鮎は夏の香り「季節の味」

dsc季節になるとどうしても食べたくなるものがある。春には天ぷら。山菜の、特にタラの芽の香りと苦味が待ち遠しく、稚鮎の天ぷらも良いなぁと思いはじめると、食べに行かなきゃぁ!と我慢できなくなる。桜海老のかき揚げ、生も良いけど、これも良い。寿司ならサヨリ。銀色に光る肌が折りたたまれた姿が艶っぽい。おっと、春はイチゴも。妻が好きなイチゴは毎朝のように食べる。最近は“あまおう”の甘さが良いよなぁ・・・。

秋には上海蟹。皆で食べに行く前に試食だぁ、とか言いながら二人で食べ、皆と行く日程を決め、予約する。大事な秋の楽しみ。あ、カワハギの肝も旨いか。栗も出始めを見かけると“栗ご飯”にして・・・。(めったに家ではしないけど)そうか、定番の秋刀魚も忘れちゃいけない。おろし大根に、酢橘を絞って、・・・きりがない。そして、夏。ところてんも好き。きりっと冷やしてつるつるっと喉を通る酸っぱさ加減がたまらない。(なのに今年は品薄で食べられない。) 茗荷、谷中生姜、茹でた“だだちゃ豆”、・・・日本の夏だなぁ。日本人だなぁ。無花果を飲み残したスプマンテで甘く煮込み、よく冷やしてヨーグルトを掛ける、我家の夏の定番のデザート、これも美味しい。おっと忘れちゃいけない、必ず食べなければいけないのが、“鮎”の塩焼き。

夏の帰省には親父が決まって鮎を用意していてくれた。「今年の夏は小さくてなぁ」そう言いながらも嬉しそうに焼いてくれた。鮎は夏の香りがした。この夏、なかなか良い店が見つからず、珍しくも自宅で鮎の塩焼きを食べることにした。立派な姿だけれど、養殖もの。串も打たずに焼いたから、ちょっとカリカリ度が低く、腹の香りも薄い。物足りない。カキーンと冷えたスイカ、ナスの一夜漬け、そして鮎の塩焼きでも食べに、親父の顔を見に行くかぁ。ついでに「転職したよ」と伝えなきゃ・・・。

Comments are closed.

002184372

SINCE 1.May 2005