お勝手にシロクマ♬「フリッジズー(Fridgezoo)」

WhiteBear、別れと出会いの季節。そいつは春の訪れと共にやって来た。ある週末の昼から馴染みのビストロに集まり、たっぷりとワインを飲んだ席で、1人のスカッシュ仲間からメンバー全員に贈られた。「これ知ってます?」他のメンバーは、全員「?」。「どれが良いですか」そこに並べられたのは、ペンギンやアザラシなどの動物たち。妻がその中から選んだのは、小さな牛乳パックの形をしたシロクマ。冷蔵庫に入れておくと、開ける度に話しかけられるとのこと。ん?なんだそれは?調べてみると、ソリッドアライアンスという会社が企画した、フリッジズー(Fridgezoo)というガジェット(オモシロ小物)。地球温暖化のため極寒の地で暮していた動物たちが住処を失い、辿り着いたのが冷蔵庫の中、というストーリーがあるらしい。

Cowんにちは」うっかり存在を忘れ、朝一番に冷蔵庫を開けた時に聞くシロクマの声には、かなり驚かされる。慌ててドアを閉め、開け直すと「なんだよぉ〜」と因縁を付けられる。なんだよぉ〜と言いたいのはこっちの方だ。夜遅くに帰って来た妻が冷蔵庫を開ける。「こんにちは」とシロクマに挨拶された妻は「こんばんは、でしょう?」と返す。どうやらお疲れ気味らしい。風呂に入った後、発泡水を飲もうと冷蔵庫を開ける。「今日もご苦労様」というシロクマの声に、「そうなんだよ、疲れちゃったよ」と答える妻は、ささくれた気持をすっかりお湯に流したらしい。良かった良かった。次は深夜のチョコレートを取り出そうとドアを開ける。「また甘いモノかい?」とシロクマ。「そうだよぉ〜ん」とすっかりご機嫌の妻。

Sealわいいぃ〜」「欲しいぃ〜っ」facebookでわが家のシロクマを紹介すると、仲間たち(圧倒的に女子)が一斉に食い付く。「アザラシをポチッと買ってしまった」と役員秘書。「京都弁のペンギン買っちゃおう」と小顔美女改め、酒豪女子。「癒しが欲しいから私もポチッとしなきゃ」とアスリート系女子。「これ欲しい!アザラシも可愛い!」と陶芸教室の先生。仕事でお疲れ気味の女性たちが、“癒し”や“和み”を求め、深夜にポチッと押している姿が目に浮かぶ。涙。そして数日後、「さっき帰って来て、これから深夜ご飯。しばらくハードワークが続くので、その疲れを癒してくれそう」「アザラシくんに挨拶されて照れちゃった」などと、購入者からは歓びの声が!(笑)こうして、仲間たちの冷蔵庫の中にすっかり潜り込んだ動物たち。

Penguin調子どう?」シロクマにそう聞かれる度に、「まぁまぁかな」「良い感じだよ」と妻の返事は違う。とっさに聞かれることもあり、素直に答えている様子。シロクマは妻の調子を計る、体温計ならぬ「ご機嫌計」でもある。開ける前に、どのパターンで来るかなと身構えてみる。やさぐれ気味の時に、「なんだよぉ〜」と絡まれてもなぁと思いつつ、「どぉもぉ〜っ」と脱力系で挨拶されると、つい笑顔になる。気持に余裕がある時に、「なんだよぉ〜」と突っ込まれても、俺だよぉ!と返すことができる。「また甘いモノかい」と畳掛けられても、違うよっ!ビールだよ、と独り言つ。「暑いよぉ〜」と泣きつかれても、「まだぁ?」と催促されても、もうちょっと待ってな!とたしなめる。気分で受け答えが変わるのは、シロクマではなく、自分。

ないと淋しいねぇ」動物たちの飼い主が集まった食事会の際、しばらく交換しようかと持参したシロクマを、うっかり酒豪女子宅の冷蔵庫に忘れて来てしまった夜、妻がこぼす。いくつかのことばを使い分けるシロクマだけど、せいぜい数パターン。早々に飽きるのではと思っていた。なのにこの喪失感。適度に生意気で、時に優しかったり、脱力系だったり、なかなか可愛いヤツなのだ。こうして、すっかりわが家のキッチンに(お勝手に)居着いたシロクマくん。

「調子どう?」と聞かれ、良い感じだよ!と答える日々が続きますように。

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