航海しない豪華客船「インターコンチネンタル横浜Pier8」
2020年 2 月16日(日)
お気楽夫婦のホテル選びにはジンクスがあった。開業まもないホテルには宿泊してはいけない、というのがそれだ。今やお気楽夫婦のお気に入り度No.1の「パークハイアット東京」でさえ、開業当時のバタバタは(すっかり2人の間では笑い話になっているが)凄かった。そのジンクスを破ってまでそのホテルに宿泊しようとしたのは、「IHGリワーズクラブ」というホテルグループの特典を使いたかったからだった。
「IHG」とは、インターコンチネンタルホテルズグループの略。旗艦ホテルのインターコンチネンタルホテル(以下インタコ)、リージェント、そしてホリデー・インやクラウンプラザ等4,500軒以上のホテルを有する世界的なホテルチェーンだ。つまり、スモール&ラグジュアリーなホテルを好むホテルジャンキーな妻にとっては選択の対象外。これまでも横浜や竹芝のインタコには宿泊したものの、会員になる程ではなかった。
ところが、唯一のお気に入りだった香港のリージェント(今はまだインタコ)が名称を戻し復活すると聞き、2019年の夏に宿泊する計画を立て、リワーズクラブに入会したのだった。結果的にはデモの影響で行先を変更してしまい、宿泊はできなかったのだが、その際に利用しようとした特典が、年に1回だけ1泊の料金で2泊できる、つまり半額で宿泊できるというもの。そこで香港で使えなかった特典を国内で使う作戦に変更した。
宿泊したのは、「インターコンチネンタル横浜Pier8」という2019年10月にOPENしたばかりのホテルだ。みなとみらいのお隣にできた「横浜ハンマーヘッド」という客船ターミナルを核とした複合施設という立地。三方を海に囲まれた埠頭の敷地一杯に建っているから、部屋から海がやたらと近い。航海はしないけれど、豪華客船に乗船した気分。*窓際のグローブ・トロッターのスーツケースの内部はミニバー!航海気分だ♬
窓の外にはみなとみらいの豪華な景色が広がる。姉妹ホテル「ヨコハマ グランドインターコンチネンタル ホテル」や、「横浜ランドマークタワー」などが一望でき、巨大な観覧車「コスモクロック21」が夜景に彩りを添える。「ずっと眺めても飽きないねぇ」黄昏時の僅かな時間でも、空と街の灯りとそれを映す海の色が変わっていく。水上バスが桟橋に着くと、海に映る街の灯りが揺れる。時間がゆったり流れていく。
お気楽夫婦が宿泊した客室のタイプはクラブダブル シティビュー。もちろんお目当てのクラブラウンジのアクセス付きだ。夕刻のカクテルタイムにラウンジを訪ねると、すでに料理やドリンクがセッティングされ、2人を手招きしていた。コールドミールのコーナーは豪華で艶やかで、プレゼンテーションが実に巧み。美しい料理たちを眺めているだけで満足感が溢れ、笑みが溢れる。もちろん食べたけれど。
特筆すべきは、モエ・エ・シャンドンも含めたワインやアルコール類のフリーフロー。実に酒の種類が豊富。ずっとモエを飲み続ける私には余り関係ないけれど。そして、オーダー式のホットミール(4種)セットが供されること。「これは凄いね。インタコちょっと舐めてたね」と実はこのホテルは余り期待していなかったという(ハイアット 好きの)妻も素直に認める。これは香港のグランドハイアット級のラウンジサービスだ。
ラウンジの広さ、インテリアや家具調度のセンス、料理やアルコールの質と量、どれも高得点。「あとはスコットのようなサービスマンがいるかどうかだね」と、香港のグランドハイアットの名物サービスマンの名をあげる妻。確かに、サービスは硬めで慇懃。「モアシャンパン?」とスコットのように注ぎに来る気配はない(笑)。わんこシャンパンも客がスタッフに催促して飲むのでは、その魅力も半減してしまう。惜しい。
ラウンジでいただく朝食のメニューにも驚かされた。ビュフェ形式のメニューも充分豊富で、サラダ野菜のシャキシャキ度(妻は野菜の鮮度に厳しい)も、デニッシュのカリカリ感も合格。ダメ押しがオーダーメニューでステーキが選べること。それも実に美味しいのだ。朝ステーキ初体験。これを午前中のジム三昧で消費せねば。ちなみにジムはコンパクトながら空いていて、使い勝手が良い。2人でほぼ独占状態。合格。
アフタヌーンティーも素晴らしい。本格的なセットが無料。甘いものを余り食べない2人が、結局初日と最終日の2回、完食してしまった(汗)。それができるのも会員特典の16時までのレイトチェックアウト!これも凄い。そして満足の2泊3日を過ごし、来年もまた来なきゃね、と言っていたチェックアウト時にその悲劇は起きた。チェックアウトの時間が異常にかかり、理由も告げられず待たされること20分以上!残念!
…果たして、次回の滞在はありか、なしか?