祝♡10周年「ショコラティエ・ミキ」

Mik1Miki2歩中のご近所で、その小さな店を発見したのは偶然だった。裏通りからさらに入った袋小路に面するマンションの1階。袋小路の入口に看板がなかったら素通りする場所。そのマンションの一室のドアを開けると、すぐに店。と言うよりも、その玄関先の1/2坪程度のスペースが小さな小さなショコラトリーだった。オーナー兼ショコラティエのミキちゃんが接客までする、先客がいるとドアの外で待たなければいけない、自称“世界で一番小さなチョコレートショップ”だった。そして数年後、駐車場を改装した新店をOPEN。店内のエアコンまでもチョコレートカラーの、それでも2坪弱の小さな可愛い店。

Miki3Miki4る年はパリで開催される「サロンドショコラ」に出店するというミキちゃんをお祝いした。後日、その際に空輸したボンボンショコラがダメになり、代わりにご主人が急遽オランジュを抱えてパリに飛んだというエピソードを聞いたこともあった。彼女が主催するお酒とショコラのコラボレーションイベントに、彼女のショコラが大好きな友人と一緒に参加したこともあった。彼女に紹介された焼き菓子の店「ル・プティ・ポワソン」を訪ね、妻はその焼き菓子の味に惚れた。その2人と一緒に食事をしたり、カラオケに一緒に行ったりと、すっかり友だち付き合いをしていただき、はや10年。…だという。

MIki5Miki6る週末、10周年のお祝いを抱えて役員秘書と3人で店を訪問。お祝いに選んだのは10本のピンクのバラ。ミキちゃんが好きそうな鮮やかな色。すると出産以降、店では会えなくなったミキちゃんが店にいた。なんてラッキーなタイミング。「IGAさぁ〜ん、会えて良かったです」彼女の創るショコラのように甘い声。さっそくお祝いの花束を渡す。「美しいっ。ありがとうございます」あの小さな店からスタートして10年。お気楽夫婦が知るだけでも、実にいろいろなことがあった。ミキちゃんが体調を崩したこともあった。新作のボンボンショコラの味が決まらず悩んだこともあった。「そうでしたねぇ」

Miki7MIki8「あ、今朝椎名林檎の曲がかかって、IGAさんのこと思い出したんです」ミキちゃんに思い出してもらえるなんて嬉しいね。そう言えば、カラオケに一緒に行った際に、彼女が椎名林檎を歌ったのを褒めたことがあったのだった。「紅白を視ながらIGAさんのことを思い出しますね」ふふふ。オヤヂ転がしのミキちゃんに乗せられ、チョコの大人買いだ!友人たちにプレゼントのオランジュと何種類かのボンボンショコラを購入。開店当時と比べ、ボンボンショコラの種類もずいぶん増えた。「こちらをお持ちください」10周年の記念ショコラをいただく。「きゃあ!嬉しい♡」役員秘書が感激の声をあげる。

Miki9Miki10後の晩餐じゃないけど、死ぬ間際に何を食べたいって言ったら、ミキちゃんのチョコなんだよね」とお気楽妻。「きゃあ!嬉しいです」そんなやり取りをしつつ、年末のご挨拶のハグをして別れる。「たくさんのお客様に支えられて、…10周年を迎えることができました。…召し上がった方が、その瞬間、少しほっとして、幸せになっていただけるようなショコラを作れたらと…」そんなミキちゃんのメッセージが入った10周年の記念ショコラ。10年間変わらない彼女のチョコに対する愛情、周囲に対する感謝と気遣いが溢れたミキちゃんらしい文章だ。極めようとする彼女のスタンスも変わらない。

せになるよね、やっぱり。ミキちゃんのショコラは♬」ミキちゃんのメッセージ通りに、お気楽妻が幸せそうにボンボンショコラを味わう。気温が上がる夏の間、ショコラのコンディションを考慮し、3ヶ月以上も休業するこだわりのショコラトリー。自分の子供のように優しく愛情いっぱいにショコラを扱うショコラティエ。繊細でおいしく美しいショコラ。彼女のメッセージに答えたい。こちらこそ、今後とも幸福のショコラをよろしくお願いします。

那覇ぶらぶら旅「やちむん通りとマチグヮー、桜坂」

Naha1Naha2縄最終日の朝、やちむん通りをのんびりと歩く。“やちむん”とは、焼き物のこと、そして那覇市壺屋地区を中心に焼かれていたやちむん(陶器)が、壺屋焼。登窯などを使って焼かれた伝統的な焼き物は、沖縄県で初めての人間国宝となった金城次郎さんの作品で有名だ。線彫双魚の皿や抱瓶などの複製を飲み屋でもよく見かけることがあるはず。国道330号線(ひめゆり通り)から壺屋大通りに入るとすぐに、やちむん通りの案内板と東ヌカー(東の井戸)がある。そこから裏通りに入り、改修中の新垣家上焼東ヌ窯(あがりぬかま)を横目に路地を散策。工房だけではなく、石敢當(いしがんどう)があったり、シーサーが門の上で睨んでいたり。そんな昔ながらの風情が残る古い町並みをそぞろ歩く。しばらく行くと「てんぷら坂」という小さな坂道に出る。

Naha3Naha4縄戦の直前に壺屋の住民が大きな防空壕を掘り、多くの人が助かったという場所。その複数あった防空壕の入口を利用して“てんぷら屋”が何軒もできたことに由来する名前だという。今でも「てんぷら坂」という、そのままの名前の店が1軒、長閑な風情で営業している。モズクの天ぷらでもつまみながら、オリオンビールをぐびりと飲みたい店構ながら、まだ午前中ということで断念。うな垂れて足元を見ると、“うふシーサー”が描かれたマンホールの蓋がある。“うふ”とは、大きいという意味のウチナーことば。そういえば、壺屋地区近くに巨大なシーサー像があった。探してみると他にもブーゲンビリアなどを描いた鮮やかな蓋があちこちに点在する。そんなマンホールの蓋を探しながら、いつの間にか迷宮のような商店街に入り込んでしまった。そこは…。

Naha6Naha5名な牧志公設市場辺りから続く「平和通り商店街」だった。ウチナーのおばあが好んで着そうなワンピースを売っている店あり、自炊設備付きのゲストハウスあり、お気楽夫婦の琴線に触れるディープな街並みがアーケードの下に続く。「ひやみかちマチグヮー館」という既に何語か分からない名前のビルがある。調べてみると、市場近辺の街を賑やかして応援するというイベントが盛んに行われている建物らしい。そしてそんな昭和な商店街に続くお目当の桜坂へ。そこは原田マハの『風のマジム』という作品に登場する場所。そんな坂の途中に実在する「桜坂劇場」の1階には、物語の中で重要なエピソードの舞台となるカフェバーがある。そう、聖地巡礼。建物の中の古本屋には大島弓子や萩尾望都など、どストライクのラインナップ。何だかいいなぁ、ここ。

Naha7Naha8ぁさんですよ、富士家ってお店知ってますか。冬でもかき氷がまぁさん(美味しい)さぁ」*てーげーなウチナーグチです。すいません。タクシーの運転手さんにそう聞いた店が那覇で滞在したホテルの近くにあった。沖縄最終日のランチはそこだ!と決めていた。交差点の角。周囲を圧する派手な外観。店内は清潔感溢れ、かつオシャレ。古いミシンを使ったテーブルや壁のオリジナル標語パネルが印象的。若いスタッフたちはクールなのに愛想良し、居心地も良し。モダンウチナー、平成の沖縄の香り。オーダーしたのはトラディショナルなタコス、カーリーフライ、三枚肉そば、そしてコロナという王道メニュー。*残念ながらかき氷はオーダーする勇気なく断念。ん、どれもきちんと美味しい。オールド沖縄を現代風にアレンジしたバランスが絶妙な店。この店好きだな。

縄、かなり楽しかったなぁ♬」お気楽妻がシミジミと呟く。ん、実にいい旅だった。東南アジアのリゾートばかりに目を向けず、国内も見直すべきだなぁと反省。泊まりたいと思うホテルも増えているし、元々サービスのレベルも高いし、食事は美味しいし、何より日本語が通じる(笑)のが嬉しい。日本各地の風土や文化に触れる旅、次はどこへ行こうか?「香港行く?」え?

ゼータク観光ハイヤーの旅「美ら海水族館・中城城跡、他」

Okinawa1Okinawa2縄は以外と広い。けれど、空港と那覇市内を結ぶ「ゆいレール」以外に電車の路線はない。とは言え、どんな島に行ってもホテルに籠り、ほぼ観光なしのお気楽夫婦。普段は空港とホテルの往復の送迎を気にすれば良く、特に問題はない。だが、久しぶりの沖縄でどうしても行きたい場所があった。前回の沖縄本島訪問の際にはまだ新館が開館していなかった「美ら海水族館」だ。那覇からは90km、宿泊したホテルからでも30km以上の距離がある。さあて、どうしようか。日常的に運転しないから、レンタカーはNG。ホテルからバスなどを乗り継いでも時間のロスが大きい。結局、ホテルから観光ハイヤーという選択となった。昼食時間の効率化のため、事前にチェックしたパン屋(人気の理由がわかる美味しさ!)でサンドウィッチを買い込み、北に向かう。

Okinawa3Okinawa4宇利島に立ち寄ったり、備瀬のフクギ並木を見学したり、黒塗りのハイヤーで本部半島をぐるりと廻る。今帰仁(なきじん)出身だという運転手さんにガイドしてもらいながらのゼータクドライブ。時間効率も良く、国道58号線は鹿児島から奄美諸島や海の上(笑)を通り那覇まで続くのだと教えてもらったり、という楽しい行程。美ら海水族館は期待通りに素晴らしく、ジンベイザメが泳ぐ“黒潮の海”水槽の前では時間を忘れ、巨大で幻想的な青い世界を見入った。それ以外のコーナーも展示方法は実に細やかに工夫されており、魅せて飽きさせない。「ウミガメ館」では空いていることを良いことに、ディズニーランドのタートルトークごっこ。アトラクションのキャラクター「クラッシュ」を真似て辛口トーク炸裂。ディズニーシーには行ったこともない2人なのに。

Okinawa5Okinawa6日は名護のホテルから那覇に向かう、連日のハイヤードライブ。2日目ともなるとすっかり慣れて、ゼータクをしてしまってスマンスマンと詫びる気持も薄まる。後輩たちのカフェでランチをする前に立ち寄ったのは中城(なかぐすく)城跡。2000年に首里城跡、今帰仁城趾などと共に“琉球王国のグスク及び関連遺跡群”として世界遺産に登録され、2006年には「日本100名城」にも選ばれた美しい城だ。琉球石灰岩を積み上げた城壁は見事な曲線を描き、海を望む南東の方角は切り立った断崖、北西側は急勾配という地形を活かした山城。東側に中城湾と太平洋、西側には東シナ海の眺望が見事だ。何層にも連なる城郭の入口は狭く、精巧なアーチ門となっている。室町時代の頃から築き始められたというからその歴史は古く、戦禍による被害が少なかったことが何よりだ。

Okinawa7Okinawa9里城跡の見学を経て、那覇到着後は「沖縄県立博物館・美術館」へ向かう。「おもろまち」という新都心地区と呼ばれる一帯の象徴的な建築物。グッドデザイン賞、日本建築学会作品選奨などを受賞している、城壁のような外観を持つ特徴的な建物だ。内部のデザインも細部まで丁寧に計算されており、案内ボードやポスターなどのレイアウトも美しく見やすく心地よい。元々「大英博物館」や「アメリカ自然史博物館」「スミソニアン博物館」など、博物館好きの2人は迷わず博物館を見学。地形学的に独自の生態系が残る南西諸島の鳥類(ヤンバルクイナ)などの展示や、沖縄の民俗風習資料の展示をじっくりと見て回る。ニライカナイ信仰から琉球王朝、アメリカ統治下など、それぞれの文化が実に興味深い。と、いつの間にか閉館時間。またいつか来ようか?

しかったねぇ♬」普段の旅は滞在型で、あまり観光地を周ったりすることはない。特に南(主に東南アジア)の島ではホテルに籠り、空港との往復以外は街に出ることもない。元々沖縄料理やエイサーなどの沖縄の文化に興味があったから、ということもあるけれど、滞在する島の文化を知ることもまた愉しいことだ。「また観光ハイヤーで周るのかなぁ」そこかっ。お気楽妻の、お気に入りの旅のスタイルが、新たに生まれてしまったウチナー(沖縄)の旅だった。

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SINCE 1.May 2005