そしてパーティは続く「ドンチッチョ」

Tuna約が取れないイタリアンレストランがある。正確にはシチリア料理のトラットリア。店の名前は「トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ」。渋谷2丁目、渋谷や表参道のどちらの駅からも遠い不便な場所。数年前に勤めていた会社のオフィスがすぐ近くにあったこともあり、当時から店の存在がとても気になっていた。飲食店には鼻が利く戌年生まれの私。その私の嗅覚が「この店はなかなかですぜ」とずっと訴えていた。確かに店からは旨いぞオーラが溢れている。ところが、ランチは営業しておらず、夜にふらっと訪ねても満席で入れない。聞けば、2週間前から電話で予約を受け付けているらしいが、12時からの受付開始後すぐに席が埋まってしまう人気店らしい。う〜む。そんな時間に根性入れて電話などできんぞ。店の前を通る度に、賑わう店内を横目に見ながら訪問のチャンスを伺っていた。

Torippa…それから3年余り、ようやくチャンスが巡って来た。ある日、スカッシュ仲間との飲み会で、何かのきっかけでドンチッチョの話題になる。「えっ!私も行きたい」「美味しそうですねぇ」「知ってる知ってる!ドンチッチョ、すっごい美味しいよね!良いねぇ、皆で行こうっ行こう!じゃあ私が予約するよ!」スカッシュ仲間の奥様が告げた神のごとき声。娘のお受験も無事に終わり、夜遊びモード全開の彼女。今までに何度か訪問したことがあるらしい。よしっ!任せた。すると数日後、彼女からメールが届いた。「無事に任務完了!予約できたよぉ〜♫」了解、グッジョブ!さぁ〜っみんな、ドンチッチョ行くよ!参加を表明した全メンバーに指令のメールを送った。

Vineして、ある週末、7人のスカッシュ仲間で店に向かった。小ぢんまりとした店内に入ると、早い時間にも関わらず、ほぼ満席。カウンタ席も幸せそうなカップルで埋まっている。店内はオーダーのイタリア語が飛び交い、忙しそうにスタッフが席と厨房を行き来している。ざわざわとした賑わい。席に着いてしばらくすると、担当のスタッフが良く通る声でメニューの説明を始める。店との距離感がつかめない。アンティパスティにカジキマグロの薫製カルパッチョ、仔牛のトリッパ、仔牛のアキレス腱とレンズ豆のオーブン焼きをオーダー。「煮込みがダブりますが、よろしいですか」はい、おっしゃる通りですが、メンバーがどうしても食べたいと言ってまして。実際、大人数のオーダーは調整が難しい。以降はスタッフのアドバイスに従い、パスタ2種、メインを2種をオーダー。が、スタッフの物言いに粗さを感じ不安になる。

Fritれども、その心配は料理が登場するまで。おぉ〜、マグロ、オレンジ、ルコラが爽やかで絶妙なチームワークを組んでいる。う、旨いっ!接客の粗さは許す。シチリア産の白ワインも良い感じに合うねぇ♫地の料理は地のワインで。ダブルでオーダーした煮込み料理。濃厚なのにしつこくないってどういうことだ。うわ〜っ!これは参った。どちらもワインがすすむぞっ!赤ワインだね、これは。赤のボトルを追加。おぉ〜っ、それぞれの食材がきちんと役割を果たし、タッグを組んで舌を攻めて来る。良しっ、受けて立とう。はいっ!早くも降参しました。勝ち負けじゃないけど。美味しいです。楽しいです。幸せです。おススメの赤ワインを追加。店のスタッフとのコミュニケーションもスムースになってきた。メンバーの誰もが満面の笑み。

DonChiccho2種のパスタも絶妙なバランス。フリットもかりっと絶品。花巻 白金豚の炭火焼きの香草風味をう〜んまいっ!と唸りながら食べ終わる頃には、同じメンバーで再訪を約束。「みんなでイタリアに行きたいねぇ〜」「大勢で行くと楽しいだろうね」「行こういこう!」「シチリアで待ち合わせ!ところで、シチリアってどこ?」…すっかり酔いも回り、楽しさに弾みがついてきた。店にもすっかり馴染んだ模様。「みんなイタリア語しゃべれるの」「料理の名前とオーダーの時だけなんです」ちょいとイケメンのスタッフにメンバーがからむ。スタッフの笑顔も柔らかくなり、一緒に写真に収まる。メンバーの満足度が写真に焼き付いた1枚になった。リラックスして楽しめる良い店だ。楽しく食べ、飲める良い仲間だ。

ぇ、次の店に行こうよぉ〜」予約を取ってくれたスカッシュ仲間の奥さまが笑顔のままで声を上げる。その夜、娘を友人宅に宿泊させ、万全の体勢で迎えた彼女。パーティーはまだ終わらない。

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SINCE 1.May 2005