マイクロツーリズムvol.1「恵比寿とサッポロ」
2020年 6 月28日(日)
2020年にインバウンド観光客4,000万人!というのが日本政府の目標だった。2019年の実績は3,188万人。2003年に観光立国を目指すと宣言して以来、2018年までの15年間で来日観光客は6倍に増えた。ところが、2019年は日韓関係の悪化で韓国からの訪日客が激減し、対前年2.2%の増加に止まった。そして2020年、新型コロナウイルス拡大防止のため各国は渡航を制限し、予定されていた東京オリンピックは延期された。
事実上、これで訪日客の目標達成は不可能となった。さらに、国内においても都道府県を越えた移動の自粛要請により、観光産業は惨憺たる状況だ。ところで、2019年の訪日客の消費額は4.8兆円に対して、日本人の国内観光消費額は22兆円、さらには日本人が海外渡航で消費する金額は1.1兆円(2018年:国内消費分)もある。つまり、地元での観光・旅行=マイクロツーリズムが国内観光産業を救える可能性があるのだ。GO!
「ホテルに泊まりに行こう!」緊急事態宣言が解除された日、ホテルジャンキーの妻が宣言した。都内から出るのは避けたい。広い部屋で、クラブラウンジとジムがあって…と選択した結果、「ウェスティンホテル東京」が残った。宿泊は約20年ぶり、お気楽夫婦が行きたかったホテルのジムが軒並み休業中だったが故の、消極的な選択。とは言え、決め手となったのは「グランサイズ恵比寿ガーデン」というジムの存在だった。
「グランサイズ恵比寿ガーデン」は今でこそコナミスポーツの傘下に入ったが、以前はサッポロビールが保有していた超高級クラブ。月会費は約3万円以上、同伴ビジターですら6,500円!という破格の施設。それだけに施設は豪華で、クラブハウスまである。それがウェスティンに宿泊すると2,500円で利用できるのだ。…宿泊費は高いけど(汗)。そしてもちろんお気楽夫婦が利用したかったのは、2面あるスカッシュコートだ。
クラブのある「恵比寿ガーデンプレイス」は、ヱビスビールの工場があった場所。ちなみに、恵比寿に工場があったからヱビスビールなのではなく、ヱビスビールの出荷のために、最初は貨物駅として恵比寿駅ができ、後に周辺の地名も恵比寿になった。そう言えば、ガーデンプレイス着工前に、工場跡地が「ファクトリー」という期間限定のスペースになり、古巣のぴあが毎年恒例の創業記念イベント会場にしたこともあった。
サッポロビールの本社はガーデンプレイスにある。私は黒ラベルもヱビスも大好きだし、箱根駅伝のスポンサーでもあるサッポロビールの好感度は高い(当社比)。スカッシュで汗を流した後に、「WINE MARKET PARTY」に立ち寄ると、ビールコーナーはサッポロ商品一色!!。さすがサッポロビール城下町。何本か買い求め客室へ戻る。ぷはぁ〜っ!と昭和初期に人気だったと言う限定発売の「サクラビール」を飲み干す。旨し。
恵比寿ガーデンプレイスには多くの飲食店が入っており、中でも「ジョエル・ロブション」は超の付く有名店。けれど高級フレンチの料理は小食のお気楽夫婦にとっては余りに量が多く、残念ながら未訪問。行ってみる?との問いにも妻は「きっと食べきれない(涙)」と断念。代わりに伺ったのは「ロティサリー・ブルー」というお手軽フレンチの店。2人の好物のお気軽で本格的な蕎麦粉のガレットをいただく♬
「美味しいね。これぐらいのボリュームでちょうど良いね」と妻も笑顔。美しい夜景とデザートのチーズケーキを味わいつつ、恵比寿の夜を堪能する。こうしてご近所の旅、恵比寿とサッポロを味わい尽くすマイクロツーリズムの夜が更けていった。移動の時間も交通費も軽く済み、地元の歴史と地元の味を楽しむ。遠くまで行く必要もなく、“旅”することができる。良いじゃん、ご近所の旅。良いじゃん、マイクロツーリズム。
「ん?ウチは前からこんなことしてなかった?」ん、してた…。