ちょいと香港「グランドハイアット香港」

LobbyGoodMorning港に行きたいね」いいね。「今だったらマイルでチケット取れるよ」へぇ、いつ?「来週末だよ」えっ…。そんなやり取りの後、お気楽夫婦は機中の人となった。土曜から火曜までの3泊4日。同様の日程で妻の会社の幹部メンバーがイベントで不在。その隙を狙って休みを取り、特典航空券とホテルを予約。電撃的な作戦。訪ねたい街はたくさんあるけれど、好きな街は何度でも訪れたい。2人にとって香港はそんな街。特に近年は訪問頻度が高まり、ここ2年で3度の訪問。実はそれには理由がある。絶品中華料理を味わうことももちろんのこと、第1の目的は馴染みのホテルを訪ねることだった。

GardenGYm仔(ワンチャイ)にあるホテル グランド ハイアット香港。それが2人のお気に入り。通算6回目の訪問だ。「Wellcome back , Mr & Mrs IGA」深夜に到着したフロントで、そんなひと言で迎えられ、身体と気持が緩んでいく。飛行機の遅延で疲れた身体に、よしっ楽しんでやろう!香港だ!というエネルギーが漲ってくる。客室はいつものハーバービュースイート。貯まったポイントでアップグレードしたちょっと贅沢な夜景を楽しめるコーナールーム。荷解きをし、所定の場所にセッティング。巣作りが完了すると、またここに帰って来た!という気持になる。そして翌日からはいつもの行動パターン。

LivingroomBedroomテルの最上階にあるラウンジに向う。「Good Morning!」日本では余り愛想のない妻も、海外の滞在先ではスタッフに気軽に声をかける。部屋の番号を尋ねられるのは初回だけ。その後は顔パスという居心地の良さ。ヴィクトリアハーバーを見下ろすダイナミックなパノラマビュー。妻が香港を訪ねたかった大きな理由は、このラウンジで過ごす時間。「あれ?彼いないね」顔馴染みのスタッフは何人かいるけれど、毎回人懐っこく話しかけて来るスタッフがいない。妻の表情に淋しそうな影が差す。このホテルの気取らずアトホームな雰囲気と、それでいて細やかなホスピタリティの象徴が彼だった。

LoungeMrSmith

終え、ジムで走り、スカッシュで汗を流す。いつもの店でランチを楽しみ、猥雑な街を彷徨う。そして夕方にはラウンジに戻る。夜景を眺めながらシャンパン(妻は炭酸水)を味わう。豊富なオードブル、チーズ、デザート。空になるとすぐに満たされるシャンパングラス。心地良い時間が流れる。けれど、「More Champagne?」と、いつもなら忙しそうにテーブルを回り、煩いぐらいの彼がいない。「やっぱりいないね。辞めちゃったのかなぁ…」大好きな時間と空間の魅力が、馴染みのスタッフの不在で半減している様子。気持は良く分かる。彼の存在はこのラウンジと一体のものだった。

Good Morning! Wellcome back to HongKong!」翌朝のラウンジには彼がいた。妻に満面の笑みが浮かぶ。いつまでの滞在か、楽しんでいるか、立て続けの質問に妻が彼に抱きつかんばかりに嬉しそうに答える。翌日までの滞在であること、そして「あなたに会いに来た」ことを懸命に伝える。日本語だったら絶対に言えないセリフ。彼の名前はMr.Scott。見た目はただのオヤジ。写真を一緒に撮ろうとお願いすると、嬉しそうに妻の横に並ぶ。そして、昨日は休みだったけど、今日も明日も僕はここにいるよ、そして「Enjoy!」と言い残し、他のテーブルをしゃかしゃかと回り出す。お気に入りのラウンジに薄らと漂っていた霧がすっきりと晴れた。

のホテルに滞在するために、きっとお気楽夫婦はまたちょいと香港に出かけることになるのだろう。「来年も来るよ」と妻。了解。またここに帰って来よう。

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