サヨナラ夏の日「萬来軒、用賀 本城、他」

IMG_3144 (1)年ほどの厳しい残暑もなくサヨナラも言わず夏が去った。初夏の頃、まだ暑い日が続いている頃だろうと覚悟して予約をしたのに、ご近所の名店「萬来軒」に仲間たちが集まった日には、夏の後姿しか見えなかった。この店で、おぢちゃんが作る絶品四川料理を味わうために20年来集まっている友人たち。おぢちゃんは春先に病気で入院し、しばらく店を休んで初夏に復活したばかり。その日はお店再開のお祝いも兼ねていた。

IMG_3148んじゃうかと思ったよ」闘病生活を冗談混じりで語り、皆で贈ったお祝いの花束を抱えたおぢちゃんと記念撮影。「まだ元気でいてもらわなくちゃ!」「店が再開できて良かったですね」お祝いの言葉を掛けられると、おぢちゃんも照れた笑いを零す。「まだきっと体の中に悪いのが残ってるんだよ」と、相変わらずのおばちゃんの辛口も、痺れる辛さの麻婆豆腐も、健在だ。この店はこうでなくちゃ。次は上海がにの頃に!

IMG_3163日はガッツリ肉を食べようか!」野菜食を優先する妻が珍しくそんなことを言う。今年も夏バテもなく過ごせ、スッキリと秋を迎えることができたから、夏へのお礼参のようなものか。それにしても、彼女の辞書には夏バテという文字はない。ちなみに、秋も冬も同様で、春の忙しさにさえも負けることはない。つくづくタフな女性だ。そんな彼女がガッツリと肉を食べるというのだから、そのタフさ加減はきっと無敵で素敵だ。

IMG_3164タン塩、上カルビ、ロース…、少食の2人がガッツリと言っても、せいぜい食べるのはそんないつもの3品に豚カルビを追加するぐらい。そしてナムルの盛合せ(これが抜群に旨い)、サンチュで野菜摂取も忘れない。「冷麺も行っちゃおうか!」絶好調だ。生来の身体的(と精神的)な強さに加え、この夏もリゾートでたっぷり静養したが故に、心身共に万全なのだろう。満腹の私をよそに、にこやかに冷麺を啜る妻は余裕の笑顔だ。

IMG_3170ぎ行く夏を惜しむ恒例のイベント、「用賀 本城」で鮎尽くしの会も今年で6回目の開催だ。今年は5名の参加。リゾートでのんびり読書をしていた時、何か忘れているぞ!と閃いて、慌てて女将さんにメッセージを送った。「うわっ!ヴァカンス中に鮎からウチの店を思い出すなんて(笑)ゆっくり休めてますか?」そんなメッセージが返って来た。のんびりと本を読んだり、楽しいことを考えることがヴァカンスなのだと返す。

IMG_3178して待望の開催当日、ひと足早く到着した私は、女将さんとリゾート談議。彼女たちも翌週から遅いヴァカンスなのだ。「ほんと、IGAさんは人生楽しんでますねぇ」いやいや、妻と共にただお気楽なだけ。そして、肝心の鮎料理と言えば、ウルカと骨の素揚げから始まり、刺身、塩焼き、唐揚げ、梅煮、鮎飯といつも通りの季節の味。今年の目玉は琵琶湖名物の鮒寿司ならぬ鮎寿司。オトナになってよかったとシミジミ。

IMG_3199ぇ〜、さっぱり♬」前日に友人たちを招いてビストロを開店、深夜まで楽しい時間を過ごした。とは言え、料理の準備から後片付けまで、心地いい疲れも少々残っている。だったらお風呂か?と温泉に出かけ…る時間はない連休最終日の午後。だったらお隣の駅にあるスーパー銭湯か?と、お気楽温泉旅に出かけた2人。休日とあって混んではいたものの、湯上りにはすっかりリフレッシュ。冷えた生ビールが実に旨い。

IMG_3200ゃあ、私はソフトクリームでも食べよっかなぁ〜っ♬」ほぼスッピンの妻が嬉しそうに売店に向かう。そう言えば去年の夏からソフトクリームが食べたい!と言いながら実現していなかったはず。2年越しの夏休みの課題終了?「そうだった!やっと食べられた!」間も無くお彼岸。秋も深まって行く。お気楽夫婦の夏を締め括る日々がこうして過ぎて行くのだった。「次は沖縄だ!」あ、そうだった。…秋も同様の2人だった。

美し街を食べ歩く「龍景軒(LUNG KING HEEN) 香港」

HongKong1港に滞在している間、お気楽夫婦はほとんどホテル内で過ごす。出かけるのは昼食前後の街歩きだけ。それも香港島側に宿泊していることもあり、九龍側に出掛けることはほぼ無い。20回以上の香港渡航歴の中で、佐敦、油麻地、旺角など主な街は一度は訪れているとは言え、行動範囲は極めて狭い。本土から観光客が押し寄せ、地下鉄の混雑がハンパ無いことが出不精の理由のひとつ。その点、香港島には便利なトラムがある。

HongKong2環(セントラル)から上環(ションワン)にかけて、最近話題のOTC(オールドタウン・セントラル)と呼ばれるエリアがある。お気楽妻は「ちょっと行ってみたいんだよね」と、今さら観光でもなかろうと渋る私を引っ張り街歩き。昔ながらの街並みと露店が並ぶ坂道、建物の壁に描かれたアート、お洒落なギャラリーなど、古の香港と現在、東洋と西洋とが交錯する不思議な雰囲気に満ちた街だ。「香港ぽくって良いね」と妻は満足気。

HongKong3皮焼鵝(ガチョウのロースト飯)を食べたいんだよね」と宣う妻。香港で毎回ご所望になるのが、街のB級グルメ巡り。「それもホテルで出すようなヤツじゃなくて、街の小さな店で食べたいんだよね」というのが、彼女の求める香港ランチ飯のシチュエーション。彼女自身が作成した行きたい店の(長〜い)リストを眺め、この店と第二候補はこの店かなとお目当ての店を地図に示す。了解!と地図を頭に入れて街に出る。

HongKong4列の長さに1軒目の候補は早々に諦め、再興燒臘飯店(Joy Hing Roasted Meat)という店に向かう。やはり人気店で行列ができているけれど、地元客が多く回転は早そうだ。はい、次は2人?奥に行って!と広東語で捲し立てられ、相席のテーブルに付く。指差しで、皮焼鵝と海老ワンタン麺をオーダー。期待通りにチープに旨い。「美味しいね〜♬楽しい〜ねっ♬」笑顔が溢れ、歌ってしまいそうな妻。香港LOVE♡

HongKong5日は龍景軒だぁ〜、久しぶりだね!」2人のもうひとつの例外的な外出は「龍景軒(LUNG KING HEEN)」での夕食。ちなみに前年の11月以来の訪問だから、約半年ぶり。海外のレストランで、それを久しぶりと言うかは定かではない。香港滞在中、ランチとディナーの2度は訪れたいと、何ヶ月も前から予約を入れる妻。店のスタッフ、ジャッキー君とメールでやり取りをする、予約の時点からもう既に楽しそうだ。

HongKong6の店の夜メニューで外せないのが、茹で海老。色鮮やかなプリプリのエビをワシっと掴み、エビ味噌をチュッとしゃぶり、ツルッと皮を剥き、カプッとかぶり付く。手の汚れなど気にせずに一気に食べる。これがお約束。そして焼き物。ローストグースも良いけれど、この日はバーベQポーク。カリカリの皮とジューシーな肉、甘辛いソースと相まって、思わず妻とこれだよね!と互いに微笑み合ってしまう味。

HongKong7ンチメニューのお約束は、腸粉(チョンファン)とアワビのパフ。いずれも毎回オーダーする2人の大好物。そして忘れていけないのは、タロ芋のコロッケ!香港ではどの店でも供される一般的な料理だけれど、この店の上品で美しいカラッとした衣と、中の焼豚餡のバランスは絶品なのだ。因みに、この料理を日本の中華料理店(横浜中華街でも)では滅多にお目にかかったことがない。だからこそ香港に行くと食べたい一品だ。

HongKong8して、2人にとって香港の味と言えば、これ。海老ワンタン麺。プリプリの海老ワンタン(なぜかどの店でも麺の下に沈んでいるのが不思議だけれど)と、緑鮮やかなシャキシャキの芥藍(カイラン)だけと言うシンプルな麺。2人がゴム麺と呼んでいる独特の食感の香港麺と、干しエビのダシが効いたスープがたまらなく香港。この旅の間だけでも4杯も食べた2人の常食。「あぁ、また食べに行きたい!」と妻が宣う。同感。

…と言うことで、今回の香港の旅を終えた2人は、すぐに次回の香港行きの計画を立てるのだった(笑)。

I’m Home!ただいま!「グランドハイアット香港」

GrandHyatt1の島から香港国際空港に到着すると、ホームタウンに帰って来たようでホッとする2人。いつものように空港内の7−11で青島ビールを買い込み、タクシーに乗る。湾仔(ワンチャイ)、Grand Hyatt Hotel、プリーズ。ドライバーにそう告げるのは私の役目。海外での英会話は妻の役割だけれど、何度言ったか分からない、このセリフは譲れない。香港に帰って来たぞ!という宣言。数えれば今回でGH香港に12回目の滞在だ。

GrandHyatt2クシーを降り、フロントをスルーして、いつものように30階のグランド・クラブのラウンジでチェックイン。「Wellcome back!Mr. & Mrs.IGARASHI!」と迎えられ「I’m Home!ただいま!」と応える。ところでスタッフがアップグレードとか言ってなかった?ハイアットのポイントでエグゼクティブ・ハーバー・スイート(65㎡)にアップグレードしていたことかと思いつつ部屋に入ると、サプライズが待っていた。

IMG_2933室内に入ると廊下が続き、コーナーに椅子、左に折れると大きなダイニングテーブル、そして2面コーナーの大きな窓があるリビング、隣にはベッドルームに続き大きなバスルーム!なんとそれは予約していたスイートの更に上のヴィクトリア・ハーバー・スイート(90㎡)だった。10滞在目なのでリムジンで空港までお送りしますと言われた前回の滞在に続いての嬉しいサービス。これでますます部屋でも楽しく過ごせそうだ。

GrandHyatt3朝、待望のクラブラウンジへ。ヴィクトリアハーバーを見下ろすこの風景の中で、ゆったり朝食を取るのが香港でのお約束。「Good Morning!Welcome back!」顔なじみのスタッフたちから声がかかる。「Tea or Coffe?」いつも妻はコーヒー、私は紅茶なのだけれど、これは覚える気がないようだ。「帰って来たって感じだね」コーヒーを飲みながら、妻は実に満足気。「今日は何を食べようかな」とメニューを眺める。

GrandHyatt4食ビュフェが充実している上に、その日のスペシャルメニューとして麺粥や卵料理がチョイスできるのがこのラウンジの嬉しいサービスなのだ。搾りたての生ジュース、新鮮な野菜サラダ、ハム、パリパリのデニッシュ。これが私の朝の定番。普段は食べないデニッシュも、ここでは毎朝2つも食べる。小ぶりで美味しいのだ。そして皮蛋、ザーサイやピーナッツなどをトッピングした中華粥。あぁ、今すぐ食べたい!そんな味。

GrandHyatt5足の朝食の後は、ジム&プール。たっぷりストレッチをした後に、1時間ほどクロストレーナーで走って汗を流し、気が向いたらウェイトトレーニング。そしてシャワーを浴びながら洗濯。ロッカールームにある(水着用)脱水機をこっそり使う。*部屋で乾かすためにはこれが大切。そしてプールでガシガシとは泳がず、プールサイドでのんびり過ごし、部屋に戻って読書。これがいつもの2人の午前中のスケジュール。

GrandHyatt6る日のランチは、せっかくだからとダイニングルームで。メニューはホテル自慢のハイナンチキンライス。ホテル1階にある「グランドカフェ」には専用のコーナーまであり、次々にオーダーが入る人気の料理だ。「ん。やっぱり美味しいね」シンガポールのグランドハイアットで、まだ日本では珍しかった20年近く前に初めて食べた際の「んっ、んまい!」と食べた衝撃の味が蘇る。そのレシピを香港でも再現しているのだ。

GrandHyatt8して夕刻。待ってました!の、わんこシャンパンの時間だ。馴染みのスタッフ(スコット)がニコニコと近づいて来て、TWOシャンパン?と尋ねる。妻はスパークリング・ウォーターだ。これも覚える気は無いようだ。オードブルがまた豊富で美味しいから困る。「モア シャンパン?」とスコットが注ぎ足すから困る。少食の2人はここで満足し、外に夕飯を食べに行けないのだ。…こうして香港の日々が過ぎて行く。

002290951

SINCE 1.May 2005