おもろぉ!じゃなくて、パルコォって感じ?「え?」妻、氷結。

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