パリの冬、パリの夏「おとなの卒業旅行」

p1000PARIS初めてパリを訪れたのは26年前、貧乏な学生時代だった。まだ寒い2月、2ヶ月弱の短期語学留学。アテネフランセのクラスメイト、憧れていた年上の女子大生と一緒。学校へも行かず毎日パリの街を歩き廻り、カフェで本を読み、ルーブルなどの美術館に通った。…思い出すと卒倒しそうになる青い日々。その後何度か渡仏する機会があったけれど、いずれも冬。寒いのだ、これが。いつか暖かな季節にパリを訪ねたかった。

いくつもの酒宴、ランチ、挨拶を済ませ、待望の夏のパリ・ロンドンの旅に出かける。妻の夏休みとスケジュールを合わせ、一緒に出かける卒業旅行のようなものだ。NYCの友人夫妻の薦めもあり、彼らが滞在していたことのあるオクスフォードを訪ねる。年に数回パリに通う?友人の一押しでシャンパンの聖地ランスに向かい、シャンパンセラーを訪ねる。新たな勤務先のボスが鉄道マニアだということで、彼に自慢するネタとして、ロンドンからパリへの移動はユーロスターを選んだ。いろいろな人との関わりに感謝しつつ、お気楽な贅沢旅行を楽しむ予定だ。

毎年のように行っている南の島は、お気楽な贅沢旅行じゃないのか?というご意見はある。確かに傍目は同じ。違うのは自分の中の気持だけ。19年間、楽しく仕事をさせていただいた。ただし、良い事ばかりではもちろんなかった。大腸にポリープも出来たし、神経性の下痢にもなった。でも、時間が解決するものは多い。19年間の大ボスに転職の挨拶をして実感した。彼との関係が会社を辞める遠因ではあったけれど、笑顔で見送られ握手をした瞬間に、そんな思いが霧散した。いろいろな記憶が去来した。ありがとうございましたと心から言えた。あらゆるものに感謝したくなった。…その夜、調子に乗って酒の席でハグし過ぎて顰蹙を買った。単純な性格は変わらない。

そんな気持を持って旅立つことができる。搭乗予定の英国航空が先週実施していたストの影響がなく、ロンドンではテロに遭遇することなく、ランスでシャンパンを飲みすぎることなく、元気に帰って来て、新しい仕事に向えることを祈りたい。

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