さくらんぼを携えて「蕎麦パーティ」
2008年 7 月05日(土)
桜桃、さくらんぼ、桜坊、チェリー、同じ果物なのに、不思議と呼び方でイメージが変わる。桜桃ということばの響きには桐箱入りの高級品の香りが漂い、チェリーと呼べば素麺の中にぽつんと入った赤い果実を思い出させるチープさを感じてしまう。また、年代によって思い出す歌も変わる。大塚愛『さくらんぼ』、スピッツ『チェリー』、YUI『CHE.RY』、もしかしたら『黄色いさくらんぼ』を思い出す人もいるかもしれない。「あ~な~た~と~わ~たしさくらんぼ♪てな訳で、桜桃を送ります。周りにお裾分けして食べてください。味は折り紙つきです」桜桃忌も過ぎたある日、そんなメールと共に農家に嫁
いだ(訳ではないが)弟から季節の果物シリーズ(夏)が届いた。ふっ、大塚愛で来たか、では。「つまんでごらんよぉ、ワン♪ということで、さくらんぼ届いたよ!」ゴールデン・ハーフで反す兄。
山形産、佐藤錦。特選。それも、果物の味にこだわる弟の折り紙付きの味。野菜の苗や種、肥
料などを扱う小売店を経営する彼は、お客様から果物をいただいたり、勧められたり。フルーツ王国山形の果物を食べ比べ、舌は肥えている。「うっ!美味しい♪甘さが強くて、上品だし、香りが良いねぇ」さくらんぼを<佐藤錦>としか呼ばない妻も唸る。皮に弾力があり、果肉は瑞々しく、口の中でぷちんと弾け、甘みと酸味が幸せと共に拡がる。絶品だ。「サクランボ、さっそく頂きました。さすが太鼓判を押すだけの甘さで大満足ですっ。あんなに綺麗に整列したサクランボを食べてのは初めてです。週末に彼の同僚の蕎麦打ちパーティがあるので、1パック持参します♪」と妻も思わず絶賛のメールを送る。
そして、その蕎麦打ちパーティ当日。電車を乗り継ぎ、1時間余り。会場は海に近い街の、大きく豪華なマンション。遅れて到着したお気楽夫婦をにこやかに迎えてくれたのは、蕎麦処の店主と奥さま。窓いっぱいに広がるベランダと一体になった明るいリビングダイニングでは酒宴が始まっている。先に到着したメンバーは既に酔い加減。大きなテーブルには料理屋顔負けの本格料理の数々が並ぶ。凄い!蕎麦を啜りながら酒を飲むぐらいのつもりで訪れたのに。おぉっ!好物の穴子のみぞれ煮。美味しいそうっ♪「その穴子、昨日の夜、その先の海で釣ってきたんですよぉ」「昨日は僕らと一緒に飲んでいたじゃないですかっ!」店主の冗談もちょっとした調味料。でも、丸のままの穴子を買ってきて捌いたらしい。それも凄い。
店主と奥様との連携で、次々に出来立ての料理が運ばれてくる。うぅ~ん、この肉じゃがも優しい味。旨い。「ほんと、美味しい。これだったら、ご夫婦でお店開けますねぇ」料理が苦手だという女性メンバーが絶賛する。皆が持ち寄った日本酒、店主秘蔵の芋焼酎も美味しい。うわっ!焼酎は瓶まで用意してあるんですねぇ。こりゃ酒も進まざるを得ないでしょう。それにしても手際の良いお2人。「こうして皆さんに集まっていただいて飲むことが、昔から多いんですよ」なるほど。ホスピタリティ溢れるお2人が醸し出す空気は、この店(お宅)を居心地良くしている源。それに、お洒落で大振りなパーティ用食器や、江戸切子などのグラスのコレクションも店主の趣味が伺われ、楽しい。
「うわっ!ピザですか?美味しそう♪」「これも手作り?凄~いっ!」「カリカリで美味しく焼けてます。旨いっ」メンバーたちも思わず次々と手を出す美味しさ。バジルはベランダで育てた自家製とのこと。う~ん、美味しい。んんっ?ところで、この調子で食べて飲んでしまったら、果たして蕎麦は食べられるのだろうか?ふと不安が過ぎるが、食べて飲み続ける他のメンバーに迷いはない。蕎麦パーティの模様は明日に続く。
TAC
「チェリー」というと「錯乱坊」を連想してしまう弟です。
佐藤錦、堪能いただけたようで何よりです。
8月にはトマトを持参しますので、実家で会いましょう。
IGA
なるほど、「うる星やつら」世代ってことですかぁ・・・。
確か、錯乱坊のルビにチェリーって振ってありましたね。
ところで、口の中でプチっと弾けるプチトマト、
包丁を入れた時に果肉が(果物じゃないけど)
弾けることのないぴちぴち新鮮トマト、
いずれも楽しみにしています。