帰って来たお気楽妻「スカッシュ団体戦」

LastYear年アキレス腱切った方ですよね。復帰されたんですね。良かったですねぇ」「ちょうど私が審判やっていたんですよ。スカッシュ続けられて良かったですね」名前も知らない他のクラブのスカッシュプレーヤーに次々に声を掛けられる妻。1年前の同じ時期、同じ会場で開催されたスカッシュの団体戦。その会場で妻は左脚のアキレス腱を断裂。救急車で運ばれ、数日後に手術。数ヶ月のリハビリを経て、スカッシュに復帰。この会場に帰って来た。同じメンバーでエントリー。去年は途中棄権のため、順位が付かなかったチームが会場に忘れてきたモノを受け取るために。

Gips年のチームコンディションは最悪だった。今改めて見てみると記念に撮影したメンバーの顔も覇気がない。全メンバーが体調が悪かったり、故障していたり。中でも、震災の影響で本来は春先にやって来る忙しさのピークがずれた妻の体調はボロボロだった。そんな中での大会参加の結果が怪我だった。今となれば笑い話の数々になったけれど、リハビリ生活はたいへんだった。怪我をして初めて世の中のバリアの多さに驚き、人の温かさや冷たさを知る数ヶ月間だった。それでも、根気強く妻は努力した。凡そ、頑張るとか、我慢するということばに縁がない妻が、スカッシュ復帰のために、我慢し、頑張った。2ヶ月後にはジムで走り始め、4ヶ月後にはスカッシュに復帰した。

TeamMatesして1年が経った。「楽しもう♬」を合い言葉に大会参加。そのコンセプト通りに大会を楽しんだ。元々競技指向の低いメンバー。個人戦での大会参加はほとんどない。それでも勝てば嬉しく、負ければ悔しい。試合前は緊張するし、自分の試合を終えてコートを出ればホッとする。プレーの内容に落ち込むこともある。けれど、それを独りで抱え込まずにメンバーで共有できるのが団体戦の良さ。前半のリーグ戦で複数試合できるのも、普段は対戦できない高いレベルの(時にはコーチと)相手と打ち合えるのも楽しい。スポーツを長く続けるためのモチベーションの保ち方は人によって違うだろうが、“楽しむ”ことが最小限必要なのは当然だ。

Party疲れさまぁ〜っ」試合を終え、同じクラブから参加したチームと合同で打ち上げ。心地良い汗と適度の疲労感をシャワーで洗い流し、さっぱりとした後のきりっと冷えたビールは(いつも美味しいけれど)一段と旨い。結果はともかく、1日たっぷり楽しんだ。大会には高校生からシニア世代まで幅広い年齢層のプレーヤーが参加する。助っ人で参加してくれた高校生プレーヤーとの会話も新鮮。彼女のプレーは軽やかで楽しそうだと感想を伝えると、素直に喜んでくれる。スカッシュが好きだぁ〜と、全身で表現している。もちろん酒は飲めない彼女の、ひたすらの食欲も気持良い。こんなつき合いも同じスポーツをやっているからこそ。

って来たぁ〜って感じだなぁ」妻がしみじみと呟く。下位トーナメントでベスト4。決して胸を張れる成績ではないかもしれないけれど、途中棄権の去年の大会からずっと続いていたスカッシュ団体戦が、2年越しで終了。「帰って来られて良かったなぁ」妻の呟きにはそんな続きがあった。

コメントする








002184382

SINCE 1.May 2005