地産地消の週末「ショコラティエ・ミキ」千歳烏山
2008年 7 月12日(土)
世田谷の外れ、私鉄沿線のこの街に移り住んで20余年。その当時からの店が、この街では元気なのが嬉しい。小さな四川料理屋のテーブルで無心に絵を描いていた息子が、いつの間にか社会人になった。小さな路地で夫婦2人が始めたビストロは、今や息子と父親が厨房に立つ老舗の風格を漂わせる名店になった。お気に入りだった大皿料理の飲み屋は、店の名前こそ変わらないが、今はラーメン専門店として頑張っている。手作りの和菓子を季節毎に昔ながらのショーケースに並べるお菓子やさんも健在だ。
この街に新しく仲間入りした店が元気なのも嬉しい。例えば、「はしぐち亭」。気取らない料理とシェフの人柄が温かい。例えば、「ショコラティエ・ミキ」。若いショコラティエンヌが頑張っている。例えば、「のぞみ整体院」。商売気のない先生が始めたボクササイズは、実にお得なカリキュラム。元気な街は、元気な店主たちの集まりだ。商店街はカラーの舗道となり、駅周辺には次々と高層マンションが建ち、放置自転車は増え続け、ナショナル・チェーンの赤い看板も増えた。いくつかの事件も起きた。良いニュースばかりではなかった20余年。けれど、そんな街を2人は愛していると言っても良い。
ある週末、急な休日出勤となってしまった忙しい妻を持つ私と、不定期な休日出勤を繰り返すアパレル企業勤めの夫を持つご近所の友人(妻)とで、そんな街を探訪した。まずは、はしぐち亭でランチ。ふぅ、相変わらず美味しかったね。「うん♪のんびりできたし」妻が友人(夫)に買ってきたローザー洋菓子店のクッキーをプレゼント。会社のご近所にある有名店。たまたま開店直後に通りかかったら奇跡的に買えたらしいよ。泉屋好きの彼が気に入る味だと思うよ。「うぁ、ありがとう♪」それから、この後ショコラティエ・ミキに行ってみようか。オランジュを買ってあげるよ!実は2人の分も前に買ったんだけど、美味しくてあげる前に食べちゃったんだ。「うぁ、嬉しい♪でも、その前に整体紹介して!IGAさんたちから話きいて、ちょっと行ってみたかったんだよね」OK!良いよ。一緒に整体院に向かう。こんにちは!のぞみさん、友だち連れてきましたぁ!「あ、今日なんですけど、空いてますか?」え?今日かよっ!そんな突込みも気にせず、さっそく予約する友人(妻)。
「うぁ、ここがお店なんだぁ。この場所は分かんないねぇ」ショコラティエ・ミキの前で友人(妻)が唸る。「あぁ、IGAさん、いつもありがとうございます」ミキちゃんがふにゃふにゃの可愛い声で迎えてくれる。(写真は彼女の店のHPから盗用…すいません!)約束通りオランジュを友人(妻)にプレゼント。「じゃあ、私もクッキー買っていこう♪あ、1万円からで良いですか」「ありがとうございまぁす。チョコレートやさんだから、お釣はいつもありますよぉ♪」「え、チョコレートやさんって、いっつもお釣あるって…ほっほっ、はっはっはぁ!おっかしい♪」オトボケのミキちゃんとの会話に友人(妻)大爆笑。すっかりお気に入りの様子。元々隣の街に住んでいた友人夫妻。お気楽夫婦の住む街に縁あって引越してきて2年。この街のお薦めスポットを紹介し続け、喜ばれるとそれがまた嬉しい。そして、彼らがこの街をますます気に入ってくれると嬉しい。そんな彼らと、お気楽夫婦と、この街で過ごす日々。地元の店の味やサービスを地元の友人と共有する。地元で消費する。これも地産地消。やっぱり良い街だよね。