小さい秋みつけた♬「用賀 本城/鮎尽くし」
2014年 9 月13日(土)
鮎をこよなく愛するお気楽夫婦。いつかは新橋の鮎の名店「鮎正」でと思っていたところ、「鮎尽くしだったらウチでやりましょか」と本城さんの嬉しい一声。そうして昨秋初めて実現した「用賀 本城」での鮎尽くし料理。来年はぜひ一緒に!という友人たちの声に応え、第2回目の開催。*同行した役員秘書が料理のメモを残してくれた(ほぼ原文)ので、全皿のご紹介。これを一度やってみたかった(笑)
・いちじく ごまどうふ ゆずみそ・そうめんうり 穴子の燻製 なすのゼリーよせ・茶碗蒸し とうもろこしのすりながし 蟹味噌しょうがいり
・鮎の背ごし 酢味噌でどーぞ 下に水ナス、みょうが・鮎の一夜干し 日本酒が進んでしまう“うるか”鮎の塩辛
・めじまぐろ 皮を炙っためじまぐろ 追加で出していただいたしんこ・鮎の塩焼き・子持ち鮎 紅梅煮
・鮎のてんぷら 頭は二つ 舶来松茸・赤だし 鮎ごはん おつけもの・かぼちゃのぷりん ソフトクリーム おはぎ もも ぶどう
「これはやっぱり日本酒行くしかないですねぇ」アスリート系女子が“うるか”を箸先にちびちびとつまみながら嬉しそうに零す。「これで何杯も行けそう」酒豪女子は余裕の発言。一夜干しの鮎のかりっとした歯応えと香ばしさ、うるかの艶かしい舌触りと絶妙な塩味と、辛口の日本酒が合わないはずがない。
王道の塩焼きは、腹の香りと苦みが実に旨い。小振りの鮎を頭から齧る幸福は、終わる夏を楽しむ一品。子持ち鮎の紅梅煮は秋の訪れを味わう一皿。琵琶湖の鮎は小振りのままで秋を迎え、琵琶湖の稚鮎を他の川に放流すると大きな成魚となるとのこと。初夏のごとき小鮎と、秋の子持ち鮎を同じ時期に食す贅沢。
だめ押しは、鮎の天ぷら、鮎の混ぜご飯。背越しで切り落としたものも揚げるから頭だけ2つ。さくっとした薄い衣と、かりこりとした頭、旨味と苦みが絶妙な肚を一緒に食す。塩焼きとはまた違った味のハーモニー。焼いた鮎を解して、炊きたて土鍋ごはんと混ぜた鮎メシで鮎料理のシメ。香魚の香りに包まれた薄味のごはんと京都のお漬け物と赤出しと、これがまたむせび泣いてしまうほど良く合う。
この時点で満腹中枢はもうダメだと言っているけれど、ちんまりとしたおはぎと、フルーツはペロリとお腹の中に収まる。「う〜、美味しかったぁ」「なんだかとっても幸福だぁ」「やっぱり本城さんの料理はすっごいね」満足げな仲間たち。夏の川魚の代表格「鮎」は夏の季語。そして「落ち鮎」は秋の季語でもある。夏の終わりに秋を楽しみ、鮎尽くしで夏と秋の味を堪能した。「来年もまた皆と一緒に鮎を食べに来なくちゃね」妻が嬉しそうに呟いた。