優しい気持ちになれる店で♬「ビストロ トロワキャール」
2015年 12 月28日(月)
「久しぶりぃ!」「元気だった?」馴染みの店「ビストロ トロワキャール」に忘年会という名目でスカッシュ仲間が集合した。サーモンのミキュイ、絶品オードブルの盛り合わせからスタート。相変わらずひとつひとつが丁寧で繊細な仕上がりの料理に合わせ、シャンパンをボトルでオーダー。さらには白ワイン。飲むほどに饒舌になり、美味しい料理に会話も弾む。シェフの聡ちゃんがオススメしてくれる肉料理をオーダーし、赤ワインをいただく。「酔っ払う前に、IGAIGAのお題をやろうよっ!」事前にメンバーに連絡していた企画は、忘年会らしい振り返り企画「今年の一文字」ではなく、来年どんな年にしたいか、「来年の一文字」をコメント付きで発表すること。さてと。
「私は“継”、継ぐという字かな」何人かの発言の後に妻が発表した。自分だけが担当していて、他のスタッフにとっては“ブラックボックス”になっている業務を誰かに引き継いでおかねば、ということらしい。すぐに退職する訳ではなくても、多くのスタッフに伝えられない職人的な仕事は、一子相伝(笑)で継承する必要があるのだろう。そして私は「育」という一文字。育てるの「育」ではなく、育む。育むとは、包み込んで大切に育てるという意味。子供がいないお気楽夫婦にとって、育む対象は子供ではなく、友人たちとの関係であり、夫婦の関係。実は、その日の会食も単なる忘年会ではなく、大切な友人のひとり“マダム”が、予想外の展開で赴任先から帰国したお祝いだ。
初夏の頃、その日と同じトロワキャールで、ほぼ同じメンバーで彼女の海外赴任の壮行会を開催した。けれども、渡航先の某国の情勢のために早々に帰国。来年には渡航先に遊びに行くぞ!と言っていたのにすっかり肩透かし。とは言え、いつでも会える友人の帰国はめでたいぞ!とお祝いするのが忘年会の裏企画。ジューシーなシェフ自慢のステーキをいただいた後、実に絶妙なタイミングで、サプライズ企画“おかえりなさい!マダム”ケーキの登場。店のマダムまゆみちゃんに、こっそりお願いしてあったケーキだ。仲間の歓声と、あらためての「おかえりなさい!」の声にマダムの目が潤む。「みんな、ただいま。どうもありがとう」泣いてもキレーな美人さんはこんな時に得だ。
いつの間にか何本も空いたワインボトルが並ぶテーブルにシェフの聡ちゃん、マダムのまゆみちゃんが揃って顔を出してくれた。彼らの温かさと明るいキャラクターがこの店の柔らかな空気を作っている。この店だからこそ、リラックスして味わえる。ワイワイと気兼ねなく(オトナの節度は持ちながら)話ができる。その居心地良さに甘え、その日も最後の客になった。そうなのだ。大切にし、育んでいきたいのは仲間たちとの関係だけではなく、こんな店との関係だ。この店で味わうべきは、料理だけではなく、気のおけない仲間たちと過ごすこんな嬉しい時間と空間だ。どちらも人を優しい気持ちにしてくれる、大げさに言えば、人が元気に生きていくのに必要なものだ。
「新年会はビストロ808で!」その日参加したメンバーからのリクエストで、新年早々に「ビストロ トロワキャール」の姉妹店(と言うにはおこがましいが)ビストロ808の開店が決定した。師匠の店と同様に、心を込めた料理とおもてなしのココロで、お待ちしています♬