Archive for 1 月 16th, 2011

米の自由化「Pain vs Rice」

SugiyamaTPP協議によって、関税が撤廃されることが検討されており、それによって国内産の米(コメ)などの農作物の価格競争力が…などと中途半端な知識で語ろうとしている訳ではない。お気楽夫婦の食生活の問題である。妻は大が付くパン好き。それもハード系のパン。それに反対はしない。私もパンは嫌いではない。と言うより積極的に好き。ヴェトナム系フランス人の血が1/8だけ入っているため、幼少の頃から食卓にバケットが並ぶことが多かった。嘘です。しかし、妻の徹底振りにいささか戸惑うこともある。何しろお気楽夫婦宅には炊飯器はあるものの、ここ数年使用していない。というよりは、15年以上前に購入した後、使用したのは数えるほど。外食が多い、惣菜を買って来てウチメシの場合もパン食が多い、私は穀物を水分(酒)で摂るため、基本的にはご飯は食べずに夕食を済ませる、どうしてもご飯が食べたい時用には「サトウのごはん」が活躍するなど、理由はいろいろある。

Michel Sablonン好き、酒好き、いつもはご飯の必要がない私でも、ご飯を食べたくなることが、ある。パンを食べたくないことも、ある。ちなみに、Painはフランス語。英語ではBread、Painは英語では苦痛、苦悩である。誤解のないように書けば、禁じられている訳ではないから、コメを食べることはできる。自宅で独りで食事をする場合は、ご飯に鮭缶などというメニューを好んで選ぶ。国内のホテル宿泊の際に、ヴァイキング形式の朝食の場合は、妻がパン食、私はご飯というパターンになる。自宅で(レトルト)カレーを食べる際には、妻はナン、私がサトウのごはんとなる。改めてこうして書いてみると、妻の徹底振りは実に見事だ。尊敬に値する程だ。例えば休日のお昼、“焼き鮭”と熱々のご飯が食べてくなったとする。妻は言う「良いよ、私はパンにするから。1切れだけ買ったら」…食卓には、私の焼鮭とサトウのごはん、妻の食べるパンと、一緒に食べるサラダが並ぶことになる。

RICEの問題もないんじゃない?おっしゃる通り。食べたい時に、それぞれが食べたいものを食べる。お気楽夫婦の間には、一見して食の自由化が成立している。けれど、その自由化の裏には、ん〜、ご飯が食べたいけどパンにしておくか、という気遣いがあって成立しているのだ。25%ほどの気遣いと、5%ほどの遠慮という関税が掛っているのだ。関税を撤廃したい!と声高に叫びたい訳ではない。妻に言えば、「どうぞ♪私はパンにするけど」と返って来るのは明白。炊飯器でご飯を炊くことも、食べ残したご飯をラップに包んで冷凍保存することも反対されないだろう。けれど、真の自由化というのは、コメの自由化というのは、…なんじゃったっけ?などとダイワハウスのD-ROOMのようなボケをかます大滝秀治声の上野樹里のような気分。自分でも書いている内に良く分からなくなってしまった表現し難い微妙なニュアンス。

PAUL緒に同じものが食べたいだけでしょ?」と妻。それも少し違うのだ。例えば、休日のランチ。「おむすび権米衛」と「PAUL」のどちらかで食事をするとした場合、30%の関税の分だけ妻の意見を重視する私は、PAULを提案するだろう妻に反対はしない。けれど、もし、その時の私の気分がコメだとしたら、どうしてもご飯を食べたい私が気遣いと遠慮という関税を撤廃し、おむすび権米衛を提案したとする。その時の妻の反応は…。「じゃあ、イートインじゃなくって、2軒でそれぞれテイクアウトにして外で食べようよ!」自由化とは、輸入・輸出両国間のメリットとデメリットが裏表に存在する。両者が寸分違わない合意をすることは難しい。妻の行動パターンは実に合理的で、既に関税は撤廃され、自由化されている。

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