弁当対決!「元祖有名駅弁大会」
2017年 2 月04日(土)
新年早々、京王線沿線の住民はソワソワし出す。普段は同じ新宿の伊勢丹、高島屋などの影に隠れ(失礼!)、ジミ〜なポジションのデパートである京王百貨店新宿店が、年に一度だけ(これまた失礼!)一躍脚光を浴びる時期でもある。毎年恒例の名物催事「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が開催されるのだ。見開き両面が全て駅弁の写真で埋め尽くされるチラシが新聞に折り込まれ、沿線住民に届けられる。京王線と井の頭戦の車内広告でも大々的に告知される。開催初日には何局かのTV局の中継が入る。車内で今年はどこの駅弁にしようかと囁き合う声が聞こえる(これは嘘)。お気楽夫婦を含め、京王線沿線の住民にとって、正月の箱根駅伝が終わったら、京王の駅弁大会なのだ。
第52回を数える人気の催事には名物企画がある。恒例の“対決”シリーズだ。今年は平成29年ということで、「にくの年」牛肉駅弁頂上対決と銘打って、米沢駅の「牛肉どまん中」や松江駅「島根牛すき焼き煮切り丼」などが覇を競う。けれどもお気楽夫婦は現場重視。会場をぐるっと廻り、並ばずに買える美味しそうなモノを選択し、お互いにOKが出たモノを1ヶづつ選ぶのがルール。今年は金沢駅「のどぐろと香箱蟹弁当」、小淵沢駅「甲州牛カツサンド」をチョイス。トーストしたパンとミルフィーユカツの小淵沢もなかなか捨て難いけれど、脂の甘さが絶妙の焼きのどぐろ、香箱蟹の外子、内子、ほぐし身の組合せが濃厚かつ絶妙なハーモニーを奏でる金沢駅の勝利。
駅弁なのに、デパートで買うのは邪道だとか、旅情も一緒に味わうべきご当地駅弁を旅に出ずに食べるのはいかがなものか、という方もいるだろう。ごもっとも。お気楽夫婦も旅の車中でいただく弁当が大好き。出張の新幹線で食べる弁当は何よりも楽しみだし、妻の故郷浜松に共に向かう新幹線の中で開催する2人宴会のために、マスオさんとして妻に同行すると言っても過言ではない。ところで、新幹線のシートに座ると、缶ビールが飲みたくなるのはなぜだろう。パブロフの実験結果を例に出すまでもなく、私の脳細胞の奥深くに完全に刷り込まれ、条件反射で缶ビールが欲しくなる。最近は、そんな欲求に白ワインがもれなく付いてきてしまう。刷り込まれやすい脳は困る。
「私は毎日のサラダ弁当の方が好きだな」と、お気楽妻もたまには良いことを言う。よしよし。私が妻のために作り始めたサラダランチは、もう5年目になった。最初は2種類程度の組合せだったのが、今では4〜6種類くらいのサラダを詰め合わせている。人間は日々進歩するものだ。ある日のサラダは、ラディッシュ&セロリとクリームチーズのサラダ、茹でブロッコリー、インゲンのごまドレ、キャロットラペ、プティトマトの5種。地元のJAの直売所で野菜を購入することが多く、地元の野菜で季節を感じつつ、限られた食材を使い、味付けや組合せのバリエーションを考慮し、赤、緑、オレンジ、白と色合いを考えて盛付ける。料理は見た目重視、盛付けは大事な要素だ。
弁当対決は、お気楽妻向けのサラダ弁当の勝利!では終わらない。忘れてはいけない本命がいる。崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。駅弁としてだけではなく、オフィスで食べてよし、妻のいない夜の夕食として食べてもよし。シウマイにたっぷりカラシを付けて、醤油をかけ、マグロの照り焼きと鶏の唐揚げは蓋に避けて置き、ごはん、シウマイ、タケノコ、ごはん、マグロ、…と、独自のローテーションで食べる愉しみ。月に2度は食べる大好物。シウマイ弁当を熱く語り合える仲間が周囲に何人か(私以外は神奈川県民)はいる。むむ、書いていたら食べたくなってきた。来週の出張はシウマイ弁当にしよう。それにしても、日本人の“弁当”好きはなぜなのだろう。機会を改め、民俗学的に、文化人類学的に、調べてみよう。乞うご期待♬(?)