ご近所の名店「萬来軒/世田谷」
2005年 5 月02日(月)
他人には教えず、内緒にしておきたい大切な店がある。こっそり二人だけで通う、取って置きの店。逆に、友人に薦めたり、気が置けない仲間と行く大好きな店もある。皆で出かけ、「うわっ、これっ、旨いね!」と言って楽しく食べるのが嬉しい店。「萬来軒」は、私が20年以上通い、皆でわいわいと楽しんでいる、“ご近所の名店”。
なにしろご主人が研究熱心。それを知る馴染み客はお薦めメニューを優先する。これがめったに外れない。季節の素材と中華の技とをバランス良く活かした一品。ヌーベルシノワーズではなく、季節感溢れる萬来軒オリジナルの四川料理。中華の皮を被った無国籍料理ではなく、新しい素材と料理法の新鮮な組合せ。お薦めメニューは毎月(不定期に)変わるし、毎年同じメニューがあるかどうかは不明。そこで、定番のメニューをいくつかご紹介。
四川水餃子は、大きめのワンタンのような形の餃子を茹で、辛いタレで和えてある。芝麻醤の白、辣油の赤、添えられた青菜の色が食欲をそそる逸品。ビールにぴったり。看板の麻婆豆腐は、今でこそ一般的になった中国山椒を使った絶品中の絶品。同伴する友人は必ず「また食べに行きたぁい!」を連発する。ごはんにぴったり。坦々麺は汁無と汁麺との2種類あり。某男性系料理雑誌に紹介された結果、一時は客が大勢訪れ、「毎日坦々麺ばっかり作ってたわよぉ」と接客担当の奥さんが嘆いていた。そして秋には上海蟹。これも毎年大勢で食べに出かける恒例イベントになった。遠くから訪ねて来ても食べる価値はあると思うけど、やはりご近所にあることが嬉しい店。
土曜の午後、妻と二人でこの店で青島ビールを飲みながら遅いランチを取り、「この店がある限り、この街から引っ越せないよなぁ♪」と呟く幸せを味わうのだ。