ノスタルジーだけではなく「それぞれの同期会、同窓会」

60−1Same2暦祝いのご案内」昨年秋、そんな封書が届いた。発信元は中学の同級生。え?1年早いんじゃないか?2月生まれの私は、年が明けても59歳。60歳は翌年…ん?お〜っと、殆どの同級生たちは60歳になるのか。驚いた。たかだか1年の違いでも、まだ先だと思っていた分、あっという間に歳をとった気分。何せ、還暦だ。子供の頃、母方の祖母の還暦祝いを盛大にやり、小学生だった私が(余興として)音楽に合わせて踊ってウケた記憶がある。その頃の祖母と言ったら、どこから見ても正しい昭和の“おばあちゃん”だった。う〜む、あの歳か。と、参加してみたら個人差はあるものの(笑)みんな若々しい。好きだった子(笑)に30歳過ぎの子供がいたりするのもご愛嬌。楽しい会だった。

Same3Same4卒で入社した某百貨店の同期会のお誘いが来るのもここ数年のこと。わずか数年在籍しただけだから退職後30年以上経っているのだけれど、連絡をもらえるのが嬉しく、いそいそと出かけて行く。顔と名前が一致せず困惑したり、会社の現状の話題になると聞き役になることもあるが、気にしない。入社当時は想像もできなかったが、同期メンバーも店長になったり、人事部長になったり。現在の立場で仕事をしている姿は目に浮かばないが、入社当時のエプロン姿や青いエピソードは鮮明に覚えている。退社してそれぞれが別の仕事をしていても、入社間もないフレッシュな時間を共有した仲間たち。今年は入社35年になるから盛大にやるぞ!と幹事役が張り切る。これも楽しい会だ。

Same5Same6同窓会やります!」と、年末にメッセージが来たのは20年近く在籍したP社のかつての部下から。メインゲストの1人が還暦で、本人には小ぢんまりとした飲み会の態で呼んであるが、実は50人を超えようかというメンバーが集まるのだという。お気楽妻と共に会場に行ってみると、懐かしい顔が勢揃い。退職後10年以上経っていることもあるけれど、それ以前に辞めたメンバーも多く、2度と会えないかと思っていた方にも会えた。イベント好きの会社だったP社。会の企画も、進行も、盛り上げ方も手馴れたもの。あぁ、これが30年前のP社だったなぁと感慨深く、実に楽しい。当時よりずっとオトナになったとは言え、当時20代、30代だった頃のノリ。タイムスリップした数時間。

Same7Same825周年、ホントに企画していただいて嬉しかったです。ありがとうございました!」20年近くスカッシュのレッスンを受けている山ちゃん(山崎貴行コーチ)に、真顔で言われたのは去年だった。彼が学生時代から始めたスカッシュレッスンの25周年という節目に、何か企画しようとレッスン仲間から声を掛けられ、血が騒いだのは前職のP社のDNAだったのだろう。男女の元日本チャンピオンを含め、50人を超えるレッスン生を集め、盛大に開催できた。スカッシュという共通言語はあるものの、年齢も、仕事も、スカッシュのキャリアや上手い下手も関係なく、山ちゃんの教え子の謂わば同窓会。コーチである“先生”の方が、半数以上の生徒よりも若いという、愉しい会だった。

Same9年、やっぱりやろうかな。そう言うと、お気楽妻が「どうかな」と返す。自分の還暦を友人たちと一緒に祝いたい、お気楽妻との25周年(入籍からではなく)を結婚パーティと同じ「パークハイアット東京」で祝いたい、というのが私の望む企画。う〜む、やっぱり難しいか。還暦だから、ぐるっと廻ってゼロクリアということで、60歳までの自分の生前葬のつもりで…。「分かった。どうしてもやりたいんでしょう?」諦めたように妻が言う。ん、昔を懐かしんだりするだけではなく、これまでの好誼に感謝し、まさしく現在(いま)を楽しみ、ゼロから始める新たな人生で、これからもよろしく!と友人たちに伝えるために。*ホントに企画します♬*もちろん結婚パーティの時のように、シャンパン飲み放題で!(笑)

ありふれた、ありがたい日常「義父母との日々」

Hamamatsu1Hamamatsu2母が逝き、妻の故郷である浜松に2人で暮らす義父母だけが、お気楽夫婦の両親となった。妻は一人娘。離れて暮らす父母を気にかけ、年に数回は故郷に向かう。春の浜松祭りの頃、秋の連休、そして年末年始が恒例。その度ごとにムコ殿である私も同行。マスオさんに徹し、妻のサザエをサポートする。年末年始のルーティンは、新幹線の車内宴会からスタート。品川駅で買い込んだオードブルを肴に、ビールと缶コーヒーで乾杯。妻の故郷に向かい、マスオさんになるための通過儀礼のようなもの。いつものハレの儀式。*この儀式は年末年始に限ったことではないけれど。浜松に着いた翌日は、大掃除、浜松のスカッシュ仲間たちとの打ち納め、そして両親との忘年会というのがお約束。

Hamamatsu3Hamamatsu4‘16年の忘年会は、義母の喜寿のお祝いを兼ねてカニ尽くしの宴。食が細い2人のために、品数が少ないコースで予約。それでも、カニ刺し、カニすき、焼きガニ、カニ寿司などがひと通り味わえるお得なコース。そしてデザートが出てきた頃合いを見計らって、こっそり持参してきたプレゼントを贈呈。バラの包みのタカシマヤ♬の箱の中は、深紅のバラのプリザーブドフラワー。花屋を何軒も探し回り、ようやく巡り会えた納得の一品だ。「わぁ〜、キレーだね。ありがとう♡」花を育てるのが大好きだった義父母。一軒家からマンションに引っ越した後は、鉢植えの花を育てながらも、億劫になってきた気配もあった。これなら暖かな部屋の中で花を愛でられる、というチョイスだ。

Hamamatsu5Hamamatsu6末年始の大事なお約束がもう一つ。年末のご近所温泉旅行。日頃はほとんど外食もせず質素に暮らす義父母が、年に1回だけのささやかな贅沢として、娘と一緒に宿泊することを楽しみにしているのだ。宿はいつもの「ウェルシーズン浜名湖」という洋室がある温泉ホテル。加えて今年はバリアフリーの客室をチョイス。大浴場などの館内の各施設へのアクセスも良く、膝が悪い義母の負担も軽減できる。この宿の予約と宿泊代の支払だけは、敢えて義父母にお任せ。チェックアウト後にありがとうとお礼を言えることがお互いにきっと嬉しいのだ。そして、私の年始のお楽しみである「割烹 弁いち」のお節料理はお気楽夫婦が支払う。このバランスがマスオさんとサザエの気配り。

Hamamatsu7Hmamatsu8旦の午後、同窓会に参加するため一足先に東京に戻る。車窓に余りに見事な富士山が現れ、思わず撮影。富士山好きの義父母に見て欲しいからとお気楽妻に画像を送る。独りで眺める富士が“家族の富士”になる。富士の名は“不尽”に通じ、その大きさや美しさが尽きないという意味であり、“不二”とも呼ばれ、2つとないほどの山という意味になる。誰もがその姿を見れば、そんな気持になる。自宅に戻り、デパ地下で買ってきたオードブルを、せめてもと小さな器に盛り付け並べてみても、独りで味わう食卓は淋しい。お気楽妻と共に義父母と過ごす年末年始の時間は、毎年同じように過ぎて行く、ごくありふれた日々。けれども、とてもありがたい時間なのだと実感する。

と何年、こうやって年末年始を一緒に過ごせるかなぁ」お気楽妻が零すことばは、実の親のことだけに遠慮がなく、リアリティがあり、切実でもある。だからこそ、マスオさんはサザエさんと共に浜松を訪れる。可能な限り。彼らがお気楽夫婦の記憶の中にしか住めなくなる前に。私の父母が住む場所を訪れる前に。

酔い年をお迎えください♬「馴染みの店たち、その2」

Tetra1Tetra2日はNO残業DAYなんです。行きます!」桜上水の「魚の寄り処 てとら」に行かないかというメッセージを送ると、肉部の部長からすぐに返信があった。「てとら」は店名通りに魚と肴が美味しい、居心地の良い小料理屋。年末にご挨拶に伺うべき店の1軒だ。残業で遅いお気楽妻を待つ間、おやぢ2人でサシ飲み。福を呼ぶ酒「赤福助」を温燗で飲みつつ、絶賛婚活中の彼の近況を聞く。「うまいっすねぇ」ん、来年は福を呼ぶ歳になると良いねとぐびり。刺身をツマミに「万齢」をぐびり。遅れて登場した妻と乾杯!「惣邑」をぐびり。体重減を祝って「みむろ杉」「達磨政宗」をぐびり。この店は日本酒のラインナップも豊富で嬉しい。今年も美味しく飲ませていただいた。

Asign2Asign1しい!ご一緒します」友人夫妻と行くはずだった芝居のチケットが、友人妻の急病のため宙に浮いた。アクティブでフットワークが軽く、芝居に興味があって…と代打候補を探して同行することになったのは、前職で一緒だった(当時の)社長秘書嬢。会場は下北沢のスズナリ。「リリパットアーミーⅡ」の『天獄界』という30周年記念公演だ。終演後、シモキタで芝居と言えば、いつもの泡盛BAR「Aサインバー2号店」に向かう。「あ、今日も芝居の帰りですか」と店主に迎えられる。いつものようにオリオン生をぐびり。料理のオーダーもいつも通り。クーブーイリチー、カリカリポーク…。2杯目は泡盛。その日の気分は瑞泉のロック。芝居の余韻と共に3杯目は…と深酒。

Ichigo1Ichigo2末のスカッシュレッスンの帰りに立ち寄ったのは「鮨いち伍」。年末のご挨拶は欠かせないお気楽夫婦御用達の寿司屋。というよりは、この店以外の寿司屋にここ数年は行ってさえいない。そう言えば去年のクリスマスイブには、敢えてこの店に来たのだった。メリークリスマ寿司。クリスマスイブにウチで良いんですか?と大笑いしたその日の大将の笑顔が忘れられない。良いんです。カウンタのみ8席だけの小さな店。基本的にはお任せ。何も聞かれずに、寿司台に優しく置かれる見目麗しい握りを心踊らせいただく。どのネタにも丁寧な仕事が施され、ネタによって柚子と醤油、煮切りなどを纏っている。繊細で美しく旨い寿司。そんな至福の時間を味わえることに感謝。

Honjoh1Honjoh2賀 本城」もお気楽夫婦にとって大切な店。本城さんが二子玉川の「たん熊北店」にいらした頃から、10年以上のお付き合い。この夏には、本城ご夫妻(ご夫婦揃って下戸)が沖縄に行くとのことで、後輩夫婦が経営するカフェ「サンスーシィ」を紹介させていただき、美味しかったと喜んでいただいた。秋には恒例(4年目)の鮎づくし。大切な友人たちを誘って開催するイベントになった。そして年末のご挨拶は、酒豪女子と母上とご一緒に。毎年のように2人で旅行をする仲良し母娘。京料理の名店「用賀 本城」は、京都好きでもある彼女たちとご一緒するに相応しい店だ。その日もセイコ蟹を始め、冬の味覚を堪能した。また来たいわ!というご母堂のことばが最大の賛辞。

…と、あっという間に年末。挨拶すべき馴染みの店は全て訪れた。そして仕事納め。ふぅ。それでもまだお気楽夫婦にとって、年末に最も大切な“仕事”が妻の故郷浜松で待っている。地元のスポーツクラブの仲間たちと“スカッシュ納め”を行い、義母の喜寿のお祝いの宴、そして義父母と共に年末の温泉旅行という一年を締めくくる恒例のイベントだ。さらには、大晦日に「割烹 弁いち」のお節を受け取れば、2016年が終わる。今年もいつものように良い年であり、酔い年だった。多くの店に、友人たちに感謝。来年もどうか良い(酔い)年となりますように♡

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SINCE 1.May 2005