お気楽夫婦と共に30年♬「パークハイアット東京」

ParcHyatt01ParcHyatt02ークハイアット東京が1年余りの長期休業に入った。1994年の開業時から人気のラグジュアリーホテルが、30周年を迎えて本格的な改修工事を行うのだ。お気楽夫婦にとって、パークハイアット東京(以下、パーク)はずっと特別なホテルだった。若い頃は(その頃はまだ30代だった)気軽に宿泊できなかった代わりに、ふたりに何か良いことがある度に「ニューヨークバー」で乾杯をした。仕事上のお祝いや、プライベートで嬉しいことがあった時に。予約ができないニューヨークバーは、店の受付前で待つこともあった。エレベータを降りてすぐの足下から広がる大きなガラス窓、ふっと都庁や西口の摩天楼群の光の中に降りていけそうな、そこはとてもお気に入りの景色。2人で眺めながら待つ時間も楽しかった。

ParcHyatt03ParcHyatt04宿泊できるようになったのは40代。小ぢんまりとしたエントランスに到着し、ベルスタッフに名前を告げる。「お帰りなさいませ」と挨拶され、荷物を持っていただきながら階上へ向かう。照明を落とし気味のエレベータで結城美栄子さん作のオブジェと一緒に41階に到着すると、三角形の組合せの天窓から明るい日差しが注ぐ。この開放的な空間もお気に入り。アフタヌーンティーが人気の「ピークラウンジ」だ。そして左手にオールデイダイニングの「ジランドール」を見ながら、光と影の演出が心地良いライブラリーを通ってフロントデスクへ。浮つかず、華美ではなく、上品で落ち着いた佇まいのオトナのホテル、パークの奥深くまで踏み入って、ワクワクする高揚感に包まれる。

ParcHyatt05ParcHyatt06室はいつもルームナンバー「**01」のパークスイート。正規料金で泊まるには財源不足で、宿泊や食事で貯めたホテル会員「World of Hyatt」のポイントでアップグレードしてもらうのが常だった。エントランスのすぐ右手には美術書が開かれて置かれている。廊下を通ってリビングルームへ。3人掛けの大きなソファ、1人掛けのソファが2つとオットマン。落ち着いた色合いのカバーで覆われた座り心地の良いこの場所で持ち込んだ文庫本を読むのが好きだった。ガラス天板のダイニングテーブルは4人掛け。いずれのインテリアも圧迫感がなく、機能的。書棚にはパークのインテリアデザイナーのジョン・モーフォードが選んだという和洋書が並ぶ。何より2人が落ち着く空間だ。

ParcHyatt10ParcHyatt09面の窓からは西新宿のスカイスクレイパー群や、手前に代々木のドコモタワー、遠くスカイツリーが望める。*残念ながら麻布台ヒルズ完成以降は東京タワーは窓の景色から姿を消した。新国立競技場の建築中の風景も、完成してからの威容も、ずっと楽しみに眺めていた。大手町や赤坂の新たな高層ビルをチエックするために地図を片手に東京の街を俯瞰した。左手の窓から見下ろすと、NYCのセントラルパークのような新宿中央公園が望める。春の新緑も、夏のイベント風景も、秋の紅葉も、冬の葉を落とした樹々の眺めも楽しみだった。手前にはバスケットボールコートやフットサル場があり、朝早くから汗を流すワカモノのプレーを見たり、飽きることのないピクチャーウィンドウだった。

ParcHyatt07ParcHyatt08ッドルームはスタイリッシュで快適だった。クイーンサイズのベッドが2台、寝転びながら視られる大きなTVが嬉しい。リビングルームからベッドルーム、バスルーム、洗面スペースとぐるっと歩いて回れるウォークスルーの間取り。ベッドルームから直接バスルームに繋がる動線は、2人が住むマンションのリノベーションの際に参考にした。すなわちお気楽夫婦の理想の住まいなのだ。*キッチンがないけれど、妻は別に要らないよと言った(汗)。洗面はやっぱり朝に便利なダブルボウル。これは残念ながら狭い我が家では断念。いずれにしても、ここは2人のホーム。新宿の別邸。開業30年を経て、設備は古く感じられ、不具合も目に付く。それでも、パークは我らのパークであり続ける。

2025年秋、1年半後にパークはどんな顔で2人を迎えてくれるのだろう。このブログ記事の中で…だった、と書き綴ったけれど、お気楽夫婦のお気に入りホテル、パークハイアットは、今も2人の意識(記憶ではなく)の中に変わらずにある。パークの良さを残しながら、生まれ変わってくれるだろうパーク。「早く泊まりたいね。予約しちゃう?」と気の早い妻。…まだまだ予約できないから。

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