2人は乗り鉄?「山形〜鉄道の旅」

NoritetsuBeerり鉄、録り鉄、乗り鉄などと呼ばれる鉄道マニアたちがいる。文字通り電車を撮影したり、録音したり、乗って楽しむ鉄道ファンの呼称。お気楽夫婦の鉄分は少ないけれど、電車に乗って旅することは大好き。東海道、上越、東北などの新幹線はもちろん、JR九州のオシャレ系の電車で旅したことも度々。乗り鉄の傾向があるのかもしれない。ある週末、末弟の住む「かみのやま温泉」へ向かった。飛行機で向かうことの多い故郷の街とは違い、山形新幹線の旅。メインの目的は法事だけれど、せっかくだからと前泊し、周辺の街を訪ねることにした。東京駅のホームに停車中の北陸新幹線の車両の前で(乗るわけぢゃないのに)記念撮影。どうやら撮り鉄分も少々。

StationTakahata京駅でオードブルの盛合せとビールを買い込み、ウキウキ気分で車両に乗り込む。美味しくいただいたビールはサッポロクラシック。都内で買えるのは珍しく、嬉しさ倍増。流れ去る車窓からの景色を眺めながらぐびり。ふぅ〜、んまい。旅をしているという高揚感がビールの美味しさを倍加させる。目的地での楽しみが待っているというワクワク感が2人を笑顔にさせる。鉄道は単なる移動の手段ではなく、旅の大事な要素。この車内宴会の時間が好きで新幹線に乗っているようなもの。座席に座るとすぐにビールが飲みたくなってしまう習性は、もはや「乗り鉄」などではなく、すっかり「飲み鉄」の域に達している。条件反射的に出張の時にも飲みたくなるのは少し困るけれど。

WineryYoshi初の目的地、高畠駅で下車。構内に温泉施設があり、ホテルなどが併設されたユニークな駅だ。そして、向かったのは高畠ワイナリー。馴染みのビストロで初めて飲んで、日本のスパークリングワインもこんなに美味しいんだ!と開眼させてもらった「嘉(よし)」を醸造するワイナリー。観光も楽しめるワイナリーを標榜し、工場の前にはブドウ畑、休憩所、花壇が美しく配され、入場は無料。季節毎にさくらんぼフェア、芋煮会などのイベントも盛んに行われている。そしてお待ちかねの試飲コーナーではワイン飲み放題(笑)。妻に注がれたワインも独占し、コーナーをはしご酒。楽しいぞ。敷地内にある「ゴッツォナーレ(山形弁で「ごちそうどうぞ」の意味)」のジェラートも旨し。

TrainWindowインを(それも無料で)たっぷりいただき、すっかりご機嫌で高畠駅に戻り、ローカル線の電車で「かみのやま温泉」に向かう。車両のドアの横には「開」のボタンが付いていて、押さなければドアは開かず、降りるときは車内に付いているボタンを押さないと降りられない。そんな寒冷地仕様に、のどかな電車旅の気分上々。走り出した車両の中から外を眺めると、大きく取られた窓いっぱいにパノラマ写真のような風景が流れて行く。山裾にブドウ畑が拡がり、遠くには蔵王連山が聳え、青空には雲が浮かぶ。思わず息をのむ素晴らしい景色だ。これぞ乗り鉄の醍醐味。…と、すっかり乗り鉄を自覚し始めた頃に、電車は「かみのやま温泉駅」に到着した。

からタクシーで宿に向かう。その日の宿は、民間の施設として初めて昭和天皇が宿泊した村尾旅館(現在は「NEW村尾 浪漫館」)、詳細はいつかブログで!

建物の魅力で訪ねる美術館「清春白樺美術館 他」

PiaArtMuseumsKiyoharuあ日本の美術館」という1995年に発刊されたmooks(magazineとbookの中間的な出版物:造語)がある。残念ながら亡くなられたかつての同僚、望月昇くんが編集を担当した、私の大好きな1冊。副題に「建物の魅力で訪れる全国110館」とあるように、収蔵作品だけではなく、美術館の“建物”そのものの魅力にスポットを当てた出版物。掲載されている写真も、淡々としたトーンの紹介文も、各ページのレイアウトも、美しく、オシャレで、魅力的。かつ記載された情報も実用的で、ページをめくる度にそれらの建物と美術作品に会うために訪れてみたくなる。元々美術館巡りが好きな私にとって、いつか訪ねたい美術館のリストであり、眺めて楽しい貴重なカタログでバイブルでもある。

OharaHiroshima年のテニス懇親会の会場が須玉だと聞き、帰路に立ち寄る美術館が浮かんだ。すぐ隣の長坂駅が最寄りの「清春白樺美術館」だ。清春小学校の跡地を吉井画廊の社長だった吉井長三が私財を投じて買い取り、親交があった白樺派の武者小路実篤らが構想していた美術館を建築したという。清春芸術村という文化複合施設の付属施設として1983年に建てられた美術館は元より、エッフェルが設計し、1900年のパリ万博の際にのパビリオンとして建てられこの場所に移築された「ラ・リューシュ(蜂の巣)」という独特の外観の建物が有名。他にもツリーハウスの茶室「徹」や、巨大な親指の屋外彫刻など見所が多い。小雨の中、芝生の緑に映える童話の世界のような眺めを楽しんだ。

KanazawaAkita島、岡山方面へ出張した際に、「ひろしま美術館」と「大原美術館」を訪ねた。どちらも学生時代から何度か訪ねたお気に入りの美術館。特に倉敷の大原美術館に収蔵されているウジェーヌ・カリエールの「想い」という作品が大好きで、その作品を観るためだけにでも行きたい美術館なのだけれど、その日は展示されておらず(残念!)、代わりに古代ギリシア風建築と桜の組合せという不思議な景色を味わった。金沢の出張では「金沢21世紀美術館」へ。残念ながら休館日だったため、収蔵作品は観られなかったけれど、屋外の展示物や、開放された中庭で「スイミング・プール」という話題の作品を(上から)眺めることができた。下から見上げないと余り面白くないのだけれど。

DomonNewNational郷の父を見舞った際に友人と出掛けた「秋田県立近代美術館」や、帰省の際に何度か訪れた「土門拳記念館」は、まさしく建物そのものの魅力が溢れている。丘の上から飛び立とうとしている飛行船のような「秋田県立近代美術館」は“動”のフォルムにワクワク感がある。公園の中の人工池に浮かんでいる箱船のような「土門拳記念館」は“静”の魅力。展示室に向かう通路のガラス窓から差し込む光と、ガラス窓の向こうにある水の風景を取り込んだ空間は、リズミカルで心地良い。訪れる度に微笑んでしまう大好きな場所だ。いずれも展示作品の持つ力を引き出す良い器には違いない。

2004年に開館した「金沢21世紀美術館」をはじめ、2006年「青森県立美術館」(未訪問)、2007年の「国立新美術館」など、望月くんが亡くなった後に完成し、建物自体も話題となった美術館は多い。美術館ではないけれど、2005年開園の「モエレ沼公園」や、直島を始めとした瀬戸内国際芸術祭など、建物や展示作品が置かれた“場所”の魅力が人を惹きつけるアートも増えた。旅先で出会う(出張含む)美術館と美術作品は、訪れる街の印象を一気に変えてしまう程に新鮮で魅惑的。誰か望月くんの企画を引き継ぎ、改訂版を出版してもらえないだろうか。「ぴあ」さん、お願いします!*もちろん、ぴあ社ではなくても可(笑)

緑の承継「クラブヴェルデ」

KosakuOzara10年振りぐらいに訪れる甲州山梨に向け、テニス懇親会参加するために特急あずさに乗車。昨年から参加している日本テニス事業協会主催のテニス&ゴルフ1泊懇親会。今年の会場は須玉にある「Hotel & Tennis Resort クラブヴェルデ」、特急が止まらない日野春という小さな駅が最寄り駅。集合は現地に13時。ということは、途中で昼食を済ますということだからと、甲府・昼食で検索。すると、ほうとうの「小作」という有名店が駅前にあることが分った。12時前に店に到着。梅雨時なのに晴れた暑い日、冷たいほうとう「おざら」をオーダーしてみる。シイタケや玉ねぎ、豚肉などがたっぷり入った醤油味の汁にほうとうを付けて食べる。ほうとうのつけ麺ヴァージョン。さっぱりとして実に旨い。カラッと揚がった天ぷらと共にいただく。暑い日はこれだなと納得。

TennisCourtートに向かう途中、余りの好天に慌てて日焼け止めを調達。昨年に続き、梅雨時の開催にも関わらず無風、快晴、絶好のテニス日和だ。さっそく着替えてコートへ。既に参加メンバーが集まり、それぞれのレベルに合わせてアップをしている。参加者はテニスクラブやテニススクールのオーナー、メーカーのテニス担当者、すなわち学生時代からテニスを続けて来たプレーヤーがほとんど。多くが50代、60代ではあるものの、そのレベルは高い。久しぶりにラケットを握った私とは雲泥の差。とは言え、相手に合わせてボールを出してもらえるレベルでもあり、午後の数時間たっぷりと楽しめる。球出しをしてもらい基本のストロークを教わったり、ダブルスのゲームのお相手をしていただいたり、高原のテニスを下手なりに満喫することができた。

ClubVerdeSunriseをたっぷり流し、お風呂に入ってさっぱりした後は懇親会。乾杯の後は参加メンバーの自己紹介が始る。最後に挨拶されたのは、ダブルスのパートナーとしてアドバイスしていただいた方、会場となったクラブのオーナーだった。話を伺うと、80年代に須玉グリーンテニスクラブとして設立された後、何度か利用者として訪れ素晴らしい施設だと感銘を受けたという。その後何度かオーナーが変わり、数年前に閉鎖されてしまったクラブを久しぶりに訪れた際に、自らが経営することを決めたとの事。初代のオーナーは日本テニス事業協会や前身の日本テニスクラブ連盟の初代会長でもあった故飯田太郎氏。鶴川にあったグリーンテニスクラブのオーナーでもあった飯田氏はジュニアの育成、クラブ間の交流や情報交換に力を注いだ功労者であり、伝説の人物。

IndoorIndoor2ェルデ”という現在のクラブ名は、そのグリーンテニスクラブの名を継いだ、イタリア語の緑という意味。18面のクレーコート、3面の屋内コートを有する施設は、古びてはいるけれどきちんと整備されており、特に国際大会や国内のメジャー大会も開催されるというクレーコートのコンディションは、素人目にも素晴らしい。現在のテニスブームは錦織ブームだというテニス関係者のことばは良く聞くし、実際にそうだと思う。ましてこれだけの大規模施設を維持するには国内のテニス人口はまだまだ少ない。けれども、現在のオーナーは飯田氏の遺志を引き継ぎ、お世話になったテニスというスポーツへの恩返しをしたいのだと言う。因に、トレーダーだった彼の本業はテニス大会の企画、運営、情報提供、エントリーを行うサイトの運営など。やるなぁ。

れた。テニス事業協会に加盟するオーナーの皆さんは、心からテニスを愛し、その活性化のために自らのクラブやスクールのためだけではなく、協会の活動に熱心に参加されている。仕事を離れた目で見ても、尊敬できる方が多く、フレンドリーなスポーツマン揃い。好きなテニスでメシを食えていることを幸福だと思い、その夢の実現を感謝している方々。二次会で自らのオリジナルレシピでジントニックを振舞うクラブヴェルデのオーナーも、実に幸福そうだ。「いろいろ研究して、このレシピに行き着いたんですよ。タンカレーと、ウィルキンソンのトニックウォーターと、そしてライムがポイントなんです」ふむふむ。「紀伊國屋か三浦屋でライムを買うんです」…そして、お茶目でもある。

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SINCE 1.May 2005