中華三昧の日々は愉し♬「第三夜:萬来軒」

Banraiken1Banraiken3華三昧の日々の掉尾を飾る店「萬来軒」は、ずいぶん前から予約をしていた。お気楽夫婦が住む世田谷の端っこの街の、見た目はそっけない中華料理店。けれども、週末は常連客を中心に席が埋まり、予約なしでは店に入れない場合もある。某大手中華レストランのスタッフたちも毎年忘年会を開催するという、隠れた四川料理の名店だ。友人たちと一緒に大勢で出かけたその日のお目当は「上海蟹」。この季節になると2人で食べに出かけ、今年は仕入れる?(去年は高いから仕入れないとの判断だった)と厨房のおぢちゃんに声をかけ、おばちゃんに相談し、仲間たちに声を掛けると、「行く!」「食べたい!」との声に開催が決定。楽しみにしていたその日がやって来た。

Banraiken2Banraiken4白肉(ウンパイロー)や白菜の甘酢漬けをツマミに、持ち込んだスパークリングワインで乾杯。*ちなみにグラスも持参。辛辛旨旨。優しい味の海鮮春巻きで舌を休めたところで甕出し紹興酒。そして待望の蒸蟹(上海蟹の姿蒸し)が大皿に乗って登場。おぉ〜っと歓声が上がる。メスがにの内子のオレンジが食欲を誘う。妻が用意してきたおしぼりを配り、各自自宅から持参せよ!との指示通りにキッチンバサミを取り出す。1人1杯。剥いては食べる、全部剥いてから一気に食べる、性格が現れる食べ方。お気楽夫婦は共同作業で全てを取り出す。蟹味噌と内子と淡白な身を合わせ、口に運ぶ。ねっとり甘く、生姜醤油でさっぱり旨し!秋の幸福。〆は山椒が効いた麻婆豆腐で汗ダラダラ。

SasageMInaBAR808」へ移動した後は、仲間の1人酒豪女子の誕生日、お気楽夫婦の結婚記念日をお祝い。ケーキを買うということ以外、事前に何の取り決めもなく、ぶっつけ本番のパーティ。なのに、それぞれが用意した手作りプレゼントあり、バニーの耳あり、ハロウィンクッキーあり、花束ありの大にぎわい♬ケーキはご近所の名店「Yu Sasage」のシャインマスカットのケーキ。これが軽やかな甘さで絶品。「この店は、焼き菓子よりケーキの方がずっと美味しいね」スイーツ番長の役員秘書も絶賛。彼女の作った(飲んだのは元々酒豪女子)ワインのコルク製ポッドスタンドに感激する酒豪女子。バニーの耳が良く似合う彼女もテンション高く、満面の笑顔。何だか楽しいぞ。

Party1Party2んなで写真撮ろう!」被り物が全く似合わない自信がある私は、蝶ネクタイ。試しに被ってみたものの、仲間の「・・・」の反応に即座に外す。妙にバニー耳が似合っているのに、「写真は公開しないでください!建築家生命が絶たれます」と懇願する建築家。*ご要望の通り画像は門外不出。全員が写った画像は加工済み。猫耳の役員秘書も、バニーのアスリート女子も、『魔女の宅急便』のキキのようなデカリボンの妻も、羨ましいほどお似合い。それぞれがバニーや猫耳を付けたまま、それから飲み直したワインも、愉しく美味しい味になった。気のおけない仲間たちが集い、ワイワイと中華料理のテーブルを囲み、(被り物付きで)美味しい酒を飲む、幸福な夜だ。

日も中華行く?」そんな日の翌日、真顔で尋ねる妻。気持ちは分かる。初日の台湾料理、2日目の上海料理、3日目の四川料理と上海蟹、確かにそれぞれが美味しく楽しい3日間だった。これから馴染みになれそうなお気に入りの店、今後もお祝いや接待でお世話になるだろう店、そして仲間たちと楽しむ店。どれも2人にとって大切な店、そして仲間たち。「次は京都かな?」え?妻が不敵に微笑んだ。

中華三昧の日々「第二夜:状元樓 自由が丘店」

yamamoto由が丘の物件は契約の見通しとなりました。IGAさん、ありがとうございました。やったぁ〜!」フットケア店のオーナーから、そんな嬉しいメッセージが届いた。だったら祝杯だ。自由が丘で飲みましょう!と返信。さっそく予約したのは、中華街にある「状元樓」の自由が丘店。お祝いの乾杯をするのに相応しい上海料理の名店だ。おめでとうございます!自由が丘へようこそ!と嬉しい乾杯。満面の笑みが零れるオーナー。「ホントに厳しい条件だったんですけど、店のロゴを作り直して大家さんに見せたら、頑張ったじゃないか、これで姉に説明しやすくなったよって言われて。窓口になった建築士さんのお姉さんが大家さんだったんですね。結果的には良い人でした」そんなエピソードも契約できる今となれば笑い話。良かった良かった。

Asparaめでたいということで、前菜盛合せの後にオーダーしたのは、「五福小籠包」という五色の小籠包、さらに「上海蟹入り小籠包」、「大海老とアスパラガスの蟹味噌炒め」という豪華に上海蟹を使った料理。素材の味を活かした上品な味付けや、逆に甘めで濃厚な味付けは上海料理の特徴。「どれも美味しいですね」と嬉しそうなオーナー。嬉しさは何よりの美味だろう。とは言え、確かに安心の美味しさ。甕出し紹興酒を飲みつつ、何軒かハシゴして自由が丘の夜を案内しますよと提案。「良いですね!行きましょう!」とノリノリ。そこに支配人がご飯か麺でもとオススメに登場。自由が丘へ支店を出すのだとオーナーを紹介し、この後何軒か自由が丘の店をご案内するのだと伝えると、お見送りの際「行ってらっしゃい」と笑顔で送られる。さすが。

spayside2軒目に向かったのは、状元樓から歩いて数十秒の「スペイサイドウェイ」というシングルモルトのバー。薄暗い店に入るとカウンターの奥にシングルモルトの瓶がずらりと並ぶ。壮観で荘厳な眺め。京都の三十三間堂に並ぶ仏像のように、1本1本が美しく妖しく輝く。仏像を守る僧侶のような店主に、余りウィスキーには詳しくないというオーナーにオススメの1杯をお願いすると、恭しくやってきたのは「The TEN」というシングルモルトのロック。「ラ・メゾン・ドュ・ウィスキー」というフランスに拠点を置くウィスキーショップの企画で、初心者向けに作られたアイラのシングルモルトだという。なるほど、ぴったり。私のラフロイグ、妻のガス入りウォーターで、再度乾杯。丁寧に丸く削られた氷を弄びながら、ぐびり。ん、これも自由が丘。

IMG_8909軒目は、熊野神社近くのカラオケスナック。転けたら骨折は必須という急な階段を登り、雑居ビルの3階へ。「実はカラオケ大好きなんです♬」とさっそくマイクを握るオーナー。ん、巧い。確かに歌いこんでる。ママにオーナーを紹介し、自由が丘に支店を出すのだと伝えると、「頑張ってね。商売は大変だけど、良い街よ」とエールを送ってくれる。「あら、この歌好きよ♡」とオーナーの歌う曲を口ずさみ、遠慮がちに一緒に歌い始める。ん、良い感じ。こんなワカモノの曲も知ってるんだぁ。さすが。「あれ?これ庄内弁?」飲まない冷静な妻が、店の壁に貼ってある似顔絵の吹き出しに目を留めた。「そう、酒田出身なんです」とママさん。「あら、彼は鶴岡ですよ」「あれ〜、びっくり!珍しいね」と喜ぶママさんとおもわず握手&ハグ。

日はありがとうございました。また飲みすぎてしまいました。中華美味しかったです。楽しいお店も紹介いただき、ありがとうございました」さっそくオーナーから丁寧なメッセージ。今まではフットケア店の客と施術師という関係だったけれど、これからは自由が丘の仕事仲間にもなる。商店街にも加盟いただけるとのことでもあり、ますます身近な関係になりそうだ。またぜひご一緒に!

中華料理三昧の日々「第一夜:天天厨房」

tenten1tenten2華料理好きのお気楽夫婦は、数日なら(例えば香港滞在6日間)毎晩中華料理でもOK。それはすごいねと言われることもあるけれど、「中華料理」と大きく括っているから、「日本料理」が好きと同意。毎日和食と言うなら誰も疑問は湧かないはず。中華料理も幅広く、各地方の料理はそれぞれ進化し、融合し合い、洗練されてきている。日本においても、北京、広東、上海、台湾ときちんとカテゴリが分けられつつあり、店毎に特色ある料理を出す店が増えている。だから毎日中華でも飽きずに楽しめる環境は整ってきたと言える。中華好きのお気楽夫婦にとっては嬉しい限り。そんな2人が、ある週末偶然にも3日間連続で中華!ということになった。初日は、台湾料理「天天厨房」だ。

tenten3tenten4湾料理と言えば、渋谷の老舗「麗郷」「台南担仔麺」(今は渋谷に店はなくなり、水道橋店しかなくなったが)など、お気楽夫婦の大好物。特にパクチーをたっぷり使った料理が多く、パクチー好きの2人は、中国では香菜(シャンツァイ)と呼ばれるパクチーだけ追加でオーダーしていた。2年ほど前に、ご近所に開店したこの店「天天厨房」のシェフは、かの「パクチーハウス」のシェフを務めたということで、パクチー好きにとっては嬉しいメニューが多い。店の名前の「天天」は「毎日」という意味。毎日食べても身体に良いものを提供するというのが店のコンセプト。また、紹興酒はもちろん、日本酒の品揃えも多く、飲み比べ利き酒3種というメニューも嬉しい。

tenten5tenten6ビールの後は、その日も紹興酒の利き酒セット。3年、5年、8年の香りも味わいも違う黄金色の酒を味わいつつ、3種の前菜盛り合わせ。その日は、パクチーがたっぷりの干し豆腐香味野菜和え、半熟ピータン豆腐、鶏胸肉とパクチーの麻辣和えというラインナップ。旨し。「今日は酔っ払い海老がありますが、いかがですか」シェフからそんなオススメ。もちろんいただきます♬活きた車海老を紹興酒に漬け込む酔っ払い海老は、ねっとりと甘く香りたつ一品。頭と尻尾を除いて殻も剥いてあり、食べやすく、頭を咥えてちゅるっと味噌を吸い込む。ふふふ。旨いに決まってる。さらに、季節野菜のパクチーサラダ。どんだけパクチー好きなんだ。NO PAXI NO LIFE。

tenten7tenten8湾料理の醍醐味は、屋台料理にもある。例えば、「牡蠣と旬野菜のオムレツ」、麗郷名物でもある「台湾腸詰」そして、「魯肉(ルーロー)飯」や「汁ビーフン」など、お馴染みの料理がメニューが並ぶ。その日は残念ながら麺が品切れとのことで、オムレツとルーロー飯。そしてオススメの日本酒、長野の「麻輝(あさき)」をいただく。ふくよかジューシーな牡蠣がたっぷり入った、ふかふか美味しいオムレツ、旨し。そして小食な2人が頑張って辿り着いた炭水化物、タレが浸みたルーロー飯が実に美味しい。小さなポーションで取り分けてくれたから、あっという間にぱくりといただく。もちろんご飯の上にはこんもりとパクチー。くぅ〜っ、〆まで幸福なパクパクパクチー♡

た来まぁ〜す♬すぐに来まぁ〜す」かなり気に入った様子の妻が、珍しくテンション高く挨拶をする。季節の新鮮な食材を活かした、とっても素直な台湾料理。カウンタ席がほとんどで、テーブル席は1つだけの小さな店だけど、そんなこぢんまりとした店だから、いい意味でシェフとの距離が近く、親しみやすく心地よい空間だ。確かに妻好み。酒の種類が多いのは私好み。こうして2人のお気に入りの店がまたひとつ♬

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SINCE 1.May 2005