Happy Wedding!「プロスカッシュプレーヤー松井千夏」

Chinatsu1Chinatsu2のスカッシュ人生の前半は、皆さんと一緒に過ごした用賀のクラブでした」千夏ちゃんの挨拶は、そう始まった。大勢の招待客を招いた結婚式と披露宴の翌週末に、プロスカッシュプレーヤー松井千夏の結婚を祝うささやかなパーティが開催された。彼女の挨拶通り、日本スカッシュの広告塔として長く活躍してきた松井千夏のスカッシュの原点であり、学生時代から初めて全日本を制した頃まで、彼女のホームコートだったクラブで共にスカッシュをプレーした仲間たちが集まった。披露宴での笑顔も美しかったけれど、その日の新婦はリラックスした実にいい顔をしていた。「千夏もオトナになったな」そんな軽口も飛び出す和やかな会に、新郎の清水くんもすぐに溶け込んだ。

Chinatsu3Chinatsu42001年夏、お気楽夫婦は千夏ちゃんと共に香港にいた。香港に長期滞在しトレーニングを積んでいた彼女が出場した香港OPENを観戦(残念ながら本戦に出られなかった彼女の試合は観られなかったけれど)し、一緒に食事をした。当時の千夏ちゃんにはマンゴーブームが訪れており、メインの料理よりもデザートのマンゴープリンに目を輝かせていた。その年の秋、全日本スカッシュ選手権で初優勝。当時、最年少でのチャンピオンだった。その後、長く師弟として共に歩んできた山崎コーチ(お気楽夫婦のコーチでもある)の元を離れ、現在の所属チームで全日本通算4回優勝、ファイナリストになること12回、日本を代表するプレーヤーとなり、マスコミにも多く登場した。

Chinatsu5Chinatsu6女はコートの中でずっと輝いていた。いつも真剣な目でボールを追っていた。その美しいフォームはエンジョイスカッシュプレーヤーであるお気楽夫婦の憧れだった。松井千夏は、スカッシュを愛し、楽しんでいることが周囲に伝わるプレーヤーだった。マスコミに登場しアイドル的なアスリートとして取り上げられたのも、自己顕示のためではなく、スカッシュを一人でも多くの人に知ってもらうため、興味を持ってもらうためだった。山崎コーチから離れてしばらくは、会う機会も減ってしまった期間があったけれど、お気楽夫婦はずっと彼女のファンとして応援し続けて来た。とは言え、せいぜい試合の応援をしたり、一緒に美味しいモノを食べに出かけるくらいのもの。

Chinatsu7Chinatsu8報告と相談があるんですが、ご都合いかがですか」そんなお気楽夫婦に千夏ちゃんからメッセージが届いたのは冬の終わり頃。すると、この夏に結婚するので式に出席して欲しいという嬉しい報告と(フラワーコーディネーターのスカッシュ仲間に)パーティ用のブーケを作って欲しいとの依頼だった。喜んで!と乾杯し、お祝いにフカヒレをしこたま食べた。そして初夏の頃、婚約を祝って「ビストロ808」にご招待。たまたまその直前に彼女のブログで結婚を発表したばかりというタイミング。ネットで「スカッシュ界のマドンナ結婚!」と大きく報道され、我が家の前では見知らぬ人から「スカッシュの人だ!」と言われたという。改めて彼女の果たして来た役割を実感。

Chinatsu9Chinatsu10婚式当日、千夏ちゃんのドレスと共に、お気楽夫婦はブーケに注目し続けた。白のドレスにはカサブランカ、ティファニーブルーのドレスにはスカッシュラケットのブーケ。ドレスに良く映えて素晴らしい出来だ。隣に座るスカッシュ仲間もホッとした様子でワインを飲み干す。他のクラブのメンバーが作ったスカッシュボールを模した胸章や、2人の似顔絵イラストなど、細部まで心配りとアイディアが溢れ、豪華な会場の中にも手作りの温かさが感じられる良いパーティだった。千夏ちゃんも終始“公の笑顔”が素晴らしく美しく、スポンサー企業の方々も出席する中、いい意味でプロとしての自覚を持った花嫁の佇まいだった。

ロスカッシュプレーヤー松井千夏は、新たなステージに立った。結婚を機に、良き家庭を築く為に互いに支え合い、可能な限り試合に出続けると思う。スカッシュに関わり続けると思う。千夏ちゃんに試合で勝利する女子選手は現れたけれど、彼女のようにNEWSになる存在は現れてはいない。スカッシュの魅力をより多くの人に伝え、後に続くプレーヤーの目標となり、憧れの存在になる。彼女の役割はまだまだ残っている。お気楽夫婦は、そんな松井千夏を応援し続けます♡

美味の宿「TOBEオーベルジュリゾート」

Auberge1Auberge2Auberge3ーベルジュとは、宿泊することができるレストラン。すなわち、食がメインの宿泊施設。けれど、「TOBEオーベルジュリゾート」は、オーナーの越智さんがブライダル業からスタートした経歴の持主ということもあり、その施設はオーベルジュの範疇に収まらない。レストランやフロントがあるメイン棟の上階には、驚きのブライダル施設があった。敷地の高低差を利用し、湖を見下ろす絶景の式場、2つのパーティ会場が見事に配されている。「ここでパーティやりたい!」妻が思わずため息をついた。パーティ会場のデッキからは噴水が目前に眺められ、春には桜色に溢れたスペースになるらしい。ん、パーティやりたいね!

Auberge4Auberge5Auberge6ーベルジュリゾートの顔、レストランも絶景。湖に面した場所にカウンター席とオープンキッチンを配し、料理人の仕事と湖を共に眺めることができるレイアウト。案内された中央のカウンター席に座ると、目の前に噴水という絶好のロケーションだ。そこに「本日の食材をご案内させていただきます」と、目の前に登場したのはアコウ(キジハタ)や、アワビ、伊予牛など、愛媛自慢の野菜や魚介オールスターズ。新鮮な野菜も元気そうで、見た目に力強さがある。開演前の舞台挨拶で、役者たちをひと通り眺める気分。これらが果たしてどんな形で供されるのか。食事を始める前のワクワク感が増し、期待が高まる演出だ。

Auberge7Auberge8Auberge10べることがリゾート滞在の主題、すなわち“ハレの食事”の演出は料理の盛付け、皿の選択にも施されていた。料理を目で楽しみ、味わって楽しみ、空間を味わい、会話を味わい、時間を慈しむ。アミューズのトマト、続くアワビも満足の味。そして大皿に盛り付けられた愛媛の山海オールスターズは、それぞれが絶妙なポジションに配され、柑橘系のソースを纏って登場。食材の味を引き出すために、塩味は抑え目。飲んべの私にはやや物足りず、飲まない妻にとっては絶妙な塩加減の模様。この前菜がこの店のウリとのことだが、好き嫌いが分かれる皿かもしれない。魚、牛とメインの料理も見目麗しく、美味しい皿が続く。

Auberge13Auberge14Auberge15ザートは愛媛の柑橘類をふんだんに使った一品。どこまでも愛媛LOVE♡。満足感を抱えて部屋に戻ると、ダイニングテーブルの上に、何やらメッセージとフルーツを持った皿がのっている。メッセージは手書きで、“夜食”を用意したとある。ん?見ればヒノキで出来た二段の長い箱がある。開けてみると、小さな手毬寿司のようなプチおにぎりが2ケ、小鉢と一緒にちんまりと収まっている。何種かのフルーツは氷で冷やされ、きちんとフルーツナイフが添えてある。日本旅館のようなおもてなしに感激。冷蔵庫に入っていた白ワインのハーフボトルを開け、心尽くしに感謝しつつ、妻と乾杯。実にいい宿だ。

Auberge16Auberge17Auberge18食は昨夜と同様にレストランのカウンター席で。爽やかな朝の空気の中で、まずはフレッシュなジュースをグビリ。野菜サラダをパクリ。んまい。目の前で焼いた何種類かの野菜、ソーセージの盛合せをいただく。さらにはデザートに桃のコンポート。どれもがカウンタの向こうの調理スタッフから供される。このライブ感溢れる朝食コースはすごい。ゼータク。小さな規模のホテルだからこそ可能なサービス。美景の宿「TOBEオーベルジュリゾート」は、期待通りに、そしてオーベルジュの名前の通りに美味の宿でもあった。 *オーナーの越智さん、お世話になりました。またぜひ伺います!

美景の宿「TOBEオーベルジュリゾート」

TOBE1TOBE2TOBE3ッスン休みだし、どこか行こっ」お気楽妻の週末は、スカッシュのレッスンが最優先事項。そのレッスンがないと分かると、すかさず旅に出よう!とスイッチが入る。どうやら、旅好き、ホテルマニアの血が騒ぐらしい。期限切れになる直前のマイルを使い、航空券の予約が取れる空港と、行きたいと思っていたホテルのリストを照らし合わせる。すると、松山空港と羽田往復、「TOBEオーベルジュリゾート」という組合せを選ぶことができた。伝説の“蛇口からみかんジュース”販売機がある松山空港から、まず鯛そうめんと鯛めしを食べに「五志喜」という郷土料理の店に向かい、“名物に(も)旨い物あり”の結論を得る。

TOBE4TOBE5TOBE6部焼で有名な砥部町にある「TOBEオーベルジュリゾート」は松山から車で15分。市内まで迎えに来ていただいたオーナーの越智さん(開業前に日本各地のホテルを泊まり歩いたらしい)とホテル談義をしながらリゾートに向かう。通谷池の湖畔に建つホテルは広大な敷地を有し、レストランとブライダル施設のあるメイン棟と、客室とエステルームがある宿泊棟に分かれており、両棟間はスタッフがカートで送迎してくれる。まるで東南アジアのリゾート気分♬バーカウンターと兼用のフロントの向こうには、湖の象徴となっている噴水(水質保全という名目で、民間で初めて認められた湖水の噴水だとのこと)が美しい。

TOBE7TOBE8TOBE9内されたのは、「こぶし」という(なぜかアップグレードしていただいた)スイートルーム。「小さなホテルなのに何号室では味気ないので、全室花の名前を付けました」と越智さん。湖に面した方向は全てガラス窓と扉。湖の周辺は先人たちが桜や紅葉となる広葉樹を交互に植えてくれたお陰で、春も秋も客室から見事な眺めになるのだという。客室のレイアウトやデザインはシンプルながらスタイリッシュ。床や家具の木目と、漆喰の白が柔らかな雰囲気を醸している。ベッドルームと一体になったダイニングスペースの縦格子戸の奥は、なんと洗面、トイレ、シャワーブース、バスタブが機能的に配置された水回り設備だ。

TOBE10TOBE11TOBE12わぁ〜!ステキ❤️」普段はテンションが低い妻が、MAXの感嘆符を飛ばす。バスルームの大きなガラス扉を全開にすると、半露天風呂になる仕掛けに感激の模様だ。「これなら外の温泉に行かなくてもいいね」チェックインの後に近くの温浴施設に行く予定を取り止め、部屋に籠ることにしたらしい。広いウッドデッキのバルコニーに出ると、同じ材を使ったデッキチェアが2台、湖に向かって並んでいる。スモークガラスの手すりを通して、寝転んでいても湖を眺められる。広い部屋の幅いっぱいに広がったデッキは清潔感に溢れ、実に清々しく、風呂上りにビールを飲むのにぴったり。この酷暑の時期でなければの話だが。

TOBE13TOBE14TOBE15めが美しいこのリゾートは、細部まで拘った客室の備品も美しい。けれども、必要以上に自己主張せず、気づいた時にハッとさせられる仕掛けだ。例えば、部屋の名前の“こぶし”が、至る所に配されていることに気付いたのは、部屋をひと通り眺めた後だった。桐の箱に入った宿泊約款の皮の表紙を開くと、こぶしのイラストと春夏秋冬の周辺散策のメッセージが描かれている。洗面ボウルの排水栓にもこぶしが描かれ、部屋の角コーナーに置かれたスタンドのランプシェードにも。そして、それらが全てオリジナルの(リゾートに10室ある客室の、10種類の備品を全て陶工に依頼して作った)砥部焼というのが素晴らしい。

TOBE16TOBE17TOBE18イングラスやタンブラーなどが収められているケースはライトアップされ、それぞれのデザインもおしゃれ。ビールもグラスで味が変わる。この客室のグラスは、思わず飲みたくなるデザインだ。さっそく風呂上りに、小川糸さんの『たそがれビール』を読みながら、「道後ビール」をいただく。至福の時間だ。夜、デッキに出て灯りをつけた部屋を眺め、その美景にため息を付く。何ともべっぴんな部屋だ。そして、翌朝のデッキからの眺めに再び嘆息。対岸にある「えひめこどもの城」というドイツの古城を思わせる建物や周辺の木々が湖に映り込み、朝ぼらけの空と共に、何とも美しい1枚の絵になっている。

TOBEオーベルジュリゾート」は、客室の内も、外の眺めも美しい“美景の宿”だった。「桜の季節とか、紅葉の季節に来てみたいね」と妻。彼女のさっそくの再訪宣言は、かなりお気に入りの証拠。了解。では、次回はぜひデッキでビールが美味しく飲める季節に!

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