今年の“おいしい”に感謝「 ル プティ ポワソン , 3/4 , Foo」
2012年 12 月01日(土)
師走の声を聞くと、途端に慌ただしく急かされるような気持になる。街ではクリスマスのイルミネーションが輝き、サンタクロースがチラシを配ったり、デリバリ用バイクで疾走し始める。そんな季節に忙しくなる人々がいる。飲食業に関わる方々だ。年末年始の忘年会、クリスマスパーティ、新年会、さらにはバレンタインデー辺りまで。多くの人が浮かれ気分でいる間、のんびりとすることもなく働き続ける。ほぼ毎日外食のお気楽夫婦は、そんな飲食業界の方たちに毎年お世話になっている。彼らのおかげで美味しく楽しく、心豊かに日々を過ごせている。そこで、特にこの1年、お世話になった方々をお誘いし、世の中より一足早い忘年会を企画した。
ご近所の焼き菓子の名店「ル・プティ・ポワソン」のパティシエ、マコちゃん。ヘビーローテーションで利用させていただいた「ビストロ トロワ・キャール」の木下シェフと奥さまのまゆみちゃん。会場の「広東料理Foo」を代表して?ねもきちくんの奥さまチエちゃんが参加。これでお世話になった3店の方々に一気に会することができる。「乾杯!」「お世話になりました!」「こちらこそ!」ふだんはシェフコート姿でしかお会いしない木下夫妻のカジュアルな姿が新鮮。彼らと食事をご一緒するのは初めて。「料理はお任せでお出しします」と、残念ながら宴には参加できないねもきちくん。けれど、彼の絶妙なサービスで、シェフの慎ちゃんの絶品料理を、このメンバーで味わうことができるのは、食いしん坊冥利に尽きる。
「IGAさんたちと、こうやってご一緒できるっていうのは、とっても嬉しいですね」木下さんが呟くように言うと、「ほんと、ありがたいっすよ」とマコちゃんもお気楽夫婦を持ち上げる。ちとテレる。料理はと言えば、ねもきちくんによって、実に的確なタイミングで、柔らかでスパイシーなひと言が添えれれて、テーブルの上に乗せられる。そのメニューのチョイスは絶賛もの。Fooという名の美味しさの海に身を委ね、ただ味わうだけ。これが幸せってもんだね。しみじみと喜びをかみしめる。グルメではなくグルマンな(=食いしん坊な)お気楽夫婦が味わうのは、料理だけではなく、店と客とが一緒に作る店の心地良さ。2人は料理評論家でもなく、編集者でもなく、ただ楽しむだけのわがままな客。そのゼータクな立場を満喫しよう。
「お待たせしましたぁ」するとそこに、サプライズ。ビストロ トロワキャールの2周年、広東料理Fooの1周年を祝うマコちゃん特製のケーキ。ひや〜ぁ、これは嬉しい。彼女の焼き菓子の美味しさは筆舌し難い。サクサクと軽やかに甘く、品がある。「ありがとうございます」木下夫妻が涙零れんばかりに感激しながら写真を撮る。ねもきちくんが用意したキャンドルに木下シェフが火をつける。拍手の渦。「飲食業界に入って以来、クリスマスってのんびり祝ったことがないです」そうか、今日はちょっと早いクリスマスパーティでもあるのか。ちょっと早いクリスマスプレゼント。ふぅむ。では日を改めて、お世話になった彼らへのお歳暮代わりに、木下シェフの肉料理を味わいに伺おう。パティシエマコちゃんのケーキの美味しさを楽しもう。
「ホントに、嬉しいです。こうやってみんなが繋がるのも、IGAさんたちのおけげです」いやいや。ますますテレる。「気に入った店だと、すぐにお店の人とコミュニケーション取ろうとするからね」と妻。はい、その通りです。それは何より“おいしい”に関わる方々への敬意。人を幸せにする“おいしい”ものに感謝。街の巨匠たちにも。そして、これからもよろしくお願いします。