Archive for 8 月 27th, 2017

美味しいキャッチボール「名産フルーツ」

Fruits1Fruits2夏の頃、自分たちでは買うこともない高級フルーツが届いた。美しい網目の模様が入ったメロン。北関東に引っ越した友人が“地元の名産”として送ってくれた。彼女が遠くに引っ越してしまったのはとても淋しいけれど、代わりに彼女に新しい“地元”ができ、名産物を送ってもらえるという嬉しい誤算が生まれた訳だ。さっそく冷暗所で保管し追熟させ、食べる数時間前に冷やし、朝食用のデザートとして美味しくいただいた。とは言え、朝食用だけで食べ切るのはゼータク。夕飯には生ハムを乗せ、ワインを合わせる。メロンの濃厚な甘さと高貴な香り、それに生ハムの塩加減と舌触りとが絶妙にマッチする。この組合せを考えた先人に感謝。ん〜、これはさらにゼータクだ。

Fruits3Fruits4いて、やはり自分たちのためには決して買い求めることもない高級フルーツが到来。山形名産のさくらんぼ。山形県は私の故郷ではあるけれど、さくらんぼが名産の内陸地方ではなく、米どころの日本海側の庄内地方。山形=さくらんぼと言われてもピンと来なかった。ところが、末弟が結婚し新居を構えたのが、同じ山形県内でも正にフルーツが名産の内陸部の街。ありがたいことに、季節ごとにさくらんぼやブドウなどが届くようになった。フルーツ好きの妻は大喜び。とは言え、さくらんぼはデリケートなフルーツ。早めに食べねばと、朝食のデザートだけではなく、妻のサラダランチ弁当用にミニ容器に入れアドオン。彩りも鮮やかなゼータクランチBOXになった。

Fruits6Fruits7夏に届いたのは、箱いっぱいのセクシーで美しいお尻、のような桃。長野の実家に帰省した友人からのギフト。やはりこんな見事でたっぷりな量の桃は自宅用では手が出せない。嬉しくありがたい。せっかくなので、今まで苦労していた皮の剥き方と変色の防ぎ方を調べてみた。すると、お尻の谷に添って切れ目を入れ、アボカドと同じように回しながらタネを外すと美しく剥くことができ、レモン汁に浸けておけば変色も防止できることが分かった。すると、生ハムやブルーチーズと合わせてサラダにするなど、食べ方が広がる。これは美味しい。ブルーチーズと桃の相性は抜群。前週のビストロ料理を再現し、パテドカンパーニュやキャロットラペまで作ってみる。これは楽しい。

Fruits5ちろん、頂くだけではなく、お気楽妻の故郷の名産である「ハウスみかん」を送ることも忘れない。冬の「青島みかん」も糖度が高く美味しいけれど、夏場に出荷されるハウスみかんの甘さ、皮の薄さ、食べやすさは、私にとって“King of Fruits”と称しても良いほど。え?夏にみかん?と思いながら、初めて食べた時の衝撃は、今でも忘れない。その衝撃の美味しさを北関東に、山形に、長野ではなく世田谷に、送っている。つまり、お互いの名産フルーツを、キャッチボールのように送り合っているという訳だ。自分たちが食べて美味しい自慢の名産フルーツを送り合う、美味しく楽しいキャッチボール。それも、自分たちのためにはゼータクだけれど、お送りするには手頃。美味しいものを相手にも食べて欲しいという気持ちも込めて。

ころで、狭義のフルーツとは、樹になる果実。つまり、メロンやイチゴは、厳密な植物分類上は果実的野菜、すなわち「果実のように食べられる野菜」らしい。逆に、その定義上ではアーモンドや栗なども果実に分類される。「だから私はフルーツ好きで、ナッツ好きなんだ」とお気楽妻。風呂上がりに身体を冷ますためにと冷凍のベリーミックスを貪り、夜中に身体に良いからとナッツを抱えて大量に齧る彼女は、間違いなくげっ歯目の血が濃く流れている。

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