10月7日(日)8日(祝)に開催された自由が丘最大のイベント、女神まつりは今年で記念すべき40回め。開催前週にTV東京の人気番組『出没!アド街ック天国』に自由が丘が4回目の登場。ランキング1位は「自由が丘 女神まつり」だったこともあり、イベントと街の情報が満載。番組の効果もあってか、女神まつりは例年を上回る人出。会期中に街を訪れた人は60万人!を超えたという。これは凄い。どう凄いかというと、例えば改札を出られずそのまま帰った人がいたとか、街のMAP付きのチラシがなくなってしまいコピーを配ったとか。そんな伝説が新たにいくつも生まれた。
お気楽夫婦とスカッシュ仲間は南口商店街の本部テントにいた。イベントがある度に本部テントに座り続け、訪れる人をもてなすのが自分の役割だという渡邊元理事長にワインを注がれる。在任中の渡邊さんは、自由が丘商店街を再整備し一段と元気にした街の大御所。温かく飾らない人柄で慕われる人徳者。「あぁ、IGAさん、まぁ座って!飲みなさい」挨拶しようと立ち寄ったテントで捕まった。連れがいると言うと「じゃあ、一緒に座んなさいよ」と意に介さない。4人分のワインが注がれ、飲めない3人の分までひとりで飲み干す。街を愛し、街の行く末を憂う、街を創ってきたダンナ衆の1人。この女神まつりをここまで大きくしたのも彼の功績だという。
イベントを開催している駅前広場に向う。これまた凄い人出だ。このイベントは分刻みで開催され、その運営が実に見事だ。内容も子供向けに井上あずみ、シルバニアファミリー、おタク向けに(?)植松伸夫、女性向けにドン小西のファッションチェック、オトナ向けに織田哲郎などと幅広い。他の商店街なら1本のステージで精一杯であろうクラスのタレントが次々に登場する。これらを仕切るイベント事業部長は、70〜80年代を中心としたロックが流れるBARのマスター。彼の手腕も凄い。そして各商店街毎に開催されるイベントが粒ぞろい。本格的なジャズのステージあり、フラあり、ジャンボ滑り台あり。他の街ならひとつだけでも目玉企画だ。
自由が丘ではなぜそれが実現できるのか。『アド街』のランキング4位になった、“日本一の商店街振興組合”がその答え。12の商店街、1,280店を超える加盟店。そして何より人材だ。後継者不足で悩む店や商店街が多い中、若手の経営者が元気なのだ。その上、メンバーが皆この街を愛しているのだ。これは強い。そのエネルギーが街のエネルギーになる。2012年6月に、自由が丘商店街は都市景観大賞(国土交通大臣賞)を受賞した。長年にわたる街の景観づくりが認められての受賞。イベントを行うだけではなく、地道な日常的努力を積み重ねてできあがった街だ。だからこその街の魅力だ。だからこそこれ程人を惹きつけるのだ。
「やっぱり自由が丘ってステキな街だよね」お気楽妻とスカッシュ仲間が声を揃える。大勢の人で賑わう通りを満足げに眺める。この街に関わりはじめて5年余り。この街に関われることを誇りに思う。そして、この街を愛するダンナ衆たちと一緒に、これからもこの街を元気にする仕事を続けていこう。
■「自由が丘から、ありがとう」女神まつり2011の記事
■「おもてなしの街で」女神まつり2010の記事
■「愛する街のために」女神まつり2009の記事
■「エコな街、ロハスの街」女神まつり200の記事
お気楽夫婦は芝居好き。毎年20〜30本前後の舞台を観る。NODA MAP、リリパットアーミーⅡ、ラックシステム、加藤健一事務所など、毎回欠かさず観続けている劇団がある。けれど好きな劇団の中には、劇団M.O.P.、自転車キンクリート、Piperなど、解散あるいは活動休止してしまった劇団もあり、継続的に新たな贔屓劇団探しをする必要がある。コンスタントに芝居を楽しむために、会場でもらうチラシのチェックは欠かせない。好きな演出家だったり、贔屓の役者が客演するなどの情報を頼りに、新たな劇団や公演を探すことになる。その中には嬉しい“当り”もあるけれど、もちろん“ハズレ”もある。
残念ながら、その日の芝居はハズレだった。その公演の脚本・演出はビッグネーム。日本を代表する演出家の1人。かつての公演にはお気楽夫婦の大好きな名舞台もあった。だからこそ期待して劇場に足を運んだ。けれど、その日は1幕が終わった時に、妻と目が合った。ここで帰る?どうする?と訴えている。そして、阿吽の呼吸で会場を出る。「う〜ん、辛かったね」数年に1度、こうして途中退場することがある。今回の巨匠は長年変わらない自分の演出スタイルに、自ら楽しそうに酔っていた。お気楽夫婦は一緒に楽しく酔えなかった。幸いにして2人の芝居の好みは合致する。何より楽しむために来ている芝居を観続けるのに、苦痛を伴うことは辛いのだ。
気分を変えて、美味しいモノを食べに行こうか!黄昏時の三軒茶屋の街を彷徨う。「ここにあった釣堀はすっかり跡形もないね」ん、確かに。あぁ、この店はまぁまぁ美味しかったね。「こっちの店も長くなったねぇ、頑張ってるなぁ」夜の街をのんびりとパトロール。ふと思いつき、初めての通りに向ってみる。小さなワクワク感。しばらく行くとこぢゃれたワインバル。開放的なテラス席があり、店の奥まで見渡せる。店のスタッフから「こんばんはぁ〜」と声をかけられる。ん、感じの良い挨拶だ。一旦通り過ぎて様子を伺う。何軒かの店を覗いた後「あの店にしようか」と妻。2人の嗅覚を信じて来た道を戻る。経験を重ねた2人の美味しい店選びに大ハズレはない。
そんな2人がテラス席に落着いたのは「La porte du vin」“ワインの扉”という名の店。店の規模の割にはワインが豊富。それにお手頃なグラスワインが何種類も。ふむ。どうやらワインショップが経営する店らしい。すっかり芸術の秋より食欲の秋に傾く2人。シャルキュトリー(肉の加工品)の盛合せのハーフサイズがある。ふむふむ。小食の2人はぴったり。他にもメニューには手頃な価格の小さなポーションの料理が並ぶ。これも嬉しい。椅子から転げ落ちそうになる程に美味しいと叫ぶ料理はないものの、カジュアルな雰囲気に合った柔らかなサービスが心地良い。普段使いに良い店だ。すっかり寛ぎ、良い気分。良い夜だ。良い街だ。大らかな気持になる夜だ。
「三茶も住み易い街だよね」学生時代にこの街に住んだという妻が懐かしそうに呟く。スポーツクラブがあり、映画館があり、劇場があり、美味しい飲食店がある。確かにお気楽夫婦の生活スタイルにはぴったり。「後はマンションを買換える資金があればね」…宝くじはハズレだけ。
暑い夏がようやく終わり、爽やかな風が吹き始めると、あぁ、そろそろだなぁと準備を始める。夏服や扇風機、団扇を仕舞う。毎年開催している「上海がにの会」のお誘いメールを送る。そして、妻の誕生日の企画を考える。誕生日、すなわちひとつ歳を取ることをお祝いすることは、さほど嬉しいものではない。誕生日という誰にも分かり易いきっかけに、誰かにお祝いしてもらえることが嬉しいのだ。結婚周年祝いは各夫婦の関係によって祝ってもらっても嬉しくない?のに比べ、誕生日のお祝いはキラーコンテンツ。もう嬉しい年齢じゃないし、とテレる人は多い。けれど、誕生日おめでとうと言われて怒る人もいないだろう。
ところで妻の誕生日だ。私の誕生日は(妻が泊まりたい)ラグジュアリーホテルに宿泊して友人たちとお祝いすると決めている。それに対し、妻の誕生日は友人たちを巻き込んで、美味しいモノを食べることが恒例。今年はご近所の若き名パティシエ、ル・プティ・ポワソンのマコちゃんと一緒。広東料理Fooで上海がにを味わいつつ、数日前に誕生日を迎えた彼女の分もお祝いしよう!という企画。Facebookが普及して、大勢の友人たちからメッセージをいただくようになったのに加え、誕生日の近い友人たちと一緒にお祝いするということが増えた。これもFacebookの恩恵。
マコちゃんとご一緒することで、今回はもう一つ恩恵が加わった。彼女が作ってくれたオリジナルのバースデーケーキだ。マジパンで作ったIGAピヨコが乗っている可愛いケーキに、Fooのシェフ慎ちゃん(ねもきちくん?)が、デコレーションしてくれた。お気楽妻は満面の笑み。IGAピヨコは本人にそっくり!と言われた私は微妙な気分で苦笑い。作ってくれたマコちゃんは、私とピヨコの記念写真を撮りながら大喜び。*写真は門外不出。とは言え、2人が年齢の離れた姉妹のように、仲良く楽しそうに笑っている風景は、くすぐったいぐらいに嬉しい。羨ましいほど良い誕生日だ。
そして大台まであと1年となったお気楽妻の誕生日はこれで終わらない。翌日、スカッシュ仲間たちと「用賀 本城」に向った。この店で誕生日を祝うのも恒例。妻が目標としている美しく年齢を重ねた先輩女性2名、無事にプレゼンを終えた若き建築家の5人。乾杯の後、それぞれ心のこもったプレゼントをいただく。これまた羨ましい。ところで、誕生日はいつまでも嬉しいよね。歳取るのって楽しいよ…と続けようとする前に「歳取るのは嫌だよ!」と女性たちから一斉攻撃を受け、IGA丸撃沈。この辺りの言い回しが難しい。彼女たちは美しくいるために、水面下できちんと努力している。そして見事に成果が現れている。若々しい、いわゆる美魔女系の女性たち。
「そうなんだよね。誕生日はいつまでも嬉しいし、祝ってもらうのも嬉しいけど、歳は取りたくない」と妻。ふぅむ。この微妙な乙女心は(いくつになっても)デリケート。発言には細心の注意が必要だ。