スカッシュで繋がる、スカッシュで拡がる「紫玉蘭、他」

SQ1SQ2気楽夫婦がスカッシュに出会ったのは1996年頃。約20年前。それ以来、同じスポーツクラブで、スカッシュのレッスンで、あるいは大会で対戦したり、何人ものスカッシュ仲間と友人になった。何の仕事をしているかとか、年齢とかは関係なく、ただひとつスカッシュが好きということで。例えば、酒豪女子とは同じジムのコートサイドで出会い、いつの間にか最強の飲み友達になった。その日も都心で開催されたスカッシュの大会を一緒に観戦し、その後に「紫玉蘭」という中国飯店系の店へ。試合の感想もそこそこに、冷え冷えビールで乾杯。中国飯店系列の店ではこれでしょ!という黒酢酢豚を堪能。もちろんその後は、紹興酒への道を突き進む。彼女と飲む酒は実に旨い。

SQ3SQ4カッシュを始めた頃に、当時通っていたスポーツクラブで出会ったのは、日本でも指折りのスカッシュおたくMくん。ラグジュアリーホテル好きでもあるご夫婦とは、六本木のグランドハイアットで偶然一緒になり(同じ日に宿泊してた!)、香港OPEN観戦でもご一緒した。さらには美味しいモノ大好きな彼らとは、年に何度か「あの店に行きたい!」という店を選び、一緒に食事をしている。その日は彼らのおススメの広東料理店「瑞雪」。食いしん坊の彼らが何度か訪問し気に入った店だという。だったら間違いない!という期待通り。鮮魚の姿蒸し油がけは絶品。彼らの早めの夏休み、これからやってくるお気楽夫婦のヴァカンス話で盛り上がる。彼らとの食事は実に楽しい。

SQ5SQ6本チャンピオンとの距離が近いのも、競技人口が少ないスカッシュの良いところ。全日本スカッシュ選手権で4度の優勝を誇る松井千夏ちゃんとは、彼女が学生の頃からのお付き合い。一緒にスカッシュをした時間よりも、一緒に食事をした時間がはるかに長い。その日は前月に開催した「山崎コーチ就任25周年パーティ」出席のお礼と、前週に終わったばかりの大会(準優勝)の慰労を兼ねた食事会。一緒にパーティの幹事を務めたワイン好きのスカッシュ仲間と神泉にある「遠藤利三郎商店」へ。「パンお代わりして良いですか。料理も美味しいです♬」パン好きの千夏ちゃんが唸る。「ねぇ、次は何飲もうか」ワイン好きのスカッシュ仲間の目が輝く。彼らとの食事は実に嬉しい。

SQ7SQ8テキ!ステキ!」その日が誕生日だという若手女子が歓声を上げる。彼女とスカッシュのつながりは後付け。ワイン好きのスカッシュ仲間がとある店で飲んでいるところで出会い、すっかり意気投合。その後スカッシュに誘ってご一緒している仲らしい。そんな若手女子の誕生日を一緒にお祝いしようと、お誘いを受けた。久しぶりにスカッシュを再開し、すっかりハマったという作曲家の奥さまもご一緒に。恋の話。夢の話。好みのタイプの話題。すっかり女子会。そこにオヤヂひとり。いつもの構図。「何だか皆さんとってもステキで、会社で自慢しちゃいます」デザートプレートに書かれたHBD!のメッセージに感激の若手女子が興奮気味に語る。こんな出会いも実に嬉しい。

気楽夫婦にとってスカッシュとの出会いは、ずっと続けたいと思えるスポーツとの出会いでもあり、スカッシュというスポーツを通じて繋がった友人たちとの出会いでもある。“オトナ”になってからの出会いは、価値観や興味の対象がはっきりとしているから分かりやすい。仕事が絡まない関係だけに余計な気遣いがいらず、同じスポーツを愛するという共通項は互いを惹きつけ、年齢を超えた友人関係を生むことができる。スカッシュで拡がった友人の環は大切な財産だ。さらには、妻と一緒に続けることができることも大切な要素。「70歳までスカッシュやるよ!」と妻。と、すると後わずか12年。もっと続けられそうな気がするし、もっと続けたいぞ。スカッシュ。「じゃあ、80歳まで?」それは、どうだろ?

薬食同源「用賀 本城」

Honjo1Honjo2だ会社なので、本城さん到着が遅れちゃうし、今日はちょっと体調悪くて。トホホ…」同行予定の役員秘書から連絡が入った。「用賀 本城」は2009年春に開店して以来、年に数回通い続けている大切な店。店主の本城さんとの出会いは、彼が「たん熊北店二子玉川店」の店長だった2006年だから、数えてみれば10年を超えるお付き合い。そして、この店に最も多くご一緒しているのは、おそらく役員秘書だと思われる。妻の誕生日を他のスカッシュ仲間とお祝いしたり、開店早々に3人で訪問しお祝いの胡蝶蘭を分けていただいたこともあった。そんな彼女に慌てずにおいでと返信する。

Honjo3Honjo4ゃー!素敵。流れ星☆彡?七夕?」先付けの皿に盛られた料理を見て、遅れて到着した役員秘書のテンションが上がる。続いて涼しげな鱧の湯引き。深めの器に氷を敷き、その上に鱧とポン酢ジュレ、梅肉ソース、花付き幼果キュウリが添えられる。「関西の夏だねぇ」妻もうっとり。ごりっごりっと本城さんが他の客の鱧の骨切りをする音が心地よいBGMだ。煮アワビは豆豉入り。和食に豆豉とは珍しいけれど、本城さんの食材の組合せは大胆で絶妙。続いて、お気楽妻には生牡蠣の生海苔ジュレ乗せ。生牡蠣が食べられない役員秘書と私には、蟹味噌付きの茹で毛ガニ。くぅーっ!んまい。

Honjo5Honjo6牡蠣美味しい〜っ!生海苔のジュレがいい香り♬」お気楽妻が自慢げに微笑む。大好きな生牡蠣だけど、どんなに新鮮でも、何度食べても当たってしまう。そして何度当たっても食べてしまい、その度に後悔する。仕事を辞めるときに、オイスターバーで心ゆくまで食べてやる!と決めている。「舶来の松茸です」本城さんが笑顔で椀物の説明をしてくれる。鱧の脂と出汁が沁みた冬瓜が旨い。「やっぱりどれも美味しいね。何だか元気になってきたぁ〜」役員秘書がしみじみと呟く。笑顔が柔らかくなり、目の輝きがいつも通りになってきた。本城さんの料理は薬膳ではないけれども、良く効く。

Honjo7Honjo8身の皿には車海老の握り。少食の3人には絶妙な量。ひとり飲み続ける身には、焼き物の盆に乗ったサザエ、ノドグロ、小鮎の一夜干しとうるかが感涙もの。ついついもう1本と酒を追加。開店当初より日本酒の種類も増え、季節限定の酒もメニューに載るようになった。飲んべとしては嬉しい限り。「今年はどちらに行かはるんですか」本城さんに夏休みの予定を尋ねられ、妻が嬉々として答える。「今年はどこにしようかとIGAさんのサイトでホテルを探したんですけどね」女将さんも会話に入る。彼らはIGA-IGA.comの読者でもある。結果、沖縄になったとのことで、おススメの店をご紹介。

Honjo9Honjo10撮りしますよ」いつものように最後の客となり、他の客がいなくなったのを良いことに撮影大会。「今年は鮎はどうされますか」と、恒例の鮎尽くし企画の話題となり、もちろんお願いしますと即答。今年はH部くんにはリベンジをしてもらわねば、などと。その後、女将さんもご一緒に、お二人の出会い、女将さんの某社勤務時代のエピソードなどを伺いながらデザートをいただく。こんなお付き合いも10年以上。ありがたいことだ。「居心地が良いから気持も安定するんだよね」役員秘書からそんなメッセージが届いた。美味しい食事、居心地の良い空間、楽しい時間は何よりの薬だ。

すっぴん訪問可♬「イル・パッツィーノ」

IlPa1IlPa2職の後輩夫婦が沖縄に移住し、5年ほど前にオシャレなカフェを始めた。「琉球甘味 サン スーシー」という、北中城にある人気の店。ある日、その後輩(夫)のFacebookの書き込みに、「久々の東京でイルパッツイーノの濃厚トマトウニソースタリアテッレ」という一文が。あれれ?ウチの近所の、あの店か?思わず彼のタイムラインに書き込んで確かめると、まさしく“その店”。その上、シェフのお姉さん(ホール担当)が高校の同級生の奥様なのだという。あらら、それは奇遇。「IL Pazzino イルパッツイーノ Cucina Italiana イタリアの厨房」は、昨年夏にOPENしてから何度か伺ったお気に入り店。地元世田谷の野菜を使ったサラダやパスタ、ドルチェが美味しい店だ。

IlPa3IlPa4る週末、ご近所ジムで汗を流した後に「イル パッツイーノ」に向かった。その日のオススメはムール貝と岩牡蠣とのこと。どちらもいただきます。店のオススメには素直に従うお気楽夫婦。ムール貝はたっぷりトマトとパセリ、ニンニクと一緒にバターで炒め、岩牡蠣(妻のみ)はオリーブオイル掛け。んまい。ビールをぐびぐび。トレーニングで汗を流した後だから、あっという間に飲み干し、キリッと冷えたワインにすすむ。ムール貝を食べ終えたとことろで、シェフから残ったムール貝のスープでリゾットにしましょうか?と尋ねられ、ぜひ!と即答。だったらオーダー済みのパスタはなしで良いですね、と細やかな気配りが少食の2人には嬉しい。でも、商売っ気のないシェフ。

IlPa5IlPa6、やっぱりこの店の野菜は新鮮でシャキシャキ美味しいわ♬」世田谷野菜のグリーンサラダを頬張りながら、お気楽妻が微笑む。彼女がこの店を気に入っている理由は元気な野菜。サラダ好きのお気楽妻は、レタスなどの葉野菜の鮮度で飲食店の食材に対する拘りを見極める。葉の縁が茶色く変色している店は、食材の回転が遅かったり、作り置きをしている場合があり、他の食材に関しても信頼が置けない。逆に、瑞々しくフレッシュな野菜を使っている店は、野菜以外の他の食材も信頼できる、というお気楽妻の法則だ。なるほど、確かにサラダの水ナスやレタスが歯ごたえ良く甘いだけでなく、ローストビーフの肉もジューシーで柔らか。食材の良さを楽しめる。

IlPa7IlPa8真撮るよ、とスマホを向けると、「すっぴんだけどね。ま、いっか」と鷹揚にカメラ目線になるお気楽妻。ご近所のお店の良さは、気取らずに普段着で、すっぴんで出かけられること。カジュアルな普段遣いの店で、美味しいモノを気軽に味わえることは幸福だ。「そろそろリゾットお作りしますか」絶妙なタイミングでシェフから声が掛かる。お願いしますと答えると、あっという間に熱々ムール貝のリゾットができあがった。「うわっ、美味しいよ、これ!」普段はほとんど米を食さない妻。けれども、このシンプルながらムール貝の旨味たっぷりのリゾットを前にすると、食べずにはいられない。躊躇いもなくスプーンが進む。んっ、確かにこれは抜群にうんまいぞっ。

利用ありがとうございます」シェフのお姉さんのご主人(前職の後輩の同級生)もたまたま仲間を連れてご来店。ご丁寧にご挨拶いただいた。お気に入りの店と新たなご縁が繋がったようで、何だか嬉しい夕べ。歩いて2分。すっぴんで訪問可能な美味しい店、イル パッツイーノ。またお伺いします!

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SINCE 1.May 2005