美味しい!楽しい!は元気の素「ビストロ トロワキャール」

BiereAsparaに忙しい仲間たちがいる。担当していたボスが異動してしまった役員秘書、人事担当となって2年目のアスリート系女子、そして毎年恒例の春の深夜残業を続けるお気楽妻。ヘトヘトになって家に帰り、ジム通いもままならず(必死に時間を調整し、意地でもジムに向かうお気楽妻は除く)、テンションも下降気味で体調も万全ではないらしい。そんな彼女たちをお誘いし、馴染みのビストロ トロワキャールに伺う。「久しぶりにスカッシュの練習したら、何だかすっきりしたなぁ」と、アスリート系女子はアクティブレストで元気回復の模様。乾杯のビールを元気に飲み干す。それに対して役員秘書は当日の出席も危ぶまれ、ビールを飲むことすら躊躇う体調。ちょっと心配。

CorbieresMain近、フレンチでもこれを出す店が増えて来てですね、よぉしっ、俺のフォカッチャを見ろ!って感じで焼いてみました」とシェフの聡ちゃんがアミューズと共に自慢のパンをサーブしてくれる。「わぁっ!美味しそう♫フォカッチャ大好きぃ〜」と役員秘書のテンションが1段階上がる。メンバーの体調が万全ではないとシェフに伝えると、「では、ホワイトアスパラとチコリでサラダにして、いつものオードブル全部盛りと、鮎がありますけどそれをメインぐらいの感じでいかがですか」とおススメしていただく。「さすがの私も今日はお肉!って感じじゃないから、それが嬉しい」と、普段はがっつり肉食系の役員秘書。了解。今日は身体に優しいメニューで行こうか。

AyuConfitAlsace初の白です」店のマダム、まゆみちゃんが選んでくれたのは、ソービニョン・グリという珍しい品種の辛口ワイン。ん、清々しい飲み口で好きな味。「体調悪くて病院に行った日に、IGAIGAが差し入れ持って行けたらって、FBに書いてくれただけでも嬉しかったなぁ」とオードブルの盛り合わせを味わいながら、役員秘書が語る。徐々に元気になって来て、顔色も良くなって来た。2段階アップ。ふんふんと頷きながらワインをぐびり。空になったグラスを置くとほぼ同時に笑顔のまゆみちゃんが2杯目のワインを差し出してくれる。何と絶妙のタイミング!「お話盛り上がってたので、勝手に持ってきちゃいました」グッジョブ!私にとっては、こんなサービスが元気の素。

RullySavarinのコンフィ、美味しいねぇ」と、深夜残業続きでも元気な妻。彼女は時間を工夫して、ジムに行くと決めた日は早めに仕事を終え、代わりに他の日に終電帰り、そして休日に持ち越した仕事をするというメリハリを付ける。逆に、それが彼女の体調管理法。そして私の元にはコンフィに合わせた4杯目のワインが、やはりドンピシャの時間に届けられる。やるなぁ!まゆみちゃんと伝えた声に返ってくるのは、彼女の明るく元気な笑い声。料理とワイン、そしてこの時間と空間が心地良く、身体をほぐす。シェフのアドバイス通り、メインを止めて、全員がデザートを選ぼうという作戦。「どれも美味しそうだなぁ。何を食べようか!」役員秘書はすっかり元気だ。3ステージ上昇。

気になったぁ!楽しかったぁ。今日は頑張って出て来て良かったぁ〜」足取り軽く店を出る役員秘書。アスリート系女子やお気楽妻には効果的なアクティブレストは万人に効くとは限らないが、美味しい、楽しいは誰にも共通する元気の素だ。デザートにサヴァランを選んだ私もご機嫌。シェフが「くらっくらになりますよ。デザートワインの代わりだと思ってください」と微笑んだ通り、生地にたっぷり含まれた酒が実に濃厚で美味しかった。当日、体調が悪過ぎて欠席した酒豪女子にも食べさせたかった味。次回は、元気になった彼女と一緒に酔っぱらおう。「さ、電車で帰るよ!」…妻は相変わらず元気だ。

出没!食べ街っく天国♬三茶・中目「ビストロ リゴレ」他

RigoleSoup目黒に仮住まいしていた頃から数えて9ヶ月、月に2回のパーソナルトレーニング通いが続いている。隔週で訪れる第2のホームタウン(と勝手に命名した)中目黒。○イザップのように痩せることを目的に通っている訳ではないから、ジムで汗を流した後は、たっぷり飲む。美味しく食べる。どちらかと言えば、アフタージムを楽しみにして通っている気配もある。以前と違うのは、ジムからの帰路として効率が良い三軒茶屋の店に足が向くこと。その日向かったのも三軒茶屋の住宅街に佇む「ビストロ リゴレ」という小さな店。深夜まで営業しており、ジム帰りに立ち寄るにはぴったり。カウンタに座り、生ビールをぐびり。ん〜、んまいっ!この1杯のためにジムで汗を流したのだ。

Vegi2Pate2ミューズはプティシュー付きのカボチャの冷たいスープ。ふんふん、オサレな盛付け。見ため良しで美味しいぞ。初訪問の店だから、キャロットラペ、パテドカンパーニュなどの定番の味を試す。ん、好きな味。縦に長くカットしたパテ。上にパン粉とパセリを散らした盛付けは朱赤の皿と良く合う。おススメのグラスワイン3杯(選べる)セットで、お得な料金設定が呑んべには嬉しい♬隠岐の海士町から直送された新鮮魚介がウリの店。巨大なサザエのエスカルゴ風をいただく。良い感じ。「この店、良いね」妻もお気に入りの模様。沖縄料理「我如古」に続き、再訪店リストにエントリー。それでも三軒茶屋食べ尽くすには、まだまだ。「どんどん探索するよ!」妻の鼻息も荒い。

QuoreAzzuroOnion日、スカッシュのレッスンの後に、NYC帰りの友人夫妻と中目黒へ。仮住まい時代からお馴染みの「クォーレ  アズーロ」を久しぶりに訪問。「今年は部署を変わる年なんだぁ」金融関係の企業に勤める友人(夫)は、定期的な異動が必須。シンガポールが良いんじゃない、香港が良いなぁ♬などと無責任に冗談を言いながら乾杯。「トリッパと胡桃、リンゴ、ゴルゴンゾーラ、トレビスのサラダ」や「タケノコとホタルイカの炭炙り」などをいただきつつ、ワイングラスの1杯目。「どれも美味しいし、珍しいメニューがあって楽しいね」友人(妻)もご機嫌。飼っているワンちゃんの話題で盛り上がりつつ、定番の「詰め物をしたタマネギの岩塩ロースト」を堪能。ワイングラス2杯目。

PastaRissotバコは止められないね」外でタバコを吸って来るという夫を見送りながら、友人(妻)が零す。タバコ税が高いNYCでも1,000円を超えるタバコを吸い続けたよねと、かつてのエピソードを繰り返す。長年連れ添ったパートナーの行動、嗜好は暗く諦めるのではなく、明るく受け入れる、というスタンス。戻って来た友人(夫)に、パスタとリゾットのどちらが良いかと尋ねると、夫婦一緒に「両方食べる!」と声を揃える。良いカップルだ。「2人だけだといつも炭水化物まで行けないから、今日は嬉しいなぁ」とお気楽妻。「そんな時は呼んで呼んで!」と友人(妻)が応える。取り分けてもらった「イカスミを練り込んだタリオリーニ、ウニのバターソース」をぺろり。ワイン3杯目。

味しかったぁ。中目ってかなり良いね」駅までの帰路、脇道に逸れながら、仮住まい時代に通った店を紹介しつつ、4人でそぞろ歩く。「夕月」「いふう」「イルピッツアイオーロ」「オーコアンドフー」…。「どこも美味しそうだぁ!良いねぇ。また中目に一緒に来よう!」と、すっかりお気に入りの友人(妻)。喜んで!と妻が応じる。…こうして続く、三茶、中目食い倒れジム通い。

爛漫の春を味わう「割烹 弁いち」浜松

Ben1Ben2の故郷浜松を訪ねる度に、食べに行きたい店がある。帰省のスケジュールを決めると、真っ先に予約の電話を入れるのだから、正確に言えば、食べに“行っている”店がある、というのが正しい。その店は、創業90年を超えた老舗「割烹 弁いち」。2008年3月に初めて訪問して以来、春と秋の連休、そして冬、年に1〜3回の頻度で伺っている。さらに義父母が、(婿殿に気を遣い)毎年弁いちさんにおせち料理をお願いしてくれるから、年に4度は味わうことができる。この店のご亭主は、季節毎に食材と生産地に拘り抜き、全国各地から旬のものを取り寄せる。この春、味わったのは山野の美食材だった。

Ben3Ben4付けは、ホタルイカ、コゴミのゴマ和え、ウドとウルイの酢味噌和えなど、春の香りの盛合せ。まずは、ガージェリービールをぐびり。この店は、食材はもちろんのことながら、酒に拘りがある。酒蔵、杜氏、そしてグラス。だから、お気楽な2人は、この店に来たら、只々ご亭主に身を委ねるだけ。料理も酒も全てお任せ。季節の料理を味わい、料理に寄り添う酒に納得し、その酒にぴったりのグラスを楽しむ。料理は直球。その季節の最高の食材を惜しみなく使い、その本来の味わいを損なうことなく、最高の状態で供する。コシアブラとタラの芽の天ぷらも、まさしく食材自身が泣いて喜ぶ味。

Ben5Ben6初の1杯は、奈良の蔵本「風の森純米大吟醸しぼり華」山田錦45%精米のフレッシュな味わい。「どれどれ」飲めない妻が、味見だけとグラスに口を付け「ん、んまい」と唸る。椀物は美しい木の芽が添えられた旬のハマグリ。直球で、かつ豪速球。しみじみ美味しい。ここで2杯目の酒。山忠本家酒造「義侠 純米大吟醸」。向付のねっとり美味しい刺身にぴったりの、力強さを持った酒。「どなたにもおススメできるものではないので、ご提案なんですが、焼き物で珍しいものはどうですか」とご亭主から前置かれて出てきたのは、蝦夷鹿の内子の焼き物。柔らかさが独特の歯応え。まぁ、旨し。

Ben7Ben8く酒は、「新政 頒布会」の2種。2015年4月の「改良信交」「美山錦」の飲み比べ。前者は「柔らかくみずみずしいかたち」後者は「凛として奥深いかたち」だそうだが(ラベルに記載)、「そろそろ酔っぱらって、どれも美味しいだけでしょ」と妻の指摘の通り、ほろ酔い加減。ふふふ。実は、美味しいだけじゃなく、楽しいのさ!と独り言つ。ご亭主とカウンタ越しに語りながら、春を味わい、美味しい酒を愉しむ。至福のひと時。と思っていたところに、その日の掉尾を飾る一品、炊きたてご飯の上にワラビ味噌、フキノトウの味噌汁。香り高き絶品。春よ春。爛漫の春を口一杯に頬張り、満足の笑み。

日もゼータクだったね」と妻も笑顔。祭りのお囃子を遠くに聞きながら、2人で夜の街をそぞろ歩く。祭り装束が繰り出している街を、彼らと同じく浮かれ気分で。とは言え、ますます小食になってしまった義父母と一緒に味わうことができなかったことが心残り。よしっ、秋には「弁いち」のランチに誘い出そう。年末にはおせち料理を頼んでもらい、思いっきり喜ぼう。健気な婿殿として、妻の親孝行に精一杯協力しよう。妻の故郷で過ごす春は、そんな思いと共に過ぎて行く。

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SINCE 1.May 2005