お気楽夫婦の御用達「さんぱち(38)食堂、他」

Gokinjo1年前、自宅マンションのリノベーションの際に、2ヶ月程中目黒の住民になった。中目黒と言えば、レベルの高い飲食店が多い街。これ幸いと毎晩のように(週末は朝から)食べ歩き、飲み倒した。*もちろん順番は逆で、そのために中目黒を仮住まい先に選んだのだけれど。仮住まいを終え、我が街に戻り、かの街と比べ寂しく思ったものの、ご近所にもなかなか良い店があるではないかと飲み歩く毎日だ。ん?どこに住んでも一緒か?(笑)

Gokinjo2えば歩いて2分程の場所にある「さんぱち(38)食堂」は、定食屋のような名前ながらこぢゃれたビストロ。オードブルの盛合せをオーダーすると、その店の料理の水準が分かる。パテドカンパーニュなど、自慢の料理が少しづつ盛り付けられたこの店の皿は、堂々たる風格。「良いねぇ、この店♬」ある日同行したスカッシュ仲間も満足そうに頷く。スタッフの(イケメン)フランス人留学生を評価している可能性もあるけれど。

Gokinjo3らに近い場所にあるのが、ベルギービールを豊富に揃えたダイニングバー。歩いて数10秒の距離。お気楽夫婦は、この店に来る度に「メガ盛りポテト」をオーダーしてしまう習慣がある。カリッと、サクッと、上手に揚がっているフリッツは、止められず止まらない。ベルギーの白ビール「ヒューガルデンホワイト」の生が実に合う。ぐびっと飲み干して2杯目をオーダー。1杯目はすぐに飲んでしまい、撮影はいつも2杯目。

Gokinjo4のドリンクは辛口のジンジャーエール。大きめの氷と一緒に、わざわざオーダーしなくても、自動的に出て来る仕組み(笑)だ。この店には、他ににもムール貝の白ビール蒸し(もちろん白ワイン蒸しもある)や、フィッシュ&チップスなど、ベルギーのバーにあるようなメニューが揃っているし、ゴーヤチャンプルーのような日本ならではのメニューもある使い勝手の良い店だ。こんな店が近所にあるのは幸福なことだ。

Gokinjo5ぢゃれた店だけではなく、夜な夜な小宴会が繰り広げられるディープな店もある。店名は明らかに蕎麦屋なのに、その実態は夜遅くまで営業している居酒屋。メニューも、板わさ、卵焼き、天ぷらなど、お馴染みの蕎麦前のつまみだけではなく、鯖の塩焼きや刺身まで揃っている。客の大半は(我々のように)蕎麦をひと口も食べずに帰って行く。店内の棚を見ればボトルキープの焼酎瓶がズラリと並ぶ。これは明らかに居酒屋だ。

Gokinjo6気楽夫婦が立ち寄る店は、いずれもこの街ならではの店が多いのだけれど、チェーン店にも嬉しい店がある。その一つが「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」だ。1号店は調布。スカッシュの帰りに頻繁に立ち寄る小さな店だった。それがあっという間に人気が出て、下北沢、明大前、新宿、渋谷、中目黒とお店が増え、何と今や全国で60店舗を超え、我が街にもOPENというスピード出世ぶり。凄い!そして何だか誇らしい。

Gokinjo7しいのは肉汁たっぷりの餃子の味が変わらないこと。山盛りのメンマ、ウズラの卵など、大好きなメニューが引き続きあること。残念なのは「当店の餃子の召し上がり方はご存知ですか…」などと若いスタッフに説明されること。こっちは1号店しかなかった頃から通ってんだ!と思いながら、知ってますと穏やかに答える。よくぞあの小さな店からここまでと、感慨に耽りながら生ビールをグビリ。餃子をぱくり。幸福だ。

Gokinjo8う1軒、最近元気な店がある。数ヶ月に1度、ビストロを名乗る小さな食堂だ。ある日のメニューは「まかないロールキャベツ」と「生ハムとシャインマスカット、ブルーチーズのサラダ」。賄いと巻かないを掛けたメインのキャベツ料理は、常連客の妻にも好評だった。仕事を続けている現在は不定期営業だが、何年か後にはほぼ毎日営業になる予定だ。「ん、良いね」妻の感想は短いが、まぁ良いか。この店が1番の御用達。

待望の一軒「高太郎/渋谷」

Kotaro1がるまで何度電話しただろう。予約の開始は1ヶ月前の13時30分。もしかしたらと事前に掛けても虚しく音声案内が流れるだけ。そして開始時間から何度リダイアルしても、話中の音が聞こえるだけ。かつての「チケット○あ」状態。何十年も前に、ネット予約はおろか、音声自動応答受付もなかった頃、「チケット○あ」コールセンター長だった自分を思い出す。あぁ、あの頃のお客様は、きっとこんな気持で電話を…。(涙)

Kotaro2日かトライし、ようやく電話が繋がった後の店のスタッフの応対は、意外な程にゆったりと落ち着いていた。やっと繋がったのだと伝えると、今ぐらい(夕方)が比較的繋がるんですよとの答え。とは言うものの、1ヶ月先の日程は満席。ところが、その当日を含め何日か空きはあると言う。さすがに当日は無理として、他は予定が入っていた週末。えぇいっ!何とかしよう!と、席を予約。予定を変更し、同行者も確保した。

Kotaro3谷の駅から歩くこと数分。待望の居酒屋「高太郎」は、桜ヶ丘の小さな路地にひっそりと佇んでいた。…と、誰もがこんな描写をしがちだけれど、本当にそのままの風情。この周辺に土地勘があるお気楽夫婦は迷わず行けるけれど、同行のM嬢は「一人じゃきっと来られない!」と言うロケーションだ。店に入るとすぐに厨房とカウンタ席、奥に4人掛けテーブル3つ。和やかで幸福そうな雰囲気に満ち、良い店だと直感させる。

Kotaro4めているだけでも楽しいメニュー。どれにしようかと迷っている絶妙のタイミングで、スタッフから「お任せでいかがですか」と声が掛かる。どうやら客の多くはお任せで料理を頼むらしい。そこで少食なのでと伝えると、ではポーションを小さくしましょうと返ってくる。それは嬉しい。色々試したいし、店のオススメも食べてみたい。「ポテトサラダとメンチカツはぜひ食べていただきたい」とのこと。それでお願いします♬

Kotaro5めに刺身の盛合せ。タコは塩で、カマスはワサビ醤油で、そして秋刀魚は肝醤油でいただく。それぞれのキャラが立ち、魚によって食べ分ける味の組合せも楽しい。これは良い出足だ。そして期待の「燻玉ポテトサラダ」と言う店の名物料理。ポテサラ好き、燻製好き、ゆで卵好きとしては、直球どストライク。これはポーションを大きくするか、お代わりをしたかった。次回にトライしよう。そう、この時点で再訪を決めた。

Kotaro7いのでお気を付けください」と供されたのは、香ばしく、いかにも旨そうな面構えの「チコリとつぶ貝のグラタン」だ。熱々のチーズ香りとチコリの苦味、ツブ貝のコリコリとした感触が良い組合せ。これは良いね。ところで、いったいこの店の料理のカテゴリは何なんだろうと悩む完成度の高い味。そうか、悩むことなどなく、ここはオトナのための美味しい居酒屋だ。美味しい料理、旨い酒、居心地の良いスペース。

Kotaro6ぢんまりとした店だから団体客は入れない。隠れ家風の敷居の高そうな店構えと、そこそこの料金だから、ワカモノには向かない。かと言って気取った料理ではないから気軽にリピートできる。電話さえ繋がれば、だけれど。「メンチカツ食べて初めて美味しいと思ったなぁ♬」もうひとつの名物料理「讃岐メンチカツ」に妻が驚く。揚げ物LOVEの私としては、自分が褒められたように嬉しい。これもまた中毒性のある味だ。

Kotaro8後のうどんまで食べられたね!」少食だと言いながら、シメの(毎日打っていると言う)手打ちのぶっかけうどんを平らげた。さらには、他にもいくつかの料理と、乾杯のビールの後には日本酒を4種もいただいた。どこが少食だ!と言う突っ込みはさておき、料理メニューには他にもそそられるモノがあり、やはりぜひ再訪したい店だ。「うん、また来よう!」と、お気楽妻も納得。では、また頑張って電話しようか。

*スタッフにその先の空いている日程を聞くと、残念ながらいずれも予定が合わず断念したが、1ヶ月以内の空いている日なら店内での予約も可能だ。ご近所にあったら、ヘビーユーザーとして月イチで通いたい店だ。

ガツンと肉、そしてガツンとワイン「ビストロ808-秋」

Bistro808-1週楽しみにしてま〜す♬ワインは宅配便で送りますね」お気楽夫婦の住む街で、お互いに1軒目で飲んだ後に、店を出たところでばったり会った仲間たち。店を出た瞬間に、ん??知ってる顔だ!と目を見交わす。一瞬の後に現実だと分かり、びっくり!迷うことなく一緒に2軒目に繰り出し大酔っ払い。そして翌週、同じ顔ぶれが「ビストロ808」に到着する前に、大量のワインが届いた。どうやら1人2本の計算らしい。

Bistro808-2え撃つシェフ&スーシェフも抜かりない。大酒飲みの上に大食漢のメンバーに、肉料理をガツンと用意しようという作戦。オードブルのパテドカンパーニュを多めに作り、メインはスーシェフ渾身のガツンとローストビーフだ。他にも事前に料理のリクエストが来ており、鯖のリエット(クリームチーズ・バージョン)、グリーンメドレーサラダ(ストウブ蒸し)は必須。そこに季節のフルーツの料理を加えてメニューは完成だ。

Bistro808-3邪魔しまぁ〜す♬」ツワモノたちを迎えるが、最初はお上品な奥さまたちの風情。「スカッシュとトランポリンで汗かいたから、ビールも買って来ました!」と手渡された(1ダースの!)缶ビールで乾杯♬そして「お腹ペコペコ!」との声に、料理の順番を変え、冷やしてあった「カラフルトマトとローズヒップジュレ」を出すと、「うわぁ!キレー!」「美味しっ!」と大騒ぎ。相変わらず反応の良い嬉しいゲストだ。

Bistro808-4し落ち着いたところで、前半のメイン「オードブルの盛合せ」。合わせるのはポルトガルのヴィーノヴェルデ。超微発泡のカジュアルワイン…だそうだ。実はあぁ見えて(笑)ゲストの1人、サダコに変身する奥さまは、ワインコーディネーター。10本のワインを選んだのも、その飲む順番を考えているのも彼女。きっと彼女はワインが好きな余りに、ついつい飲み過ぎて変身してしまうのかもしれない…と思いたい。

Bistro808-6バのリエット、グリーンメドレーサラダなど、リクエストされた料理も好評の内にあっという間に平らげられ、メインのローストビーフ・オニオンソースジュレの登場だ。いつもは薄めに切って何枚か食べてもらうのだが、今回は厚めに切ってガッツリと。すると「あ!あっちの方が厚い!」「へへへ」…子供か!というやりとりの後、「火入れ抜群!」「美味しい!」と絶賛の声。スーシェフもやる時にはやるのだ。

Bistro808-5ぁ〜っ!コンテチーズ大好き!」ズッキーニとイチジクのコンテチーズ焼きに歓声が上がる。私の経験上、ワイン好きの酔っ払いたちにコンテチーズが嫌いなヤツはいない。たっぷりの焦げたコンテチーズの香りで、ワインがススム。さらに、続いて供した「柿とゴルゴンゾーラのサラダ」がワインの消費を加速する。「ワタシ、今年初の柿だ!フルーツとワインって合うよね」胃も肝臓も強いという奥さまのペースも良い感じ。

Bistro808-7トレッチして良い?」と、毎回オリーブオイルの手土産をいただく奥さまが開脚し始めたかと思えば、強内臓系の奥さまが同じ会話を繰り返す。そろそろ皆さま良い感じで酔ってきたぞ!と、ワインコーディネーターの奥さまは?と見ると、すでにサダコが降りて来ていた。ダンナが嬉しそうにサダコ降臨証明写真を撮影する。その彼も「このワイン、空なのに重いよ?」と満杯のボトルを抱えていたことは妻の観察による。

Bistro808-8しく飲んで食べて大笑いした、嵐が過ぎ去ったようなビストロ808営業の翌日、何事もなかったようにグラスは磨き上げられ、皿はキレーに洗われ並べられている。1人酔うこともなく、後片付けをしてくれたスーシェフ、妻の仕事だ。毎度の事ながら頭が下がる。つくづくエライ。そう言うと「ワタシも楽しいし、喜んでもらえると嬉しいしね」涙。翌日の夕食はこれも恒例の、主催者の特権(笑)余りモノゼータクディナー。

の開店は10月頃かな」と嬉しそうに妻が呟く。さぁて、どなたをお招きし、何を作ろうか。ビストロ808は好評ながら不定期営業中。

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SINCE 1.May 2005