IGA別邸?「パークハイアット東京」

PH1年、“私の”誕生日には都心のホテルに宿泊し、友人たちと一緒に食事をするというのが妻からのプレゼント。誕生日にかこつけて、ホテルジャンキーの“妻が”楽しみにしているイベントでもある。今年の妻のチョイスは新宿の「パークハイアット東京」。開業当時から「NYバー」などに足繁く通い、何度か宿泊もし、結婚パーティも行ったお気楽夫婦のお気に入りホテルだ。お気に入りの理由のひとつは、スモール&ラグジュアリーであること。密やかにこぢんまりとしたエントランスから、シュッとしたデザインのエレベータホールを通り、41階でエレベータを降りると、最初のサプライズ。ピークラウンジの天井から差し込む自然光。そして植栽。週末の午後、賑わっているけれど、客室数が全177室と少ないこともあり、某国の団体客はいない。ここもポイントが高い点。ジランドールを横目に歩き、スタイリッシュなライブラリーを通る頃には、誰しもこのホテルの魅力に虜になっているはず。

PH4さなデスクと椅子が3セットほどあるスペースがフロント レセプション。隠れ家ホテル的な佇まい。小さな規模のホテルだからこそ可能なラグジュアリーな演出。チェックインの後は、地道に貯めたハイアットのポイントを使ってアップグレードしたパークスイートへ。部屋の広さは100㎡!自宅の倍近くある、ゆったりとした間取り。「IGA-IGAん家の別邸みたいだね!」「ほんと、ゼータクだけど、何だか落ち着く感じ♬」お招きした役員秘書と酒豪女子が声を揃える。それは嬉しい。自宅のリノベーションを行った際のキーワードのひとつは、ホテルのスイートルームのような…というものだった。そこでイメージしたホテルがこのパークハイアット。豪華なホテルにありがちなデコラティブな装飾はなく、クールなデザイン。リビング、ベッドルーム、バスルームと歩いてぐるっと回れるレイアウトは我が家と同様だ。

PH5の日の食事は、部屋のダイニングテーブルで。ホテル1階にある「デリカテッセン」で買い込んで、支払いは部屋付でとお願いしたところ、「よろしければ時間をご指定いただければ、お皿に盛り付けてお部屋にお持ちしますよ」とスタッフの嬉しいおことば。天使降臨!紙皿などを持参し、自分たちで盛り付けをしようと思っていたところに、堂々とオフィシャルな(?)部屋飲みができることになった。素晴らしい。ルームサービスのスタッフが、温かい料理は器を温め、サラダは冷やした皿の上でシャキシャキ状態で運んで来てくれる。その上、ホテルのダイニングやルームサービスでいただくよりもリーズナブル。時間もゆったり。せっかくの広い部屋も大勢でたっぷり味わえる。これこそがホテルの部屋飲みの醍醐味だ。「乾杯!ひと月遅れの誕生日おめでとう!」乾杯のスパークリングワインも持ち込みだ(笑)。

PH7ラダ美味しいよ♬」買い込んだデリに加え、酒豪女子が持参してくれた手料理でテーブルの上はいっぱい。フォークなどのカテラリーや取り皿も事前にお願いしてあったから、正しいホテルセッティング。ワイングラスもキチンと揃っている。レストランでのディナーと比べても遜色なし。さらに、同じ2月生まれの役員秘書が、自らバースデーケーキを買って来てくれた。キャンドルに火を付け、一緒に吹き消す。スイーツ番長の彼女が選んだケーキだから、文句なしに美味しい。部屋にはBGMにと持ち込んだ、最近お気に入りの「バックナンバー」の曲が繰り返し流れる。ラグジュアリーな部屋と、美味しい料理と、何よりも友人たちとの愉しい時間。なんだか嬉しい夜だ。楽しい夜だ。声に出してそう言うと、「さっきから何度も言ってるよ」と妻から突っ込みが入る。どうやら幸福に酔っ払ってしまったらしい。

PH8はよー♬エッグベネディクトだよ!」翌日、妻が友人たちに画像入りのメッセージを送る。ルームサービスにお願いした卵料理とサラダ、昨夜食べきれなかった(持ち込んだ)イチゴが朝食メニューだ。2日酔いもなくすっきりと目覚め、窓の下に広がる景色を眺めながら元気に朝食を摂る。ゼータクな時間だ。「さあ、ジムで走るよ!」さらに元気な妻がそう宣言する。このホテルのもう一つの魅力が45階にあるスパ「クラブオンザパーク」だ。高いガラスの天井と360度全ての方向がガラス窓という、実に開放的な施設。プール、ジム、スタジオがあり、そのいずれからも“下界”を眺めることができる。まさしく日常を忘れることができる、ハレのスペースだ。前日に続き、1時間ほど汗を流す。気分爽快。また頑張って仕事して、来年も来なきゃねと妻に問うと、「うん、仕事してなくても来たい!」まぁ、そうなんだけどね。

マダム!還暦♡「ビストロ トロワキャール」

60−160−2暦とは、干支が一回りして産まれた年の干支に戻る歳を指す。十干十二支が一巡する(10と12の最小公倍数)60年が経つと、生まれ年と同じ干支になる。今年の干支は丙申(ひのえさる)だから、60年前の1956年が同じ丙申だった訳で、つまり暦(こよみ)が還る=還暦という訳だ。生まれた時に帰るという意味で、かつて魔除けとして赤い産着を使ったことから、還暦には赤い衣服を贈って祝う風習が残ったらしい。母方の祖母が還暦のお祝いをした頃、私は小学生だった。母は長女で、私が長男だったから、祖母にとっては初孫。小学生の私にとって、還暦の祖母は堂々たる“おばあちゃん”だった。60歳という年齢は途方もなく先だった。果てしなく生きた後に訪れる年齢だった。ところが…。

60−360−42月生まれの合同誕生会をやろう!そんな企画が持ち上がった。裏には、スカッシュ仲間の“マダム”の還暦をお祝いするというメインテーマ。会場は「ビストロトロワキャール」。2月生まれのスカッシュ仲間5人が週末のランチタイムに集まり、お互いにお祝いしようという体裁。飲んべメンバーは抜栓代を支払い、泡、白、赤と担当を決め、自分の好みのワインを1本持ち込んだ。そして還暦のマダムに敬意を表するため、サムシングREDを身に付け集合。赤いセーター、腕時計のベルト、赤い石のリング、赤のストライプのシャツ。「何も見つからなくって!」というメンバーには、店から赤いチェックの膝掛け。その日の主役は、息子さんからのプレゼントの真っ赤なストールを纏って。

60−560−6杯!誕生日おめでとう♬」2月生まれが5人!偶然とは言え、すごい割合だ。お祝い気分が倍増。料理はと言えば、相変わらず絶品のオードブル盛合せ、メインの厚切りローストビーフも感涙ものの美味しさ。ランチメニューだからお得でもある。「ところで、皆んなはそれぞれ幾つなの」最年長のマダムからならそれが聞ける。「私はIGAIGAと一回り違いで…」「私は…」スポーツをやっていることもあり、みんな年齢よりずっと若々しい。が、何と言っても驚異の60歳、マダムだ。悩むこともあるけれど、基本はポジティブ。大酒は飲むけれど、体型維持を心がける。子供たちは独立したけれど、家族の絆は強い。大らかだけど、気遣いの人。そのバランスの良さが若さの秘訣か。

60−760−8ダム、おめでとうございます♬」デザートは、店のマダムまゆみちゃんにお願いしてあったバースデーケーキ。誕生日の方の名前を教えて欲しいと言われ、書き切れないと思うけどと全員の名前を伝え、メインは60歳のマダムだと言ってあった。後はお任せ。そして、その結果は、大きく「60」と形取ったパイ生地の巨大なケーキだった。お願いしたお気楽夫婦にとってもサプライズ!その上、ケーキを乗せたプレートに全員の名前が。素晴らしい!そのタイミングでメンバーからは赤い石の付いたペンダントをプレゼント。当日出席できなかったメンバーにも参加いただいたメッセージカードを添えて。「わぁ〜、ありがとう!嬉しいなぁ」そして皆んなで記念撮影。愉しい会だ。

暦すなわち60歳は、20歳×3ということで、3度目の成人式、新たなスタートだと言う人もいる。マダムを見ていると、その通りだと思うことがある。彼女は新たな場所で、夫婦揃って新たなスタートを切った。彼女は言う。「100歳までは40年もあるね。何かをはじめたらその頃はプロ級だね」かつては定年、引退の歳だった60歳は、今や新たに何かを始めることができる歳なのだ。「IGAちゃんもすぐだね。早くおいで!」う〜っむ、そうなのだ。還暦まであと2年。永遠に巡って来ないと思っていた60歳は、すぐ目の前にある。年齢を重ねることは決して悪くない。楽しみでもある。区切りの歳で私は何をしているんだろう。何をしたいと思っているのだろう。「呑んだくれてんじゃない?」お気楽妻の予言は正鵠を射る。

バレンタインの悲劇、あるいは喜劇「豚風〜BAR808」

NikuNiku2IGAさんたちはホルモンとか食べられますか?」一緒にスカッシュで汗を流した後、飲みに行こうぜ!とお誘いしたところ、スカッシュ仲間のご夫婦から逆にそう尋ねられた。「白いヤツじゃなかったら大丈夫だよ」とお気楽妻。私は大好きだと答える。「じゃあ、今日は僕らが良く行くホルモンの店に行きましょう!」詳しく聞いてみると、店の名前は「豚風(とんぷう)」というホルモン専門店。お気楽夫婦も何度か訪ねたことがある店だった。「移転してキレーになったんですよ」と肉部の幹部でもある友人。確か以前の店は、テーブル毎に備え付けられた小さなコンロの炭火で焼いたホルモンが絶品の店だった。ただし、煙もくもく、油臭まみれ。決してこぢゃれた店ではなかった。

Niku3NIku4シャレな店になったねぇ〜」お気楽妻が驚く程、小ざっぱりとした店構え。明るく清潔な店内。「何が良いですか」「お任せするよ!」そんな友人(夫)とお気楽妻の会話の後、「ハラミ…(以下覚えていない)お願いします!」と手際良くオーダー。出てくる各種ホルモンを段取り良く焼いていく。食べ頃になると取り分けてくれる。「つくねはパプリカと一緒にどうぞ」「うん、美味しい♬」ん、んまいね。お気楽夫婦は次々にホルモンを頬張るだけ。お大尽気分。苦しゅうないぞ。ビールからワインに飲み移るが、早い時間からスタートしたこともあり、それでも7時過ぎ。なんだか嬉しく、楽しいぞ!2軒目「BAR808」行く?「えぇ〜!良いんですかぁ」遠慮がちながら目は輝く2人。

Niku5NIku6インだけでも買っていきますよ」途中で買物をするという友人夫妻を残し、先を急ぐお気楽夫婦。イチゴを買い込み、デザートとチョコレートの準備をする。急な訪問客とは言え、バレンタインデーは間近だ。「乾杯♬」ワイン好きでもある友人夫妻。ご機嫌にワインをぐびぐび。どうやら好みのワインも買えたらしい。軽めのスナックをおつまみに、さらにぐびぐび。「わぁ〜っ!これどうやって作ったんですか!美味しい!おしゃれ!」友人(妻)が驚いた皿は、クリームチーズにティリキュールを注ぎ、イチゴを周りに添えたもの。彩りも美しく、なかなか美味しい。妻のアドリブだ。やるじゃないかスーシェフ。さらにワインをぐびぐび。いつの間にか何本目かのワインが空になる。愉しい夜だ。

Niku7Niku8ッピーバレンタイン♡」良い感じで酔っ払ったところで、お気楽妻から友人(夫)にチョコレートのプレゼント。「うわぁ!嬉しいです♬」「こんな豪華なやつ、貰ったことないんじゃない?私はIGAさんに買ってあったやつ、ウチに忘れてきたんです(涙)」ご機嫌な友人(夫)と残念そうな友人(妻)。その上、友人(妻)は酔いが回って眠そうな気配だ。「そろそろ帰りの時間を気にしなきゃだよ」比較的冷静な友人(夫)が気にしながらも、もう1杯どう?と私が差し出したシングルモルトのストレートをぐびり。「旨い!」電車の時間を気にする彼らは、調布から練馬に居を移し、以前よりも帰路が長くなったという事情もあった。それが“あの悲劇”を生むことになるなど、誰も知らなかった。

んで… こんなところに… いるのだ… しょうがない… 昨日が楽しすぎたから…」翌朝、友人(妻)のFacebookのタイムラインにマックらしい店内の写真。多摩センターにいます、とのチェックインも。え?練馬ではなく多摩センター?聞けば、酔っ払い夫婦2人、気が付くと多摩センター駅前のマクドナルドのレジ前のテーブルで、突っ伏して寝ていたらしい。その途中の記憶はブラックアウト。酔いつぶれて新宿で折り返したのか、以前の自宅方面へと電車に乗り間違えたのか、今となれば誰も分からない。「お客様、せめて何かご注文いただけますか」と目覚めた友人(夫)はスタッフに懇願され、友人(妻)はスマイル0円じゃない!と憤慨する。「こんな2人ですが、今後もよろしくお願いいたします」とメッセージ。うはは!止めろと言われても止められません、こんな大切なお友だち♬(笑)

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