いつものように♬「故郷 浜松」

Hamamatsu1末に近づく頃、普段は感情体温の低いお気楽妻のテンションがやや上がり、周囲も気が付かない程度に浮き足立つ。一人娘の彼女の両親が住む街、浜松に向かう日がやって来るのだ。早々に往復の新幹線チケットを手配し、往路の車中2人宴会用の「ビストロ・トロワキャール」特製弁当も予約した。完璧。そして年内の勤務最終日、いつも通り会社帰りの妻と合流し、新幹線車内でのささやかな2人宴会が品川駅から始まる。

Hamamatsu2松での2日目はスカッシュ納め。年に数回しかお邪魔しないのに、毎回温かく優しく接してくれる(スカッシュのレベルも高い)仲間たちと一緒に汗を流す。このクラブはお気楽夫婦の理想形のひとつ。駅から至近で、スカッシュコートが2面、プールは7コース、ジャグジーやサウナなど水回りも充実し、ジムも広く、ストレッチスペースなどは小さな柔道場くらい!無料のマッサージチェア多数。毎日でも通いたいクラブだ。

Hamamatsu3松の奥座敷、舘山寺温泉のホテルに義父母と1泊するのもお約束。7〜8年ほど前までは静岡周辺あちこちの温泉やホテルを訪ねていたけれど、義母はすっかり遠出が苦手になった。ちょうどその頃、新しくできた温泉ホテルが気に入り、以降同じホテルに宿泊するのが常。料理も美味しいし、大浴場も複数あり、その上バリアフリーの客室があるのも嬉しい宿。義父母にとっては一人娘と旅する年に1回の楽しみの宿でもある。

Hamamatsu4蔵に行ってみる?試飲もできるんだってよ」一滴も酒を飲まない義母が、飲んべえの私のために地元の酒造所の情報をゲットしてくれたいた。80歳を過ぎても運転を続けている義父の様子をチェックしながら、ホテルから30分ほどのドライブ。免許を更新したばかりで、次回更新まで3年は運転できるけれど、そろそろ返納かなと温泉に浸かりながら語っていた。今の所運転に問題なし。安心し蔵元限定の酒をグビリ。旨い。

Hamamatsu53日目の夜は、ビストロ・トロワキャール特製のオードブル盛合せと、冷凍庫にあった手羽元を使い、生姜を利かせたオニオンスープをささっと作る。ここ10年以上、妻も義父母も料理は全て私任せ。冷蔵庫にある食材の生死を妻と共に(私だけの判断だと角が立つ)確認しつつ、いかに滞在中に使い切るかが工夫のしどころ。重要なミッションだ。無駄な食材がない(料理を作らない)我が家ではできない楽しい作業でもある。

Hamamatsu6晦日は、比内地鶏ときりたんぽ鍋とズワイガニの甲羅盛り。いずれもネット通販のお取り寄せ。外食も億劫になって来た義父母のために、目先を変えた料理を自宅で味わってもらおうという意図。義父母も食べられそうで、自分たちも食べてみたいものを選ぶのがポイント。これもまた楽しい年末恒例のお約束。年越し蕎麦の代わりに、太く長く(穴が空いているから)見通しが利くきりたんぽだよとウケを狙うことも忘れない。

Hamamatsu7年を迎えると、「割烹 弁いち」のお節料理という最大のお楽しみが待っている。初訪問の2008年の春、同行した義父母が(余りの私の気に入りぶりを見て)気を利かせてこの店のお節を頼んで以来、毎年の恒例になった。それまではあちこちの店を選んで頼んでいたお節も、今やこの店一本槍。決して派手さはないけれど、どの料理もしみじみ旨い。あぁ、今年も元気で新しい年を迎えることができたんだなぁという喜びを味わう。

Hamamatsu8年お雑煮は私が作る。今や妻の実家はオフクロの味ではなく、マスオさんの味。2日続いたおすましの雑煮の後は、京風の白味噌の雑煮で変化を付ける。昆布出汁を取り、たっぷり白味噌を使った渾身の一品。「あらぁ、美味しいね♬」口数が少なくストレートに褒めることも稀な義父母の口にも合ったようだ。残った汁も夕飯に食べるとまで言ってくれた。よしっ!小さくガッツポーズ。マスオさんの面目躍如だ。

疲れさまでした」帰路、新幹線の車内で反省会。そんな妻からの労いの言葉がマスオさんの最大の報酬。「いろいろ食べさせてくれてありがとうねって、母が言ってたよ」思いかけず、今年は追加報酬まで付いた。何より義父母に伝わっていたことも嬉しい。良い1年のスタートだ。今年も健やかな年になりますように。

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