がんじゅ〜でね〜「Aサインバー」下北沢

Asign居の後に立ち寄るバーがある。場所はシモキタ。本多劇場の近く。お気楽夫婦の観る芝居の会場は主に下北沢ということもあり、かなりの頻度で通っている。最近は渋谷や新宿で芝居を観終わった後にも足が向くことが多い。店の名前は「Aサインバー」2号店。以前は1995年に開店した南口の店に伺っていたのだけれど、2000年に2号店が開店してからはすっかりお気に入り。他の店に行くことが少なくなった。狭い間口の店内を入ってすぐに現役のジュークボックスが鎮座する。カウンタの手前にはDJブースのように2台のターンテーブルとLPレコード。店の奥に向かって長いカウンタが伸び、どん詰まりに4人用のボックス。そんな小さな店。

Beerウンタの上には泡盛の甕が、酒棚には泡盛や焼酎の瓶がずらりと並び、ブルーのライトに照れされる。カウンタトップにはガラスが嵌め込まれ、その下には白い砂や貝殻などが飾られ、オレンジ色の光を浴びている。いつものようにカウンタ席に座ると、海の底にいるような、洞窟の中に潜んでいるような、とても不思議で落着いた気分になる。開店は19時。21時までが(遅めの)ハッピーアワーでチャージなし、生ビールや何種類かの泡盛が500円というお得な設定。週末の芝居の終演後に伺うと、ちょうどこの時間に当たる。まだ客も少ない店内でまずはぐびりと生ビール。妻はウッチン茶。芝居の余韻に浸りながら乾杯をする。

TamagoYaki2号店の店長は3代目。初代の女性店長、2代目の男性ワカゾー店長の後に店を任された、チュブラーシカマニアの小柄な女性。お店とは2000年の開店以来の、3代目店長とも5年近いお付き合い。毎年年賀状もいただている。ある日、そんな彼女から「8月いっぱいで辞めることになったんです」と残念なメッセージ。それではお別れのご挨拶にと、新宿で観終わった芝居の後に伺った。お世話になりましたとプレゼントを渡す。「嬉しいぃ〜。ありがとうございます」と喜んでもらった後に、オーダーしたコンビーフ卵焼きの皿に「いつもアリガト」とメッセージを返された。ヘタウマのケチャップの赤い文字とチュブラーシカが嬉しい。

GoodBye!The Beatles 1967-1970」通称青盤がターンテーブルに乗せられる。A面1曲目「Strawberry Fields Forever」が流れる。この店はロックバーでもある。前代の店長以来、お気楽夫婦がこの店のカウンタ席に座ると決まってビートルズ、ロッド・スチュアート、ビリー・ジョエルなどが掛る。他にも好きなアーティストのレコードは揃っているが、安心して聴けるアルバムの曲が流れると、居心地の良さが増すから良しとしている。好物のクーブーイリチーとミミガーをつまみながら、何杯目かの泡盛を干す。妻はウッチン茶のおつまみとして大好きなカリカリポークをかじる。この店は2人にとっては沖縄料理の美味しい店でもある。

念だわぁ。元気でね」妻が珍しくストレートな気持を口にする。この店の居心地の良さは、彼女の存在も大きかった。淋しくなるけど、がんじゅーでね。*うちなーぐち(沖縄方言)で、元気でね!という意味。見送ってくれる店長に手を振り、店を後にする。次回訪問の際には、2代目店長だったワカゾーがオトナになって復帰しているはず。これからも通い続けたい店でありますように。

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