祝!新装開店「ショコラティエ・ミキ」千歳烏山
2009年 10 月18日(日)
「今年も長い夏休みをいただくんですよぉ」梅雨明け早々にミキちゃんはそう宣言した。8月から9月末までの2ヶ月間、東京の夏の暑さは生チョコレートには向かないという理由で店を閉めた。「保冷剤を付けても、お持ち帰りいただくのはチョコにとってぎりぎりなんですよ」自分のチョコを子供のように愛するミキちゃん。チョコに関しては妥協を許さず、徹底的にチョコのコンディションに拘る。昨年、パリのサロン・ド・ショコラに出展した際、空輸したボンボン・ショコラの状態が悪く全て廃棄したというエピソードが象徴的。それでも、ある意味贅沢で、大胆な営業方針。「予定と違って忙しくなって、旅行の予定もキャンセルしたんです(涙)」新宿伊勢丹の催事に出店したり、新作のチョコを作ったり、ほぼ実質的な休みはないという。
10月に入ったある週末。そんなミキちゃんのショコラを久しぶりに味わおうと、世界で一番小さなチョコレートショップに向かった。小さな路地に入ると店の小さな看板が、ない。あれ?まだお休みか。念のために店の前まで行くと様子が変わっていた。ミキちゃんのお父さん手作りの半屋外の喫茶スペースがなくなっていた、どころではなく、そこに立派な壁とドアがある「店」が出現していた。「えぇっ!?」滅多なことでは驚かない妻が声を上げた。店の前には開店祝いのランの鉢が並ぶ。店の中の様子を伺おうと、恐る恐るドアを開ける。すると内側のドアがすっと開いた。自動ドア!?それも2重構造。「えぇ〜っ!お店みたい」では、今までの店は店ではなかったのか、と問われれば答えに窮す。お気楽夫婦が好きな世界で一番小さなチョコレートショップは、秘密クラブのような佇まいだったのだ。
ミキちゃん、おめでとう!すっかりお店みたいになっちゃったねぇ。知らなかったよ。先客がいなくなるのを見計らってミキちゃんに声を掛ける。「ありがとうございます、IGAさぁん。でも、とてもたいへんだったんです」「良い店だね。パリの小さな通りにありそうな素敵な店だよ」と妻。チョコレート色の壁紙、カウンタ。赤いギフトラッピングが良く映える。室温も二重ドアできちんと管理されているのだろう。「そうなんです。これで安心です」心なしかミキちゃんの子供たち(チョコ)も、イキイキとして見える。「お店の改装だけじゃなく、11月に出る本の準備とかもあって忙しかったんですよ」それは重ねておめでとう。初めての出版。聞けばレシピなども掲載されるらしい。楽しみだ。それにしても、2ヶ月間のお休みの効能は、店だけではなく、ミキちゃんもひと回り大きくしたらしい。
「IGAさん、テレビ東京の『ソロモン流』って知ってますか」うん、毎週良く観てるよ。「来栖けいさんが賢人として密着取材されていて、賢人おススメの店として紹介されるんです」「えぇ〜っ!凄いじゃない」いつも冷静な妻もびっくり。「つい先日、船越英一郎さんがいらしたんですよ」来栖けいさんはあちこちでミキちゃんのショコラを絶賛し、紹介してくれる“美食の王様”。その彼自身のキャッチフレーズはともかくとして、これは素敵な新装開店のお祝いだ。愛されるキャラ、ミキちゃん。ふと店内のエアコンを見るとチョコレート色。「周りに合わせて塗っとくよぉって、職人さんが塗ってくれたんです♪」彼女らしいエピソード。彼女は何度かテレビにも出ているが、このキャラが巧く出せたら一段と客層も広がる。一度彼女の作った繊細なチョコを食べたらファンになってもらえる。そんな意味でも実に楽しみな放送だ。
「放送は11月1日らしいです。ぜひ観てください」もちろん!皆にも知らせないと。(ということでご紹介)『ソロモン流』(TV東京系列)毎週日曜日 午後9時54分〜午後10時48分。皆さま、ぜひご覧下さい♪
■「食いしん坊夫婦の御用達」ショコラティエ・ミキへ