肉部には肉を!「ビストロ808 Ⅳ」

toastHors d'oeuvre好きの仲間たちがいる。毎月29日を“ニクの日”と称して、肉料理を食べる旅に出る。ある時には市ヶ谷の某店にエアーズロック並みの肉塊を食べに出掛け、またある時には錦糸町にある肉オークションがウリの店で赤身肉を競り落とす。彼らの活動は“肉部”を構成する4人の主要メンバーが中心。お気楽夫婦も見習い部員として何度か参加したけれど、未だ見習いのまま。何しろ食べる量が桁違いに違うのだ。加えて、呑む酒の(特にワイン)量が半端ではないのだ。ある週末、そんな4人をビストロ808にお招きした。料理はお任せいただき、飲みたいものを好きなだけ持参するというルール。「楽しみです♬ワイン抱えて行きます!」「ニクに合う日本酒持って行きます♬」

pâtéroast beef日、残念ながら主要メンバーのエースが風邪のために欠席。牛、豚、ソーセージと全部で2kg近く買い込んだ肉は食べ切れるかと心配すると「私を2人分でカウントしてください!」「今日は勢いで20km走って来た腹ぺこ王子にお任せください!」心強いメッセージが他のメンバーから届いた。安心して予定通りの料理に取りかかる。オードブルには馴染みのビストロ トロワキャールのシェフ、聡ちゃんからアドバイスを受けたパテドカンパーニュとキャロットラペ。スーシェフが作ったメインのローストビーフと共に、3日前に作って冷蔵庫に寝かせてあった。他にはプティトマトのマリネ、クリームチーズとスモークサーモンのカナッペ、次郎柿のマスカルポーネ和えなど。

pot roastHot vegetable saladご〜いっ!豪華ぁ♬」まずはシャンパンで乾杯し、さっそく肉中心の料理を味わっていただく。「ローストビーフのソースが旨いし、肉の火の通りが絶妙ですね」ふふふ。ソースはシェフの、肉はスーシェフの自信作。「パテが美味しい」良かった。何度か作って工夫したおかげで随分レベルが上がった。「キャロットラペも良い味」妻のランチ弁当用に何十回も作った賜物。すっかりオリジナルの味付けになった。それにしても良く飲み、気持よい程食べるメンバーたち。この時点で泡が2本、白が2本空いてしまった。では、メインのポットローストをどうぞ。「うわぁ〜!まだ肉が出るんですね」歓喜の肉部メンバーたち。ふふふ、まだまだ続くニク祭り。

BottlesInabaき野菜のサラダに続き、巨大なソーセージと豆とトマトを煮込んだ熱々のカスレをサーブ。「おぉ〜、美味しい。お代わりいただいて良いですか」これでもかと畳掛けるように出す料理が、小気味好く食べ尽される。赤ワインが空けられ、肉料理に合うという日本酒が蒸発して行く。飲まないお気楽妻を除き、ここまでで4人で6本。実に良いペースだ。件のビストロで昼から夕方まで飲み続けたこのメンバー。お手頃なランチメニューだったにも関わらず、会計をしてもらう際に余りの金額に「合ってるかな?」と計算し直されたという伝説を持つ。エースが欠けても、飲みも食欲も破壊的なパワーがある。さすがの肉部員たち。やはりまだまだ、お気楽夫婦は見習いレベルだ。

味しかったです。ごちそうさまでした」「寝酒までぐびぐび飲んじゃいましたね」宴の後、メンバーからメッセージが届いた。そう言えば、酒棚に飾られたシングルモルト「ラフロイグ」を目ざとく見つけ、最後に夫婦でストレートで乾杯していた。「楽しかったです。昨夜に時計を巻き戻したいくらい」ん、可愛いこと言ってくれるじゃないか。またおいで。それにしても、誰も“お腹いっぱいで”という言い方をしない。「次回はぜひ参加したいので、よろしくお願いします」と欠席したエースからもメッセージ。おぉ、そうだった。ここにエースが加わっていたら、2kgのニクでは到底足りなかったということか(汗)。恐るべし、肉部。では、次回は料理の質も量もパワーアップして、ビストロ808でお待ちしてます♬

アスパラは白?緑?「ビストロ トロワキャール」

WhiteAsparaKaki供の頃、アスパラガスは白かった。水煮にされて缶詰に入っていた。野菜サラダの上の方で、誇らしげにしていながら、苦くてエグミがあって、実に不味かった。その後、グリーンアスパラが出回るようになり、主流となった。初めてのグリーンアスパラは、見てびっくり、食べて美味しくてびっくり。コリコリシャキシャキと美味しい。同じ野菜だとは思えなかった。そしてオトナになって、価値観がぐるっとひと回り。フレンチで春を告げる食材、ホワイトアスパラを心待ちするようになった。「今期初のホワイトアスパラが入荷しました」そんなメッセージが馴染みのビストロのシェフから発せられた。これは行かねば。ということで、いつものメンバーをお誘いして新年会。

AsparaTanpopoだ今日の分が入荷しないんですよ」ビストロ トロワキャールのシェフ、聡ちゃんが心配そうに零す。「すっかりソースもできて、スタンバイしてるんですけどね」仕事で遅れるという役員秘書を待ちながら、のんびりとアスパラの到着も待つ。「あ、来ました!」酒豪女子がにっこり微笑む。役員秘書の登場かと思えば、食材屋さん。無事にロワール産のアスパラの到着だ。「これ何だか分りますか」シェフが持って来たのは白い葉野菜。聞けば食用タンポポで、同じように陽に当てずに育てるのだという。それもください!役員秘書も登場し、季節先取りの野菜料理をいただく。アスパラにはお約束のオランデーズソースが絶品!タンポポと生ハムの組合せも新鮮な味わい。

ZensaiVinわぁ〜!ソース美味しっ。やっぱり聡ちゃんの料理は美味しいねぇ」全員が唸る。続いていつものようにオードブル盛合せ。パテドカンパーニュ、フロマージュドテット、タスマニアサーモンのスモーク、キャロットラペ…。美しく盛付けられた粒よりの絶品料理を少量づつ味わえるゼータク。焼きたてのおいしいパンをやはりすこしづついただきながら、完成度の高い料理をひとつひとつ堪能する。おススメのワインをいただく。んまい。しあわせ。オトナで良かった。ましてその日ご一緒しているのは、いつもの気の置けないメンバー、シングルレディズ。良い意味で気を遣わずに会話を愉しめる。ストレスのない話題、リラックスした会話のテンション。これぞ至福の時。

SteakDessert日はメインまで行けそうですね。では全員これで行っちゃいましょうか」巨大な肉の塊を抱え、聡ちゃんがおススメしてくれたのはなんたらポーク(忘れてしまった)。「少なめで良いですよね、厚さは指1本分くらいですかね」大きな塊で焼いた肉をスライスして、香り高いソース(これも名前を忘れた)をかけた一品。しっとりと柔らかく、火の通り方が絶妙で、肉色が美しくエロティック。甘く上品で繊細なソースが豚肉の甘みと相まって、これがまた抜群に旨い。ガツンと男前でセクシーな一皿。メンバー全員が最後のひと口まで飽きることなく、持て余すことなく、ぺろりといただく。時間をかけて、オーバーペースにならずに、楽しくのんびりいただくからこその食事量。

は言え、さすがに満腹のメンバー。残念ながらスイーツは入らない!とアスリート女子と役員秘書(スイーツ番長たち)がコーヒーをオーダーする中、嬉々として食後酒を選ぶ酒豪女子。説明していたシェフの聡ちゃんも興が乗り、店にある食後酒を全部並べ始める。まるでジュエリーを眺める(一般的な)女子のように、酒瓶を眺める酒豪女子。仕方ない(笑)お付き合いしますか♬こうしてその日も、最後まで美味しく、愉しい時間が過ぎて行ったのでした。

旅のミッションは?「北関東スカッシュ酔行」

FirstWaveAoyama気楽夫婦が愉しむスカッシュは、現在オリンピックの競技種目に採用されるかどうかの瀬戸際。ここ数年、マスコミに取り上げられる頻度はアップしたものの、日本国内ではメジャースポーツになり切れず、コート数も減少傾向。全国各地のスポーツクラブで施設を改装したり移転する際に、スカッシュコートが閉鎖されてしまうという淋しいニュースが続いている。そんな中、久しぶりに新設コートがOPENするという明るい話題。昨年末に群馬県伊勢崎市に「ファーストウェーブ スカッシュクラブ Cafe&Bar」という3面のスカッシュコートとカフェを併設した施設が完成し、旧知のコーチである青山くんがGMに就任したとのこと。これはお祝いを兼ねて訪問せねば。

CourtBeerは言え、伊勢崎は余りに遠い。(妻は何県にあるのかも知らなかった)新幹線やJR両毛線を乗り継ぎ2時間。気軽にスカッシュをプレーしに行くという距離ではない。そんなある日、毎年恒例のスカッシュ団体戦が宇都宮で開催され、いつものメンバーで参加することになった。試合開始は日曜の早朝ということもあり、前日から宇都宮に入って、餃子を食べて、という計画。…ん?せっかくスカッシュラケットを担いで北関東に行くのなら、伊勢崎に寄れるじゃないか!さっそく青山くんに連絡し、ビジターで訪問したいとお願いをする。訪問当日、青山くんと数年ぶりの再会。「あぁ〜!IGAさん、お久しぶりです。お変わりないですね」いやいや、青山くんこそ変わらぬ爽やかっぷり。

Train2Train成したばかりのぴかぴかのコートで、青山くんと一緒に記念撮影。コートはグリップが適度に効く床、明るい照明、ボールの跳ね返りもお気楽夫婦好み。良いコートだ。そんな感想を伝えると、GM青山くんは満面の笑み。OPENまでの苦労話も伺ったが、今は開設準備の慌ただしさもようやく落ち着き、ホッとした様子。コートのコンディションに胸を張り、今後の展望や夢を語る。かつての爽やかな好青年から経営者の顔になり、スカッシュを心から愛する男の顔になる。良いタイミングで訪問できた。なんだかとても嬉しく、スカッシュで汗を流した後に、併設されたカフェで妻と乾杯。さらに宇都宮に向かう、ローカル線で2時間近く電車の中で乾杯。嬉しいなぁと繰り返しながら。

GyozaNeverGiveUp都宮のホテルにチェックイン。嬉しいなぁのテンションはそのまま。ホテルに設置されたコインランドリーでウェアを洗濯しつつ、焼きたての餃子やサラダなどを買い込み、部屋飲み。夕方からずっと呑み続け、すっかり良い気分。記憶は洗濯物をバスルームに干したあたりで、ぷつんと途切れる。そして翌朝、しっかり寝坊。慌てて朝食を取り部屋に戻る。ん?胃が重い。目が回る。身体が怠い。典型的な二日酔いの症状。ふぅ。チェックアウトの後、会場に向かう途中で、偶然他のメンバーと合流。「あ、IGAさん二日酔いですね」ひと目でコーチにバレる始末。試合開始の時間は迫るが、一向に快復の兆しはない。酔いを気付かず朝食を取り、酔いが戻って来たらしい。

戦は他のメンバーに任せ、妻が私の代わりにアンカーを務め、最後まで諦めることなくボールを追い、見事に逃げ切り勝利。あれ?作戦成功か?時間の空いた2戦目で、重い頭を抱えながらも対戦相手に恵まれ、無事に勝利。予選リーグは5チーム中3位で通過。3位トーナメントで決勝に進むも、アンカーの私が先行された対戦相手に追いつけず敗退。その頃には酔いも醒め、シャワーを浴びた後はすっかり元気。メンバー全員12人で餃子を肴に乾杯。そして恒例の湘南新宿ライングリーン車内(12席の車両がある)宴会。絶好調で呑み続ける。楽しいぞ。「スカッシュしに来たというよりは、呑みに来たって感じだね」と妻に指摘されるまでもなく、ほぼそれが目的。無事にミッションを遂行し、帰路に付く。「あぁ、タイトルはおやぢ系のダジャレな訳ね」妻の突っ込みは黙殺。酔い旅でした。

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SINCE 1.May 2005