“びぢんさん”たちと行く中目黒、イタリア紀行「青の洞窟〜クオーレアズーロ」

BlueMadaの洞窟と言えば、イタリア南部にあるカプリ島の観光名所。海岸の断崖にできた洞窟に、水中の穴を通じて光が差し込み、洞窟全体が紺碧の光で満たされる神秘的な場所。行ったことはないけれど、映像では何度も観たことがある有名な観光地。そんな名前を堂々と冠したイルミネーションイベントが中目黒で開催されている。…ということを、仮住まいだった街、中目黒で飲もう!と日程を決めた後に知った。余りの人気に週末の開催が中止となったとニュースで聞いた。そして、当日。中目黒の駅周辺は凄い人。待ち合わせの妻と会えるかなぁと心配になりかけた時、「いぃ〜がちゃん!」と呼ぶ声。そんな気安く声を掛けるのは、いったい誰じゃい!と振返る、までもない。

Mada&Miyaを“IGAちゃん”と呼ぶのはただひとり、ワシントンD.C.帰りのマダムだけ。この人混みの中で良く見つけたね。「やっぱり赤くて太いロープで結ばれてるんだね」と笑う。妻とも無事に合流し、早めに着いたし、せっかくだからと洞窟見物に出かける。目黒川に近づくと小走りに駆け寄るワカモノたちがいる。確かに期待以上に美しい青。浮き足立つ気持は分る。サクラの時期を思わせる大勢の見物客。橋の上では警備係が大声で注意を呼びかけている。カップルたちが青白い顔をして自撮りをしている。けれど、桜の時期と違って、寒い。早く店に向かって暖まらなければ。駅に戻ってオンタイムで到着したMIYAさんと合流。互いにパソコンの画面を通じて良く知っているけれど、初めましてのご挨拶。マダムを介して知り合いになった、サブ3.5のランナーで、司法書士で、沖縄とスイーツが大好きで、スカッシュもやる“びぢんさん”。

CarpaccioShirakoに到着し、改めてのご挨拶。顔も、ウェア姿も、先週どこに行って何を食べたか、どれぐらい走ったかも(お互いに)知っているのに、初めましての不思議。声だけは初対面ならぬ初聴。新鮮でちょっとウキウキした心持ち。さっそく乾杯。イタリア料理とワインの店「クオーレアズーロ」は、2ヶ月住んだ中目黒でいちばんのお気に入りだった店。定番のオリーブの肉詰めフリットだの、おススメの3種のカルパッチョだのを味わいながら、リアルな会話を愉しむ。長くワシントンD.C.に住んだマダムとも、ここ数年はネット上でのやり取りが中心だった。これまでの時間と空間を超えたネット上でのコミュニケーションが一気に凝縮される気分。やっぱり生(ライブ)が良いね。

Miya2IGAちゃん、今日はびぢんさんたちに囲まれて幸せだねぇ」と、マダムが微笑む。気持の良い言いっぷり。事前にメールでやり取りをしていたタイミングから「3人の絶世の美女と一緒で、世の男性から嫉妬されるぜ」とか、「とっても素敵なちょいエロオヤヂ」と紹介されたりとか、他の誰にも見られないのを良いことに(ここで書いちゃったけどね)好き放題言い合っていた。そして、実際に会ったらテレるかと思いきや、生でも同じテンション、それ以上の楽しさで、話が弾む。ついついワインが進んでしまう。共に訪ねたボストンの話題になり、人との出会いの話になり、かつての恋のエピソードに話が及ぶ。ずっと前から知り合いだったように、遠いUSAで離れて暮してなどいなかったように、びぢんさんたちとの楽しく(知的に)刺激的な時間はあっという間に過ぎて行く。

しかったねぇ。今日はどうもありがとう♡またご一緒しようね♬」美味しい料理とワインを楽しみながら、知的な刺激に溢れた素敵なオトナの女性たちと、会話を愉しむ時間ほどゼータクなモノはない。イタリアの名勝「青の洞窟」を訪ね、イタリアンの名店「クオーレアズーロ(店名は「青い心=イタリアの心」という意味とのこと)」で美味しい時間を過ごしたイタリア(中目だけどね)紀行。次回はどの街を一緒に訪ねようか。

五感で味わう京料理「用賀 本城」

Hire末のご挨拶を兼ねて食事に伺おうと「用賀 本城」に電話をすると、女将さんの元気な声。年内は平日の1日だけカウンタ席が全て空いているけれど、他の日はほぼ満席だと言う。その奇跡的な1日にお気楽夫婦2人分の予約をお願いし、せっかくだから友人たちを誘ってみると答えると、「今でしたら貸切もできますよぉ」と返される。幹事体質の私に火が点いた。さっそく食いしん坊な仲間たちに声を掛けると「調整してすぐに返事します←行く気満々(^^)」「やった!その日は忘年会がない。行きま〜す!」などとあっという間にメンバーが揃った。まだ空いてますかと追加の電話をすると、「大丈夫ですよぉ。実はIGAさんのことだからって、7人分席を押えておきましたから」と女将さん。それってカウンタ席全部じゃないですか(笑)

Uni&Ankimoらっしゃいませ。IGAさん、さすがの動員力です」と女将さんに迎えられる。いえいえ、本城さんの料理の美味しさを知っている友人たち故。何度もご一緒している友人たちは、他のどの店をお誘いするよりもスケジュール調整に力が入るらしい。「僕にとっては今一番好きな店です」と新進気鋭(ちょっと改名)の建築家。「ありがとうございます。それは嬉しいですね」と本城さん。すっかり友人たちも顔なじみ。寒くてもビールで乾杯。その後は本城さんの「今日はひれ酒ありますよ」の声に、全員がひれ酒をチョイス。女将さんが炙ったヒレを浸けた熱燗の蓋の隙間から火を付ける。ぼっと小さな炎があがり(何度か点火に失敗したのもご愛嬌)香しい酒ができあがる。目と音で楽しみ、温かさを歓び、香りと旨味を五感で味わう冬の酒。

Seiko城さんの料理も五感で楽しむ京料理。季節毎に趣向を凝らした器や盛付けを目で愉しむ。季節を感じる食材の歯応え、舌触りに刺激される。パリパリと、カリカリと、食材が口の中で軽やかに奏でる音を悦ぶ。ある時には王道たる食材の組合せに納得し、ある時には大胆な食材の組合せに驚く。繊細な味付け、香りを堪能する。例えば、その日の食材のセイコガニ。地方によっては背子ガニ、香箱がにとも呼ばれるズワイのメスがに。内子と蟹ミソを和え、脚の身と外子を添え、甲羅の内に盛り付ける。オーソドックスな料理でありながら、絶妙なバランスで味付けされた小宇宙。外子のプチプチ感、内子と蟹ミソのねっとり濃厚な味わい、旨味が溢れる身とが口の中で優雅に踊る。思わず目をつむり味わうことに集中し、そして思わず微笑んでしまう。

Karasumiんだか幸福だわぁ。やっぱり和食は良いよねぇ」ワシントンD.C.から帰任したばかりのマダムが婉然と微笑む。どうやら潤んだ瞳は調子に乗って飲んでいるヒレ酒のせいらしい。寒い季節に味わう美味しい京料理とひれ酒。冬のマリアージュ。ついつい飲み過ぎてしまうのは彼女だけではなく、みんな(私も含め)良いペースでヒレ酒を飲んでいる。シメの料理をいただいた後にもひれ酒が残ってしまった。それを見ていた本城さんが「まだ完成前ですけど」と自家製のカラスミをオマケに出してくれた。炙ったカラスミの艶っぽく上品な香り。ねっとり甘く、絶妙な塩加減が舌に絡み付く。紅芯大根のサクサク感で中和し、口の中にカラスミの余韻を残しつつ、そこにヒレ酒。ん〜、たまらん。それにしても美味しいぞ、世界に誇る無形文化遺産、和食。

Member度の赴任先には美味しい和食の店があるかなぁ」と、カラスミをちびちびと味わいながらマダムが呟く。不安げながらも前向きな彼女。「そぉか、ちょくちょく日本に帰ってくれば良いか」おっしゃる通り。この「用賀 本城」ならではの楽しみは季節に一度は味わいたい。ぜひ帰国の際にはこのメンバーで、本城さんの料理を味わおう。「お店全部で貸切もできますので」そう言いながら、女将が柔やかに送ってくれた。はい、いつか、ぜひ。

すしんぐるの夜「鮨いち伍」

TsukidashiIkaAkamiノベーションのための仮住まい生活を始める前に、しばらく伺えないからと挨拶をしつつ、行っておきたかったご近所の何軒かの馴染みの店があった。その1軒が「鮨いち伍」。けれども転居前の8月に伺った際に、「え?IGAさん、3ヶ月ぶりですよ」とニヒルな店主に言われてしまった。そう、年に数回訪れる程度の非常連客。馴染みの店というのもおこがましい。とは言え地元に戻ったことでもあるし、年末のご挨拶を兼ねてそろそろ食べに行かねば。

ChutoroSayoriKakiしぶりにお寿司食べにに行こうかと思って」と、スポーツクラブのロッカールームで零したお気楽妻の発言に食い付いた仲間たちがいた(伝聞)。「え!いち伍?私も行きたい!」と役員秘書。「次にIGAさん家に行くとしたら、いち伍の帰りだと思ってたんですよ」とアスリート系女子。だったらと酒豪女子をお誘いすると「参加させてください☆^^」と返信があった。彼女たちは何度かお店にご一緒している(さらに緩やかな)馴染み客だ。

IwashiSabaAji久しぶりです」という店主の挨拶にも納得の、4ヶ月ぶりの訪問。8人掛けのカウンタ席のみの小さな店だから、その日は5人で半ば貸切状態。和やかに、いつものように、お任せで握ってもらう。赤イカ、カワハギ、赤身、中トロ、大トロ、サヨリ…。それぞれのネタに合わせ、煮切りをひと刷毛、肝に小ネギ、おろし生姜などの仕事が施される。寿司下駄に乗せられたら迷わずひと口にいただく。ん〜、んまい。ネタの旨味が口中に広がる。幸福のひと時。

AnagoTamagoMakiヨリが好きでね、父と一緒に通っていたお寿司屋さんで、サヨリを最初と最後に食べてたら、板さんにサヨリだねってからかわれちゃって」酒豪女子が彼女らしいエピソードを披露する。え?どういうことと尋ねる役員秘書に「サヨリってお腹が黒いんですよ、だから腹黒だって」全員爆笑。「あ、笑ってくれたぁ」と役員秘書が店主の笑顔を嬉しそうに指摘する。以前より店の空気が柔らかく解れて、居心地が良くなったことが嬉しい様子だ。

う少し食べたいな。巻き物できますか。ヒモとかいろいろ何でも良いです」一通りのネタを食べ、酒量も進んだのに、食欲も旺盛な酒豪女子。じゃあと店主が供してくれたのは、ヒモ、炙った皮目、大葉など何種類ものネタを巻き込んだスペシャルな巻き寿司。「おぃしい〜♬」とサヨリな彼女が満足気に微笑む。うん、美味しいと目を輝かすアスリート系女子。また笑ってくれたと喜ぶ役員秘書。「二度までですよ」と返す店主。なんだか鮨屋のカウンタが似合う女子たち。こうして独身女子たちとの“すしシングル”な夜は、愉しく美味しく更けて行く。

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SINCE 1.May 2005