Archive for 8 月 20th, 2017

酔っ払い双六「ビストロ808 vol.20」

Bistoro808-1Bistoro808-2度のビストロ808、ワインを宅急便で送っていいですか?」記念すべき20回目の「ビストロ808」のゲストは常連のI葉夫妻、そしてスカッシュ仲間の酒豪奥様たち。お気楽妻は飲まないから、せいぜい6本くらいのワインが届くのかと思っていた。ん?重いぞ。と、開けてびっくり。10本ものワインが入っていた。それも全部白ワイン。「今回のワインのテーマは、シャルドネ以外の全部制覇!なんです」飲めばサダコと化すI葉妻、ただの酔っ払いかと思えば、実はオランダ駐在時代はワインショップで仕事をしていたという筋金入りのワイン好き。夫婦2人で飲むワインの量も生半可ではない。そんな彼らの選んだワインラインナップは、白ワイン好きとしてはかなり嬉しいぞっ♫

Bistoro808-3Bistoro808-4招きありがとうございまぁす♪」乾杯をしたのは、まだ明るい時間。早くウチに帰れるということではなく、早くから長く飲めるとノンベたちが設定した時間。とは言え、まだ皆んな1本目くらいまでは上品な奥さまの風情。まずはオードブル盛合せからスタート。今回の新作はとうもろこしのムース。師匠のシェフ「ビストロトロワキャール」の聡ちゃんが作ったモノが余りに余りにも美味しかったので、再現は無理でも作ってみたかった。「うわぁ〜!おいしぃ♡とうもろこしの甘さが自然でいいね」うん、よかった。試作を何度か繰り返し、スーシェフのOKが出た苦心の作だ。ちなみに、なぜか味見をして客に出せるかどうかはスーシェフ(妻)が決定権を持っている。

Bistoro808-5Bistoro808-6バのリエットおいしぃ!作り方教えて!」と、I葉妻。ん?デジャビュ。常連の彼女には前もレシピを伝えたはずだけど、最後はいつもサダコだから、きっと記憶にないんだろうなぁ。と、サバ缶を使った簡単レシピを伝授。「生ハムとブルーチーズとフルーツって合うねぇ」ネクタリンを使ったサラダも好評。順調にワインも空になっていく。メインを出す前に、追加のパテ食べる?と聞くと「はいっ!」と全員が一斉に手を挙げる。またも美味しいと満面の笑顔になり、さらに美味しいと何度も何度も繰り返す。その生態は同じ酔っ払いとして理解できる(笑)。話題もあちこちに飛び、その度に笑いが弾ける。皆んな食いしん坊で明るい酔っ払いだ。

Bistoro808-7Bistoro808-8インのローストビーフです!」I葉夫が得意そうに皿を持っているのは、その日唯一スーシェフが作った肉料理。合わせるのはシェフの作った4種のベリーを使ったベリーベリーソース。この頃になると空いたワインのボトルは軽く半ダースを超え、“あいつ”の登場が近い気配が感じられる。酔っ払いたち(自分も含む)は既にかなりご機嫌で、飲む→食べる→笑う→ふりだしに戻る→飲む→食べる→さらに飲む→酔うという「酔っ払い双六」で順調にコマを進め、上がり(または1回休み)に向かっている。酒豪の奥さまたちからは、遠慮とか、おすまし、という表情がすっかり消え去り、生き生きとした“私はご機嫌な酔っ払いだぁ”という顔になっている。あ、またグラスが倒れた!

Bistoro808-9Bistoro808-10日はダイジョーブです!絶対、寝ません!」空のワインボトルが9本を超えた頃、あいつがやって来た。不思議なことに、大丈夫と言った直後に、あいつは突然やって来る。燃え尽きる前のロウソクがフッと明るくなる、そんな感じ。現れたのは、いつも通りのサダコだ。この日はダイニングテーブルに突っ伏し、顔が多少見えてはいるから真性サダコとは言い難いが、周囲が警戒しつつも登場を楽しみに待っている気配もある人気者(笑)が現れ、宴の終わりを感じる一抹の寂しさも味わう。きっと彼女は全力で飲み、全力で楽しみ、力尽きるのだろう。燃え尽きた彼女を労わるでもなく、証拠写真を撮るダンナと仲間たち。双六の“あがり”、サダコは1回休みでゲームセット。

日はごちそうさまでした。千夏ちゃんの結婚式の映像みたかった〜」「えっ!繰り返して2度見てたよ!」「覚えてない〜」「私もどうやって帰ったか記憶にない!」翌日、ビールを数本飲んだ後、9本半のワインを飲んだ酔っ払いたちと、唯一素面のお気楽妻の間でメッセージが交わされる。ゲストに何を食べてもらおうかと楽しみ、飲んで食べて愉しく、楽しく酔っ払った(恥ずかしい)記憶を味わう、1度で3回味わえる楽しさ。これだからビストロ開店は止められない。次回開店は、きっと秋。さて、どなたをお招きして、どんな料理を作ろうか。

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