オトナの修学旅行「長野編」

Nagano1Nagano2野にもぜひおいでよぉ〜」つくばに住む友人を訪ねようと共通の友人と日程調整をしたところ、お気楽夫婦の都合が良い日程は、ちょうど彼女が長野に帰省しているタイミングだと分かった。「IGA−IGAたちをお連れしたい場所、いっぱいあるなぁ。車で案内しちゃうよ!」う〜む。だったら長野にも行っちゃおうか?1998年に長野で開催された冬季オリンピックの際に何度か出張して以来、2人とも長野を訪ねる機会がなかった。故郷長野LOVEの友人と一緒に、彼女のオススメの場所を巡るのも楽しそうだ。*お気楽夫婦に“社交辞令”は通じない。すぐにその気になり、具体的な計画を立ててしまうからご用心。よしっ、16年ぶりの長野、行っちゃえ!と長野(北陸)新幹線に乗り込んだ。

Nagano3Nagano4光寺は初めてだぁ」新装なった長野駅に迎えに来てもらい、ホテルにチェックインの後、さっそく参道を歩き国宝善光寺へ。無宗派であること、山門の額の文字に5羽の鳩が隠れていることを聞き、全く明かりのない本堂の下を手探りで進むお戒壇巡りを体験するなど、観光ガイドさながらの友人の案内で境内を歩く。参拝後、門前の老舗七味店「八幡屋礒五郎」でオリジナルの味をブレンドしてもらったり、宿坊街や酒蔵を案内してもらったり、すっかり修学旅行モード。翌日の戸隠神社参拝は、車で訪ねられる中社だけでなく、片道2km、往復1時間の奥社の参道を歩くという本格的な行程。樹齢400年の杉の巨木が並ぶ参道は圧巻。神々しい風景の中で、厳かな気持ちになる時間だ。

Nagano5Nagano6拝トレッキングでお腹が空いた頃には、戸隠名物の蕎麦が待っていた。戸隠神社の周辺には蕎麦畑が広がり、蕎麦屋が軒を連ねている。その中の1軒、友人オススメの「そばの実」という店へ。天ざる、そば三昧(3種の蕎麦ツユが楽しめる)、おろし蕎麦を3人で食べ比べ。蕎麦や天ぷらの美味しさはオススメ通りで、中でも香り高い胡桃ダレの蕎麦ツユが絶品。こざっぱりとしておシャレな店内の雰囲気も良く、接客レベルも高い、また訪れたいと思わせる良い店だった。その後、雨雲に隠れた「北信五岳(妙高山、斑尾山、黒姫山、戸隠山、飯綱山)」の美しい山容を想像しながらドライブ。サンクゼールの丘(ワイナリー)、小布施の町並みなど、友人オススメの観光コースを巡る。

Nagano7Nagano8れてる時にまた来て!見て欲しかったな。キレーなんだよ、山並みがね…」愛する故郷の風景を我々に見せられなかったことが心残りの友人と一緒に、旅の締め括りは長野名物「馬刺し」がウリの「長野といえば、バニクマン」で打ち上げ。雨女と自称する友人のパワーは強く、旅の道中ほとんどが雨。けれども、雨ならではの雰囲気ある景色も味わえたし、何より寺や神社の参道が空いており歩きやすかった。そして目の前の料理(馬刺しの5点盛り!や信州味噌を使ったバーニャカウダなど)も、信州の利き酒も、どれも美味しいよ、そう言っても残念そう。心底、地元NAGANO♡LOVE。だからこそ伝わった。楽しかった。好きになった。良い街だった。

しいなぁ。帰っちゃうんだぁ」そう言われてもなぁ。長野駅でハグをして、それでも別れがたく、お互いが見えなくなるまで手を振る。ありがと。友人の地元愛に感化され、地元愛のガイドに案内され、またすぐにでも行きたくなった。長野LOVE。「でも、イナゴも、ザザムシも、ハチの子も食べないよ!」と妻。良いさ。長野滋味珍味を食べなくても良い。また訪れよう。彼女がおススメの長野に。

鮎尽くし2016「用賀 本城」

Ayu1Ayu2城です。IGAさん、今よろしいですか」その日の朝、思いがけない人からの電話。何事だ。「今日の鮎なんですけど…」と、言い淀む本城さんの暗い声。その日は恒例の「本城 鮎尽くし」の日。まさか鮎が届かなかったか。最悪の状況を想像し身構える。「鮎がちょっと弱ってましてね、お刺身ではお出しできそうもないんですよ」と、最愛の飼犬の命が尽きそうなのだとでも言うように、本城さんが悲しそうに続けた。なぁんだ。良かった。そう言えば、昨年の鮎尽くしの会では、大きなボウルの中で跳ねる鮎を、テーブル席の我々にわざわざ見せに来てくれたんだった。「では、絞めてしまいます。代わりの料理考えますわぁ」残念そうに、そしてちょっとホッとした様子で電話を切る本城さん。そうか。もしかしたら彼が一番楽しみにしていたのかもしれない。

Ayu3Ayu4尽くしの料理を「用賀 本城」でいただき始めたのは3年前。鮎好きのお気楽夫婦。いつか新橋の「鮎正」で鮎尽くし料理を食べてみたいのだと話題にしたところ、「ウチでやりましょか」と神の啓示のような本城さんのひと言がきっかけ。2回目からは友人たちをお誘いし、数えて今年で4回目の開催。京都(たん熊北店)を出てからは鮎尽くし料理はやっていなかったという本城さん、どうやら我々の予約を毎年心待ちにしていただいている気配。京都の料理人の血が騒ぐらしい。晩夏の頃、一般河川では鮎の産卵の季節、落鮎の頃。そして、成魚でも小ぶりの琵琶湖の「小鮎」。それらを料理によって使い分ける。鮎尽くしの前に、イチヂク、生麩などの彩り鮮やかな京料理の小鉢がいくつか供され、鮎のカルパッチョ(!?)から鮎尽くしがスタートした。

Ayu5Ayu6の肝を石で焼く本城さん。香ばしい匂いがカウンタ席に漂う。香りだけで日本酒をぐびりと飲めそうだ。ところで、カウンタ席に友人たちと5人は不自然かとも思うが、厨房での本城さんの所作を眺め、会話を楽しみながら、出来上がっていく料理を楽しむにはベストの席。お茶目な本城さんがポーズさえ取ってくれる。そして、潤香(うるか)と干し鮎の炙りに焼いた肝添えという、日本酒がススんでしまう最強の肴でぐびり。続いてメインの塩焼き。かりかりジューシーで淡白な身と、ほんのり苦味を楽しむ腹を一緒にかぶり付く。頭から食べられるこの大きさが鮎の塩焼きにはぴったり。日本人として生まれ、この味を美味しいと思えるオトナになったことを幸福に思うひと時。日本っていいなぁと、『和風総本家』のフネさんのナレーションが聞こえてきそうな味。

Ayu7Ayu8鮎の梅煮も鮎料理の王道。もっちりと膨らんだお腹の卵、ほろほろと柔らかい鮎の身を一緒に味わう。梅の身の酸味が程良く効いた上品な甘さ。肝の苦味とはまた違った鮎の旨味や舌触りを楽しむ。「次はお食事で、鮎ご飯です。デザートはどうされますか」すでに満腹中枢からSOS信号が発せられている私を除いて、全員がいただきます!との返事。元々酒を飲まないお気楽妻と、ご飯も甘いものも大好きな役員秘書は言うまでもなく、アスリート女子は風邪をひいていたり、翌日に大事なプレゼンがあるとの若手(でもなくなってきた)建築家は酒を控えめということもあり元気に食べ続ける。特に役員秘書は「ん〜、私もお腹いっぱいだけど、お代わりください!」と鮎ご飯を平らげる。気持ちの良いコメ食いっぷり。メンバー全員での撮影もお茶碗を抱えて(笑)。

日も美味しかったです。ご馳走様でした!」メンバーが声を揃える。その日も本城さんや女将さんと話しながら、いつの間にか最後の客となり、お2人に見送られて店を出る。こうして鮎の季節が終わり、すなわち夏が終わってしまった。すっかり恒例となった鮎尽くしは、夏の終わりと秋の到来を実感するイベントになった。また来秋、こうやって友人たちと一緒に訪れ、行く夏を惜しみ、季節の移ろいを味わいたいものだ。「またすぐに秋を味わいに来るよ!」お気楽妻は夏を惜しむ余韻よりも、目の前にある秋の味が優先だ。

秋の新作メニュー登場♬「ビストロ808」

80818082日、スカッシュ終わったら飲みに行かない?」ワイン好きなスカッシュ仲間からお誘いがあったのは夏の初め。そしてスカッシュを再開した作曲家の奥さま、スカッシュを始めたばかりの若手女子という女子会に参加。恋の話、夢の話、好みのタイプの話で盛上がり、家事全般が得意で料理が好きな私が褒められ…という流れで、同じメンバーをビストロ808にお誘いすることになった。(乗せられた?)日程が決まり、メニューはこれから考えると参加メンバーにメッセージを送ると、妻から「初秋メニューですな(^^)」とプレッシャーがかかる。栗、キノコ、秋鮭…秋の食材、何にしようか。この季節、そう言えば亡き祖母が甘露煮を作っていたなぁと、甘い香りとともに思い出す。夏から秋にかけて出回る食材、夏果と秋果があるイチジクに決定。

80838084花果(イチジク)を中心に秋のメニューを考える。イチジクは生ハムとは相性ぴったり。シャインマスカットとブルーチーズを加えてサラダにしよう。これで彩りも鮮やかな女子受けする1品が決定。他には定番のキャロットラペをメインにクリュディテ、お約束のパテドカンパーニュはオランジュソースを添えて、メインの牛肉のタリアータはシャインマスカットソースで決定。大まかなメニュー構成ができれば、準備できたも同様。食材の買い出し、事前に作り置きして味をなじませる料理は保存容器の中でスタンバイ。すっかり慣れたものだ。「きゃぁ〜っ、ステキ♡」初来店の2人を迎え、まずは店内の見学ツアーを開催。とは言え、狭い店内。あっと言う間にご案内は終了。ゼータクにもさっそくご持参いただいたヴーヴクリコで乾杯♬ん、んまい♡

80858086部手作りですか?こんな料理、自分で作れるんですね」サバのリエット、タコとオリーブのトマト煮など、やってみれば簡単な料理。けれど盛付けなどのちょっとした演出で美味しさは倍増する。それに加え少しでも美味しいモノを作るために、日々外食という辛い修行をしているのだよ、と嘯くけれど妻に一笑に付される。事実ではある。もちろん決して辛いはずはないけれど。楽しく美味しく食べた料理を再現する…まではいかないまでも、目指すモノの近くを彷徨うことはできる。自分なりのアレンジが閃くことがある。「ズッキーニとイチヂク、合うねぇ。美味しいっす」ワイン好きのスカッシュ仲間にお誉めいただいたのは、コンテチーズと一緒に焼き上げた一品。この料理も基本のレシピを一度事前に作って試し、お出しできるレベルになった料理。

80878088をもうちょっと飲みたいね」持ってきていただいたワインはすっかり飲み干した。白ワイン好きのシェフの店には、残念ながら赤のストックはない。「じゃあ、私ひとっ走りカルディで買ってきます」と若手女子。「だったらこれで買って来て!」ゲストの奥さま2人がほぼ同時に1万円札を手渡そうとする。うはは。さすがだ。5本目のワインが空になる頃、妻秘蔵のナッツやチョコレートが供される。6本目のワインは冷蔵庫に残っていた飲みかけの白ワイン。「ホントにどの料理も美味しい!IGAさんを若くしたみたいな人、どこかにいないですかね」と、若手女子。このままぢゃダメなんかい!と突っ込もうにも、明らかに私は彼女の父親くらいの年齢。自覚が足りない。「ホントですよ!」笑顔が、笑い声が続く。皆んな楽しい酒だ。いい酒だ。

日はステキな時間をありがとうございました。楽しくておいしくて、最後の方は記憶がありません(汗)。また伺わせてください」記憶ないんかいっ!「楽しかった〜!こんなに幸せで良いのかしら」良いんです。「毎回美味しいものをありがと。感謝感激です。褒めまくるので、また呼んでね」翌日、そんな嬉しいメッセージが届いた。自分たちもたっぷり楽しんで、ゲストに喜んでいただける。良いね。これだからビストロ経営(してないけど)は止められない。次回は冬の新作料理で!

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