香港、初フレンチ♬「Caprice(カプリス)」

amusepain港で食べるなら中華、それも広東料理と決めている訳ではなかった。けれども綺羅星の如く、数多香港の街に点在する名店、それらの店の中から厳選し、ここに行きたい!と思う店のほとんどは広東料理の店になった。まして、ホテルで摂る朝食や、カクテルタイムにいただくオードブルはビュフェ形式の洋風料理。残るランチには中華料理の店を選ぶのは必然。結果、10回以上の香港渡航歴において、1度も中華料理以外の店を訪れたことがなかった。その上、多くの方に誤解される向きもあるが、フレンチなどのお気取り系“高級”レストランは苦手なお気楽夫婦。フレンチならビストロ、イタリアンならトラットリア、和食ならカウンタ懐石などで気軽に料理を楽しみたいのだ。

lunchlunch2ォーシーズンズに泊まるんだったら、1度ぐらい行ってみなきゃね」妻が提案したのは、フォーシーズンズ香港が誇る、ミシュラン3つ星(2015年は2つ星)のフレンチレストラン「Caprice(カプリス)」だ。お気楽夫婦の手元にある『ミシュラン香港・マカオ2011』で3つ星レストランは、わずかに3店(2015年は5店)だけ。その内、龍景軒とカプリスの2店を擁するフォーシーズンズ香港は、美食のホテルでもあるのだ。とは言え、わざわざ香港でフレンチ食べなくても良いんだけどねぇ、と出かけた2人。そして、脳天をガツンとやられた。美しい!美味しい!心地よい!料理一つ一つの味の素晴らしさと、プレゼンテーションの楽しさと、サービスのレベルの高さに打ちのめされた。

lunch3lunch4のチョイスは「鯖のフィレとラタトゥイユ」。サクサクのパイ生地の上にラタトゥイユ、香ばしくカリカリにソテーした鯖。見目麗しく、食材のハーモニーが素晴らしい。鯖好きの私には、どストライク。妻の一皿目は「プロヴァンスのトマトのバラエティ、バジルソルベ添え」。これまた絶品。赤いトマトゼリーの上に盛り込まれた、いろいろなアレンジのトマトが楽しい。バジルソルベの緑が目に鮮やか。妻のメインは「鱈のフィレ、ホタテのタルタル、アーモンドブレッド乗せ」。旨し。私のメインは「オックステールのラビオリ、スモークフォアグラと野菜、コンソメスープ」。今までフォアグラを美味しいと思ったことはなかった。が、このスモーキーなフォアグラは目から鱗。芳しく軽やか。旨っ!思わず興奮してしまう驚きの味。ワインがすすむ。

dessertchocolatザートは1品だけ。「エキゾチックフルーツのパヴロヴァ、パッションフルーツのソルベ」を食べる頃には、お気楽夫婦は満面の笑み。ダメ押しでジュエリーBOXのような器に乗せられたショコラとマカロンが登場した時には、参りました!と頭を垂れた。その間にやってくるサービスマンの笑顔、柔らかな物腰、ウィットに富んだ料理の説明、どれも心地良く、拙く短い英語でのやり取りも楽しめる。客とスタッフの距離感が絶妙。フレンチではご法度である皿の交換をスタッフ見つかり、微笑まれ、どちらも美味しいよね!という笑顔を返された。慇懃無礼で堅苦しいフレンチレストランのイメージが、遥か遠くの空に飛んで行く。日本にもこんなフレンチレストランがあったら(あるのかもしれないが、たぶん2人が知らないだけ)食べに行くのになぁ。

回も、また来なきゃね」妻が満足そうに微笑み、見送ってくれるスタッフに軽く礼をする。店を出るとすぐに、客室に向かうエレベーターホール。満足の余韻を残しながら部屋に戻る。今度はディナーで?「うん、もちろん!」素早く返事が返ってくる。これでまたひとつ、お気楽夫婦が香港に来る目的ができてしまった。

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