幸福な気持になる料理♬「用賀 本城」

Honjo1Honjo2べるといつも幸せな気持ちになるんだよね♬」本城さんの料理を味わう度に妻は微笑む。初めて二子玉川の「たん熊 北店」で出会ってから約10年、独立されてから6年余り、その間ずっと季節ごとに、通算数十回の幸福を2人で味わってきたことになる。そして、その幸福の味を共有したいと思う友人たちを誘い、ご一緒してきた。2人が訪れた回数の大半は友人たちとの会食だった。そう思い指折り数えると、おそらく20人以上の友人たちと一緒に口福を味わったことになるようだ。こっそり2人だけで伺いたい秘密の店ではなく、仲間と一緒に楽しく味わいたい店。あの人をお連れしたいと思わせる店。なぜだろうと考えてみたら、答えはすぐに出た。その秘密は、カウンタ席にある。

Honjo3Honjo4城さんの出身「たん熊 北店」は、カウンタ割烹の先駆けである京料理の名店。本城さんの料理は、たん熊で培ったであろう伝統の技の上に、オリジナリティ溢れる料理が新たに生まれ、選び抜いた器の上で輝いている。本城さん独自の味があり、彩があり、演出があり、そして何よりも料理に対する愛情がある。人懐っこい笑顔の本城さんとの会話がスパイスになり、料理の味を一段と引き立たせる。カウンタの向こうの調理場がエンタテインメントのライブステージになり、観客である我々を楽しませる。これこそがカウンタ席でなければ味わえない愉しみだ。だからこそ、予約はカウンタ席が最上であり、中でも本城さんと相対する左端の席こそがベストシートとなる。

Honjo5Honjo6望の本城デビュー!嬉しいです」その日ご一緒したのは、スカッシュ仲間のご夫婦。ワインをはじめお酒全般が好きで、美味しいモノが大好きな2人。お連れするにはぴったり。その上、予約できたのはカウンタ左側の4席。デビュタントにとってはこれ以上ないベストシート。まずはビールで乾杯。「うわ〜!キレーで繊細な味ですねぇ♬」先付けの香箱ガニでいきなり舌の上に鋭いパンチをくらい、軽くダウン。続く生うにとあん肝の酢の物で、食材の組合せの絶妙なバランスに早々にTKO寸前。ここで素早く日本酒に移り体制を整える。ところが、牡蠣と白子の餡掛け、そしてお造りと攻め続けられ、軽く炙ったメジマグロを柚子胡椒でいただくスモーキーな一品に悶絶。KO。

Honjo7Honjo8すぎです、どの皿も」「あざっす」飲むほどに饒舌になり人懐こくなる友人夫妻に、本城さんもリラックスした笑顔で応える。彼らのデビューは上々だ。椀モノではダイコンとニンジン紅葉の下に沈むのはフカヒレ、ノドグロの焼き物の皿の上に散った板ウニのイチョウ、見目麗しく箸で崩すのが惜しい京料理の数々。「え?これ食べないの?」「大事に取ってあるの!」板ウニを焼いたイチョウは夫婦間で取り合いバトルが勃発。次々にお銚子が空になっていく。そしてアワビと貝三昧で少食のお気楽夫婦は終了。「お二人はご飯とデザート行かはりますか」「もちろんです!」友人夫妻が声を揃える。そして、焼きフォアグラ乗せ青海苔餡掛けご飯に声を震わす2人。幸福そうだ。

ぇ〜っ!持ってないの?」「そっちこそ!」本城ご夫妻に見送られ、今年もお世話になりましたと年末の挨拶をして店を出る。ところが、お互い相手の財布を期待していた2人の所持金不足が判明。何とも最後まで愉快な2人だ。まさか寸借詐欺でもあるまい。では、来年お会いする時までお貸ししよう。「夢のような本城デビューから、借金までしてしまい…こんなダメ夫婦ですが、これからも宜しくお願いします」翌日届いたメッセージにお気楽妻が微笑んだ。次回また、あの幸福のカウンタでご一緒に♬

好きな事しかしない旅(その2)「龍景軒(LUNG KEEN HEEN)」

HongKong1HongKong2港に行く度に、必ず訪ねる店がある。「龍景軒(LUNG KEEN HEEN)」 という広東料理の名店。香港旅行の計画の際は、航空券やホテルよりも早く、最初に予約を入れる。それだけの人気店。3泊4日、今回は定宿グランドハイアット香港のラウンジがリニューアルをしたのを勝手に記念(笑)した旅だった為、夕食1回だけの予約。ランチの予約はキャンセル待ち。夕食の際に2人が必ずオーダーするのは「白灼蝦(茹でエビ)」だ。新鮮なエビを茹で、唐辛子醤油をつけて食べるだけのシンプルな料理。だからこそ食材が勝負。頭を剥き、味噌をしゃぶる。殻を剥き、白く嫋やかな身をかぷり。旨っ!幸福な味が口いっぱいに広がる、至福の時間。あっという間に平らげ、満足の笑みを浮かべる絶妙のタイミングで熱々のおしぼりの交換。このサービスもこの店の魅力だ。

HongKong3HongKong4日は料理が遅れて申し訳ございません。どうぞ、こちらをお召し上がり下さい」エビを食べた後、その日は珍しく次の料理まで間が空いた。それを顔なじみのスタッフが気にして、最後にマンゴーサゴーを出してくれたのだった。「明日もWaiting listに入ってますよね。12時からならお席をご用意できます」ひゃっほぉ!声を出さずに妻が小躍りするのが分かった。「これで明日はアワビのパイが食べられるね」絶品デザートを食べながら妻の目が輝く。翌日、大好物の「アワビのパイ」、「豚肉の腸粉(チョンファン)」などを堪能。すると、前夜にも担当してくれたスタッフがオーダーしたピーナッツを模した可愛いデザートと一緒に、もう一皿運んで来た。「昨夜はマンゴーだったので、今日はキウイをお召し上がり下さい」ひゃっほぉ!妻が連日の小躍り。招福。

HongKong5IMG_7120はゴム麺食べられなかったから、嬉しいなぁ♬」妻が満麺の笑み。ゴム麺と2人が呼んでいるのは、輪ゴムのような歯触りの香港麺。香港の市中の麺粥店では一般的な麺なのだけれど、お高めのレストランではなかかなお目にかかれない。妻が笑顔になったのは、MTR湾仔駅の近くにある「香港仔茶餐廳」という庶民的な店。香港の食の魅力は、ホテルの中にある星付きの店だけではなく、こんな気軽なB級グルメにもある。オーダーの仕方は、指差し。インチキな広東語読みで発音はしてみるけれど、きっと店のスタッフは聞いてはいない。「はい、○○と××ね」と、(おそらく)正しい広東語で確認される。広東語と英語表記のメニューを見ながら2人がオーダーしたのは、招牌雲呑麺(エビ雲呑麺)と美國肥牛肉撈麺(牛肉焼きそば)。これがシンプルに旨いのだ。

SQ1SQ3ころで、お気楽スカッシュプレーヤーでもある2人。香港旅行の公式?な目的は、「香港スカッシュOPEN2015」という大会を観戦すること。世界のトッププレーヤーが集結する伝統ある国際大会だ。日本で事前にチケットを予約し、試合会場である香港スカッシュセンターに向かった。準々決勝男女各4試合が行われる、見所の多い大会6日目。満足ランチの後にのんびりと会場に着くと、コート横の席しか空いていない。とは言え、選手控え席近く、お気軽に観戦するにはぴったり。白熱した何試合かを観戦した後は、夕食の予約時間が迫っていたため、会場を出る。するとそこに大会NO.2シードのニック・マシュー選手が!撮影をお願いするとOKと笑顔で応えてくれた。好感度高し。こんな風にTOP選手が身近な感じはマイナースポーツの良いところ。

年もまた来なきゃね♬」妻が満面の笑みでつぶやく。スカッシュを観戦に、なのか。それとも美味しいモノを食べに、なのか。「両方に決まってるじゃない」どうやら、こんなお気楽な生活は来年も続きそうだ。

好きな事しかしない旅「グランドハイアット香港」

HongKong1HongKong2めてその街を訪れた時も、ヴィクトリアハーバーに面するビルの壁面一杯に、派手なクリスマスイルミネーションが輝いていた。街のあらゆる場所に人が溢れていた。1995年12月、返還前の香港は得体の知れないエネルギーに溢れていた。前年に九龍城砦は解体されたけれど、路地裏には怪しげな雰囲気が残っていた。それから20年、すっかり香港に魅せられたお気楽夫婦は、この冬に12回目の香港訪問を果たした。宿泊先は灣仔(ワンチャイ)にあるグランドハイアット香港。初めて訪れた際にも宿泊したホテルだ。違うのは部屋のグレード。オトナになった2人が宿泊するのはクラブフロアの客室だ。

HongKong5HongKong6ラブルームの最大の特典は、クラブラウンジの利用。2人が毎回のようにこのホテルに宿泊するのは、そのラウンジの魅力にある。そしてこの秋、各階で進められていたリノベーションの総仕上げとして、ラウンジが全面リニューアル。実は、この夏に宿泊した際にその情報を聞き、完成を待って再訪したお気楽な2人。30階にあるラウンジのフロントでチェックインした後、さっそくラウンジを訪れる。「わぁ〜っ!すごい」妻もその変わりように驚いた。ヴィクトリアハーバーを望む大きく明るい窓は以前のまま、使いやすいレイアウトに変わり、解放感溢れる広々とした快適スペースになった。

HongKong4HongKongウンジの魅力はサービスのレベルと質にある。朝食の料理の豊富さと美味しさはもちろん、カクテルタイムが素晴らしい。フレッシュなサラダ、生ハム、スモークサーモンなどのコールドミール、何種類かのオードブル、ホットミール、豊富なチーズ、フルーツ。小食な2人はここで夕食をコースで食べられるぐらいの品揃え。そして、名物“わんこシャンパン”だ。馴染みのスタッフたちにお帰りなさい!何を飲むかと聞かれ、シャンパンと答えた後は、飲み干しそうになる絶妙なタイミングでスタッフが現れ、並々と注いでくれる。無限に続く至福の時間。実際、到着初日はラウンジで夕食を済ませた2人。

HongKong3HongKong8適なジムもこのホテルの魅力。毎朝たっぷりの食事を摂り、午後には美味しい中華料理を堪能するために、午前中はジムに籠りたっぷり汗を流す。ジムの受付でロッカーキーを受け取り、妻がお気に入りだという中庭の緑のアーケードを通り、ロッカールームで着替え、最新のマシンに変わったジムで汗を流した後は、シャワーを浴びながらウェアを洗濯し、水着用の脱水機でちゃっかり脱水。そして(部屋のビールは高くて飲めないので)市中のコンビニで買ってきた缶ビールを飲みながら、洗濯物を部屋干し。このホテルに暮らしているような毎日のルーティンワーク。それも楽しい。それが楽しい。

回思うんだけど、ここに住みたいなぁ」妻がつぶやく。馴染みのスタッフとの挨拶や会話、快適な客室、素晴らしい眺め、美味しい料理、会計を気にせずに(笑)飲むお酒、歩いていけるジム、スパ、プール…。お気に入りのホテルを味わい尽くす心地良い時間が流れる。朝目覚めてから眠りにつくまで、1日中好きなことしかしないストレスフリーな生活。「日本にいてもストレスはないんだけどね」妻のゼータクな呟きは、そう続いた。

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SINCE 1.May 2005