憧憬の隠れ家ホテル「ザ・ダタイ(前編)」

P1020205アンダマン海に浮かぶ、熱帯雨林の自然そのままの島、ランカウイ島。10年ほど前の夏に、この島を訪れるはずだった。ところが、当時のボスから急な仕事の依頼が入りランカウイ行きは中止。日程変更したところ、ランカウイ島のホテルは予約できず、同じマレーシアのペナン島へ。結果的には素朴な(熱海のように鄙びた)島にも、ホテルにも満足。そして今日までずっと続く「プールとビールと読書の日々」の始まり。

P1020413訪れたかったその島には、お気楽夫婦が憧れるホテルがあった。(もちろん、当時の計画では予算オーバー。宿泊は全く無理だった)周囲は漆黒の闇に包まれた熱帯雨林。その中に浮かぶ船のような、ホテルの窓から零れるオレンジ色の光。そんな神秘的な1枚の写真が二人を惹きつけた。“Hideaway”と呼ぶに相応しい、“大人のホテル”として。そのホテルが、「ザ・ダタイ」だった。

その後、お気楽夫婦は、東南アジアのリゾートに嵌り続けた。バリ島、サムイ島、ビンタン島、パンコール・ラウ島など、その島ごとに満足のいく滞在ができた。年齢を重ね、ヴィラに宿泊する“快感”も体験した。ダタイに宿泊できる財布も持った。しかし、経済的な条件だけではなく、そのホテルに滞在するに相応しい“大人”として訪れたかった。

この夏、10年の歳月を経て、ランカウイに向かった。宿泊先はもちろん、「ザ・ダタイ」。クアラ・ルンプルで乗り換え、ランカウイ空港へ。そこから迎えの車でホテルへ。マレーシアが国を挙げて開発しているリゾートだけあって、ホテルに向かう道路は美しく整備され、快適。30分ほどでホテル着。憧れの美しい女性に、初めて対面するような緊張感。

P1020337_1闇の中に浮かぶオレンジの光は、まさしくあの写真の通り。フロント前に向かい合う一対の木馬がスポットを浴びて輝く。意外なほど涼やかな風が、高い天井のロビーを優しく流れる。ガッコーや虫の声の中、半屋外のテラス・バーに通される。ミントの香りの冷たいおしぼり。ウェルカム・ドリンク。そこで、チェックイン。薄闇の中で、ピアノ・トリオが奏でる音が耳に心地良い。その時二人は、バーのソファで実感した。ここに来たかったのだ。この場所に。さぁて、ヴァカンスのはじまりだ。

【お気に入りホテル】 ■ザ・ダタイ 〈ランカウイ・マレーシア

【旅の記録・街の記憶】■憧れの隠れ家リゾート ザ・ダタイ

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